メキシコ料理に欠かせない食材といえば、とうもろこし、豆、それに「チレ」と呼ばれるトウガラシです。日本では「チリ」っていいますね。北部のかんそう地帯から中央部の高原地帯、南部の熱帯地域まで、地方によって気候がかなりちがうメキシコでは、その土地によってさまざまなチレが作られていて、全部で70種類くらいあるんです。チレというと「ハバネロ」のように激からのイメージですが、ただから味をつけるだけでなく、料理にコクを出すためにも使われているんですよ。チレにトマトなどを加えて作るソース「サルサ」は食たくで料理にそえていただきます。サルサにはいろいろな種類があります。アボカドを使って作る「ワカモレ」も人気があります。
特色ある郷土料理がいっぱい!
メキシコ料理は7000年前から伝わる伝統的な食文化が評価されて、2010年にユネスコの世界遺産(無形文化遺産)に登録されました(日本の和食は2013年に世界遺産になっています)。広大な国土のため、地方ごとに手に入る食材がちがうことから、その土地ならではの郷土料理が発達したんです。
北西部バハ・カリフォルニア州のムール貝やロブスターなど魚かい類を使った料理や、中西部ハリスコ州のチレで味付けしたやぎの肉を煮込んだ「ビリア」、ユカタン半島のぶた肉を蒸し焼きにした「コチニータ・ピビル」など、地域によって特色ある料理が作られています。南部オアハカ州はチーズの産地としても有名で、「ケシージョ」というさきイカのように縦にさけるチーズもありますよ。
また、ノパルという食用のサボテンがあって、トゲをとって出荷されたノパルをにたり、焼いたり、あげたり、すづけにしたりして食べます。これもメキシコならではのユニークな食材ですね。