シニア

便秘解消の朝ごはん!簡単便秘解消メニュー

多くの人が抱える便秘のお悩み。60代からは、女性だけでなく男性も便秘になりやすくなります。便秘対策には、腸を刺激して排便を促す朝ごはんが欠かせません。シニア(高齢者)の便秘の原因から朝ごはんのおすすめの食べ方、メニューまでをご紹介します。

シニア(高齢者)が便秘になりやすい原因とは?

女性に多いイメージのある便秘ですが、65歳を過ぎると男性にも増え、75歳を超える頃には女性を上回るほどになります(※)。 ※出典:厚生労働省「令和元年 国民生活基礎調査」

便は自分の健康状態をチェックするための大切な情報源ですが、なかなか出ないからとトイレで強くいきむと、血圧が急上昇して心筋梗塞(こうそく)や脳卒中などを引き起こすこともあります。便秘は是非とも解消しておきたいですね。

そもそも、なぜシニア(高齢者)は便秘になりやすいのか。その主な原因には次の3つがあります。

便秘の原因①腸内細菌のバランスの変化

腸の中にすんでいる様々な細菌のうち、体によい働きをするのが善玉菌、有害物質を発生させるのが悪玉菌と呼ばれます。60歳を過ぎると善玉菌が減少し、入れ替わるように悪玉菌が増加することから、腸の機能が低下して便秘を起こしやすくなります。


便秘の原因②排便に関わる筋肉の衰え

排便には、骨盤の底で腸や膀胱(ぼうこう)を支える骨盤底筋、お腹を支えて動かす時に使われる腹筋、上半身と下半身をつなぐ腸腰筋(ちょうようきん)などの筋肉が関わっています。加齢のためにこれらの筋肉が衰えると、便を押し出す力が弱まり排便しにくくなってしまうのです。


便秘の原因③食欲の変化

運動量の減少や内臓機能の低下、味覚や嗅覚の変化、噛んだり飲み込んだりする力の低下から、食欲が減退してしまうこともあります。食べる量が少なくなると、便のかさが減るだけでなく栄養も偏りがちになり、腸内環境が乱れます。

朝ごはんから、簡単にできる便秘対策を始めよう

朝、食べ物を口にすると体が目覚め、腸の働きも活発になります。1日の体のリズムも整い、規則正しく排便できるようになるでしょう。朝ごはんをしっかり食べることは便秘対策につながるのです。

便秘解消の朝ごはんには食物繊維が有効です。ただ、「何をどう摂り続ければいいのか、ずっと続けられるのか」と、難しさを感じてしまう人もいるでしょう。特に朝ごはんは調理の手間や時間をあまりかけたくないものです。

そこでおすすめしたいのが、主食の白米を炊く時の一工夫で、食物繊維を増やす方法です。朝ごはんの主食となる白米に雑穀や押し麦、もち麦などを混ぜて一緒に炊いてみましょう。たったそれだけで、便秘解消の効果をアップさせることができます。

見た目の違いや味に抵抗を感じるという人は、白米と見た目もあまり変わらず、味にくせがない「もち麦」から始めてみるのがおすすめです。もち麦は白米や玄米よりも食物繊維を多く含んでいます。無理をしては続けられませんので、慣れるまでは混ぜる量を少量にし、徐々に増やすようにするとよいでしょう。

便秘を解消するおすすめの食べ物は?

便秘の解消には、腸の健康維持や排便をサポートする食べ物を摂ることが大切です。特におすすめの食べ物を見ていきましょう。

【食物繊維を多く含む食べ物】

食物繊維には、便の量を増やす不溶性食物繊維と、腸内細菌のエサとなり善玉菌を増やす水溶性食物繊維があります。この2つをバランスよく摂取することが便秘解消には効果的です。ただし、一般的に食物繊維が豊富なイメージのある食べ物は、不溶性食物繊維が多い物がほとんど。水溶性食物繊維を含む食べ物を意識して取り入れるようにしましょう。

  • 不溶性食物繊維を多く含む……いも類、きのこ類、豆類など。
  • 水溶性食物繊維を多く含む……海藻類、なめこ、オクラ、モロヘイヤなど。
  • 水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のどちらも多く含む……ごぼう、人参、かぼちゃ、もち麦など。

このように食物繊維を多く含む食品はいろいろあります。特に不足しがちな水溶性食物繊維は、主に「粘り気やとろみのある食べ物に多い」と覚えておくと便利です。海藻やネバネバした食品を、毎食取り入れるようにしてみましょう。

【発酵食品】

ヨーグルトや乳酸飲料、チーズ、納豆、ぬか漬けなどの発酵食品には善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌が含まれ、腸内の善玉菌を刺激して便秘の解消に役立ちます。

腸内細菌は種類が多いほど善玉菌と悪玉菌のバランスが整いやすくなり、腸の粘膜のバリア機能も高まります。腸内細菌の種類を増やすには、1日の食事でより多くの数の食品を摂ることが大切ですが、最近の研究で、発酵食品を食べることでも腸内細菌の多様性が高まることが報告されました(※)。※出典:Cell. 2021 Aug 05;184(16);4137-4153.e14. pii: S0092-8674(21)00754-6.

発酵食品はそのまま食べられる物も多いので、朝ごはんにも取り入れやすいでしょう。

【油】

年齢を重ねると脂っこい食事が苦手という人が増えますが、油は便をコーティングして排出しやすくします。また、脂質に含まれる脂肪酸も大腸を刺激し、便通を助けます。

便秘対策におすすめの油は、常温でも固まらない不飽和脂肪酸を多く含む、ごま油やオリーブ油、えごま油などです。鮮度や栄養価などをチェックして、質の高い油を選び、適量を摂りましょう。

朝ごはんに加えたいカンタン便秘解消メニュー

便秘解消メニューとして、「食物繊維」を摂りやすい朝ごはんにぴったりのメニューや、「発酵食品」「油」を使ったメニューをご紹介します。素材を変えてアレンジができ、簡単に作れるので毎日の朝ごはんに加えてみましょう。

●もち麦ごはん<便秘解消朝ごはんレシピ①>

もち麦は噛むほどに甘みが感じられます。しっかり噛めば満腹感も得られるでしょう。


[材料]

  • 米……2合
  • もち麦……1/2カップ

[炊き方]

  1. 米をとぎ、通常の水加減にする。
  2. もち麦(とがずにそのまま使える)と水1カップを加える。
  3. 白米と同じ方法で炊く。

●お通じ改善みそ汁<便秘解消朝ごはんレシピ②>

ネバネバ食材や海藻など水溶性食物繊維が豊富な具材と発酵食品のみそを使用。仕上げに加えたごま油の香りが食欲をそそるみそ汁です。


[材料]

  • オクラ……4本
  • なめこ……1パック
  • 乾燥わかめ……大さじ1
  • だし汁……500g
  • みそ……大さじ3
  • ごま油……小さじ1
  • 白ごま……小さじ1/2

[作り方]

  1. オクラを5mm幅の輪切りにする。
  2. 鍋にだし汁を入れて沸かし、①、なめこ、乾燥わかめを入れてひと煮立ちさせてみそを溶き入れる。
  3. 仕上げにごま油と白ごまを加える。

●キムチアボカド納豆<便秘解消朝ごはんレシピ③>

発酵食品であるキムチと納豆に、食物繊維豊富なアボカドを加えて混ぜるだけ。納豆は混ぜる物を変えて、様々な楽しみ方ができます。


[材料]

  • 納豆……1パック
  • キムチ……20g
  • アボカド……1/4個
  • しょうゆ……小さじ1

[作り方]

  1. キムチは刻み、アボカドは角切りにする。
  2. 納豆、①、しょうゆを混ぜる。

料理が億劫になりがちなシニア世代は、ごはんやみそ汁、簡単に食べられる加工食品など、普段食べている朝ごはんに、ちょっとしたアイデアを加えてみるところから便秘対策を始めてみましょう。無理せず、長続きさせることが大切です。

監修 舘野真知子先生 たての・まちこ 料理研究家・管理栄養士

舘野真知子先生 近影

栃木で8代続く専業農家に生まれる。
管理栄養士として病院に勤務後、2001年アイルランドの料理学校「Ballymaloe Cookery School」に留学し料理を学ぶ。校長ダリーナ・アレンに影響を受け、生産者を尊重すること、素材を生かす料理をすることをモットーにしている。
帰国後はフードコーディネーターとしてメディアなどで活動した後、レストラン「六本木農園」の初代シェフを務め、現在はフリーランスの料理家として発酵料理をキーワードに、料理の楽しさや食べることの大切さを栄養・料理・文化を通して伝える活動をしている。
また国際交流にも積極的に参加し外国人向け料理教室Kitchen Nipponにて講師を務める。2015年にはイタリア・ミラノで開催されたPeace Kitchenが実施した和食をつたえる料理教室のカリキュラム作成、講師を担当。
『からだに効く! おいしく食べる あま酒レシピ』(東邦出版)等、著書多数。

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