イタリア料理によく使われるトマトやオリーブオイルは、ナポリなどの南イタリアで特によく使われる食材です。
イタリアントマトにはいろいろな品種があり、日本では見たことない形、味のものがたくさんあります。日本でもよく見かけるホールトマトのかんづめには「サンマルツァーノ」という品種が使われていて、実が厚くて煮くずれしにくく加熱することでよりおいしくなります。
また、オリーブオイルはパンにつけたり、サラダ、ピザ、パスタ、肉・魚料理にかけたりそのまま食べるのがいっぱん的です。
イタリア料理は、それぞれの土地の素材をいかしたシンプルな料理が多く、トマトの「赤」、チーズの「白」、バジルの「緑」など見た目も色あざやかできれいな料理がたくさんあります。


イタリア料理は地方料理の集まり
南北に長いイタリアは、それぞれの地域で気候や風土がちがい、地方ごとにそれぞれの郷土料理があります。ナポリ料理、トスカーナ料理、ローマ料理、シチリア料理といったそれぞれの地域の料理が集まったものを「イタリア料理」といいます。
イタリア料理の歴史は古く、紀元前の古代ローマ帝国に始まり、ローマ帝国が勢力を広げるとともに、ヨーロッパ各地に広がりました。「ヨーロッパのおいしいもののルーツはローマにあり」ともいわれ、世界3大料理のひとつとされているフランス料理も、イタリア料理のえいきょうを大きく受けて発展したといわれています。
北イタリアは、アルプス山脈が近いためすずしく、にこみ料理やお肉料理が多いのが特ちょうです。
ミラノの郷土料理「コトレッタ」は、日本ではミラノ風カツレツという名で知られています。フランスでもよく食べられていて、フランスでは 「コートレット」と呼ばれています。
また、南イタリアは暖かく太陽のめぐみをたくさんうけ、オリーブオイルやトマトをたくさん使ったさっぱりした料理が特ちょうです。魚介類がたっぷりはいった「アクアパッツア」や「ペスカトーレ」などがナポリの郷土料理として有名です。
みんなが大好きパスタとピッツァ
イタリアの国民食「パスタ」と「ピッツァ」は日本でも大人気の料理です。小麦などで作るめん類のことを「パスタ」といい、スパゲッティなどのロングパスタや、ペンネ、マカロニなどのショートパスタなど700種類近くあります。北部では、打ちたての生パスタ、南部では乾燥パスタがよく使われています。
イタリア語でトマトという意味をもつ「ポモドーロ」はそのままパスタソースの名前にもなっています。シンプルなトマトソースを使ったパスタのことを「ポモドーロ」、ひき肉とトマトを使ったソースのパスタのことを「ボロネーゼ」といいます。

アマトリーチェという町で生まれた「アマトリチャーナ」は、家にいつもある材料で作れることから、家庭でよく作られています。
また、「アラビアータ」はおこっているという意味で、とうがらしを使ったソースで、からくておこったように顔が赤くなることから名づけられました。
他にも、「カルボナーラ」「イカスミパスタ」「ジェノヴェーゼ」「ボンゴレ」など日本でもおなじみのパスタがたくさんあります。


もうひとつの国民食「ピッツァ」は、大きく分けてナポリ風とローマ風があります。みんながよく知っている「マルゲリータ」はナポリ風ピッツァで、ふちが厚くてもっちりした生地にトマトソースとモッツァレラチーズ、バジルとシンプルな具材が特ちょうです。
ローマ風ピッツァは、うすいパリパリした生地に色々な具材がたくさんのっています。
ピッツァの直径は30cmと大きいですが、イタリアではひとりで1枚を食べきるので取り分けはしません。ナイフとフォークで切り分けて食べます。
伝統的な製法が守られ、日本のように宅配することはせず、お店で熱々を食べます。

