比べてみよう!世界の食と文化

ロシア連邦のあいさつ

ロシア語(公用語) ロシアの文字はキリル文字っていうんだよ。

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ロシア連邦の食文化・食のあれこれ

ロシアで生まれた料理の出し方

前菜からはじまり、スープ、メイン料理、デザートと順番にひとつひとつ料理を出すサービスはロシアで誕生たんじょうしました。遠くにあるものを取りやすく、作りたての料理を冷めないまま順々に出す形式が根付いたのです。この出し方はコース料理としてフランス料理をはじめ世界中で定着し「ロシア式サービス」とばれています。

マヨネーズの消費しょうひ量は世界一

ロシア人はマヨネーズが大好きで、その消費しょうひ量は世界一。マヨネーズのはっしょうはスペインですがフランスに広がり、やがてロシアへ。寒冷地のロシアではマヨネーズのようなカロリーの高い食品が好まれ、19世紀後半にモスクワの高級レストランで外国人シェフが考案した「オリヴィエ・サラダ」にマヨネーズが使われたといいます。ソヴィエト連邦れんぽう時代の1930年代になって広くふきゅうしました。
ふつうのマヨネーズのほか、トマト味やにんにく味などさまざまな種類のマヨネーズが売られています。

トマト味のマヨネーズってどんな味かなぁ。
コース料理
マヨネーズをたっぷり使ったカラフルな「オリヴィエサラダ」

主食

色、形、大きさ さまざまな種類のパン

ロシアの主食はパンです。ライ麦で作った黒パンや、ライ麦と小麦をぜたパン、小麦だけのパンなどさまざまな種類があります。お祭りや結婚けっこん式などのお祝いの時には「カラヴァイ」という美しい模様もよう入りのパンを食べます。
また、穀物こくもつや豆類を水やスープ、牛乳ぎゅうにゅうなどでにこんだおかゆ「カーシャ」も主食として食べます。特にそばの実のカーシャがロシアでは人気があります。

ライ麦パン(黒パン)「黒い色のパンもあるのね。」
カラヴァイ/カーシャ

家庭料理

スープが大好きなロシア人

朝食でよく食べられているのはおかゆの「カーシャ」です。あるいはバターやハムをのせたパンや、目玉焼きやオムレツのようなたまご料理、カッテージチーズのようなロシア独特どくとくの白チーズなどを、コーヒーまたは紅茶こうちゃとともに食べます。
昼食は1番重要な食事で、昼ぎごろから時間をかけていろいろな料理をたっぷりと食べます。

ロシア人にとって夕食のひとときもたいせつな時間です。夕食の量は軽めですが、共働きの多いロシアの家庭では、夕食が家族そろって食べられる食事なのです。
昼食や夕食によく登場する料理は、キャベツをにこんだスープ「シチー」。ロシア人が大好きなスープで「シチーとカーシャは、うちの食べ物(シチー・ダ・カーシャ・ピーシャ・ナーシャ)」という音遊びを取り入れたいいまわしがあるように、日本のみそしるとごはんに相当するようなものです。スープ料理ではほかに、ビーツという赤むらさき色をした野菜の入った「ボルシチ」も人気です。
「ペリメニ」は肉や野菜を小麦粉の皮で包んでゆでたすいギョーザにた料理で、「スメタナ」というのうこうなサワークリームをかけて食べます。

小麦粉の生地きじに肉や野菜などの具をつめてオーブンで焼いた「ピロシキ」は、おやつとしても人気料理の1つです。日本では油であげたピロシキが多いのですが、ロシアではあげずに焼いたものがいっぱん的です。

ソヴィエト連邦れんぽうだったころは、中央アジア、コーカサス地方、バルト海地方にまでまたがる広大な領土りょうどがありました。そのため、さまざまな地域ちいき郷土きょうど料理がロシア料理に取り入れられました。コーカサス地方などの「シャシルィク」というくし焼き肉や、中央アジアの「プロフ」というピラフなどは、ロシアでもおなじみの料理です。

シチー/ボルシチ/ビーツ/ペリメニ
ピロシキ「焼いたピロシキもとってもおいしいよ。」
シャシルィク
プリャーニク「おかしやジャムは紅茶にとてもあうの。」
スーシュカ/チャクチャク

お茶の時間に欠かせないあまいおかし

ロシアにはユニークなおかしがいろいろあります。
しょうがやはちみつ、クルミ、ジャムなどを加えて作る焼きがし「プリャーニク」は表面にきれいな模様もようがつけられ、誕生たんじょう日や結婚けっこん式などのお祝いの席で出されます。「スーシュカ」はロシアのお茶の時間に欠かせない、あまいパンのようなおかし。小麦粉とたまごなどをこねてドーナツ形にし、熱した砂糖水さとうみずにくぐらせてからオーブンで焼きます。
また、ロシア西部のタタール人(現在げんざいのタタールスタン共和国の人たち)のおかし「チャクチャク」もロシアに広まっています。発酵はっこう前のパン生地きじを細かく切って油であげ、はちみつをかけたもので、カリカリの食感が楽しめます。

行事食

マースレニツァに食べる「ブリヌィ」

マースレニツァは、長くきびしい冬をこえて、よろこびの春をむかえるロシアに古くから伝わるお祭りです。ロシアがキリスト教を受け入れる以前から伝えられてきた古い歴史があり、「バターの祭り」という意味を持っています。このお祭りにかかせない食べ物がクレープのような「ブリヌィ」です。1まい焼いてはバターをぬり、また1まい焼いては重ね置きバターをたっぷりぬります。
チーズや「スメタナ」というのうこうなサワークリームやジャム、イクラやサーモンなどとともに食べるのがいっぱん的です。「ブリヌィ」の丸い形は春の太陽をしょうちょうしています。
マースレニツァは、キリスト教の復活ふっかつ大祭(パスハ)の56日前に始まり、「ものいみ(神をむかえるために、一定の期間飲食を制限せいげんすること)」前に乳製品にゅうせいひんたまごをたっぷり食べておくお祭りとしても知られています。

ブリヌィ「何枚も食べられちゃいそう。」
ロシアのクリスマスディナー「家族みんなが揃ってクリスマスの料理を楽しむの。」

ロシアのクリスマスは1月7日

ロシアのクリスマスは1月7日です。これはロシア正教では古いこよみを使っているからです。
けいけんなロシア正教の信者の中には、11月28日から1月6日のクリスマス前日までの「ものいみ」の時期に正教会の決まりにしたがって、肉や乳製品にゅうせいひんを食べない人もいて、1月7日にとり肉やぶた肉のローストをはじめ、肉料理を中心にしたごちそうを家族で食べます。
また、地域ちいきによってはクリスマスイブに近所の家をめぐって料理を配り、お返しにおかしなどをもらう習慣しゅうかんがあります。

ロシア連邦の学校生活

小学校から高校まで同じ学校で

ロシアの義務ぎむ教育は日本と同じ9年間で、6才から4年間の初等教育、続いて5年間のそふつう教育、その後希望者は2年間、高等学校に通います。これら4年・5年・2年の11年せいの一貫校に入学する場合が大半です。いっぱんの学校のほかに語学や芸術げいじゅつなどの特定分野を深く学ぶ特別学校もあります。
学期は9月から始まり、4学期せいです。秋・冬・春・夏の各季節ごとに休みがあります。
ロシアでは子どもたちによく勉強させます。夏休みの間もサマーキャンプなどで勉強を続け、また子どもたちに週2回は習い事をさせるように、といった学校からの指導しどうが入ることもあります。
学校では知識ちしきを教えるだけでなく、創造性そうぞうせいをのばす教育や、子どもたちの自主性じしゅせい尊重そんちょうする選たく科目せいも導入されています。

音楽や美術を熱心に勉強している友達もたくさんいるわ。
ロシアの学校給食

学校給食

共働き家庭の多いロシアでは、学校給食に「昼食」のほか、「朝食」の時間がもうけられることがあります。どちらも子どもたちは食堂で食べます。朝食にはパンやオムレツ、ヨーグルト、フルーツなどの軽食が出され、昼食にはパンと肉料理などの主食、スープなどが出されることが多いようです。

ロシア連邦のスポーツ

ロシアの国民的スポーツはアイスホッケー

ロシアで1番人気のあるスポーツはアイスホッケーです。ロシアのほか、ベラルーシやカザフスタン、フィンランドなど7カ国で構成こうせいされたKHL(コンチネンタル・ホッケー・リーグ)の試合は人々が熱きょうして観戦します。
また、サッカーも人気で、ワールドカップにもよく出場します。
ほかに、体操たいそう、水泳、バレーボール、フィギュアスケートなどもさかんなスポーツ大国です。

アイスホッケーは「パック」というボールのようなものを打ってゴールへ運ぶゲームだよ。
休日は家族でアイスホッケー
少年サッカーチーム

ロシア連邦の歴史

ロシアはユーラシア大陸の北半分をしめる、世界一広い国です。
9世紀、スラヴ人が住んでいた「ルーシの地」(現在げんざいのウクライナ)に北方からノルマン人(ヴァイキング)がやってきて
ノヴゴロドを支配しはいし、その後、南下して882年統一とういつ国家「キエフ公国」が成立したといわれています。

「キエフ公国」は10世紀末全盛期ぜんせいきをむかえ、キリスト教(正教)を国の宗教しゅうきょうに定めます。
キリスト教の受けいれをしたため、ギリシャ文字を起源きげんとするキリル文字がふきゅうし、文化が発達しました。

13世紀前半(1223年〜)になると、大陸の東方からモンゴル帝国ていこくのチンギス・ハーン(ジンギスカン)
ひきいる軍勢ぐんぜいがロシアにしゅうらいし、250年ちかくロシアを支配下しはいかに置きます。
その間に力をたくわえた「モスクワ大公国」のイワン3世は1480年独立どくりつみちびき、
イワン4世が公式に皇帝こうてい(ツァーリ)となります。
モスクワを中心地に定めた多民族による統一とういつ国家ロシアが誕生たんじょうしました。

1613年、日本が江戸えど時代に入ったころ、ロシアはポーランドなど外国からのかんしょうをはねのけ、
大貴族だいきぞくミハイル・ロマノフを皇帝こうていとするロマノフ朝が成立。ロマノフ朝による「ロシア帝国ていこく」は
1917年の「ロシア革命かくめい」まで300年あまりも続きます。

ロシア革命かくめいによってロマノフ朝がたおされた翌年よくねんに世界初の社会主義しゅぎ国家が成立し、
1922年にはヨーロッパ・アジアしょ国の15共和国から成る
「ソヴィエト連邦れんぽう」(ソヴィエト社会主義しゅぎ共和国連邦れんぽう)が樹立じゅりつします。

その後、第2次世界大戦や欧米諸おうべいしょ国との「冷戦」時代をへて、1991年にはソヴィエト連邦れんぽう解体かいたい
新たに「ロシア連邦れんぽう」が誕生たんじょうして、物資ぶっしの流通や人のさかんになってきました。
国家のわく組みをこえて、経済けいざい活動や人の交流が進む「グローバリゼーション」の時代になったのです。

ロシア連邦の民族衣装

女性じょせいがみんな愛する「サラファン」

代表的なロシアの民族衣装いしょうはししゅうをほどこした洋服の「ルバーシカ」ですが、女性じょせいの着る「サラファン」もよく知られています。ブラウスの上に重ね着するジャンパースカートのような衣装いしょうで、ししゅうをした晴れ着にも、質素しっそな作業着にもなり、15~16世紀ころから農民の女性じょせいの間で着用されてきました。今でも伝統でんとう芸能げいのう衣装いしょうとしてサラファンが晴れ着として着用されたり、ブラウスの代わりにTシャツの上に着るなどして、カジュアルな街着としてわか女性じょせいにも好まれています。

ルバーシカ
サラファン「民族衣装の頭かざりは「ココーシュカ」っていうのよ。」

ロシア連邦の行事・お祭り

クリスマスには
マロース(厳寒げんかん)じいさんがやってくる

ロシアのクリスマスは1月7日。この日は祝日にもなっていて、年末からずっとお祝いが続きます。
ロシアのクリスマスには、世界中で知られているサンタクロースではなく、マロース(厳寒げんかん)じいさんという、魔法まほうのつえとプレゼントぶくろを持ち歩いているおじいさんと、スネグーロチカ(雪むすめ)というマロースじいさんの孫むすめが登場し、クリスマスツリーのそばでパフォーマンスをえんじて、子どもたちにプレゼントを配ります。
またクリスマスツリーは、だんろのそばにかざります。

マロースじいさんとスネグーロチカ「マロースじいさんのプレゼントはなんだろう?」

ロシア連邦のその他あれこれ

「赤の広場」の聖ワシリイ大聖堂「おかしの家みたい。」

世界遺産いさんのクレムリン宮でん

ロシアの首都モスクワにあるクレムリン宮でんは、世界遺産いさんに登録されています。独特どくとく姿すがたをしたきゅうロシア帝国ていこくの宮でんです。現在げんざいはロシアの大統領府だいとうりょうふが置かれている政治せいじの中心で、目の前には「赤の広場」やロシア正教の教会、「レーニンびょう」があり、観光名所になっています。
クレムリンとは「じょうさい」の意味で、原形が作られたのは12世紀のころといわれ、じょうへきのそう面積は28万㎢で、20の城門じょうもんがあり、内部に歴代皇帝こうていの宮でんや大聖堂だいせいどうがあります。

世界一寒い村「オイミャコン」

東シベリアの北極けんに近いサハ共和国のオイミャコン村は、1926年にマイナス71.2℃という気温が記録された、人が住む地域ちいきでは世界一寒い村として知られています。1年の半分以上が冬で、水道管が凍結とうけつしてしまうため水道はなく、給水車が各家庭を回って水を供給きょうきゅうしています。現在げんざいの人口は500人弱で、気温がとても低いために感染症かんせんしょう細菌さいきんやウィルスによっておこる病気)は発生しないといわれています。
また、市場に売られている魚は寒さでこおり付き、「ストロガニーナ」というこおったままの生の魚をけずり、塩とこしょうをふって食べる料理が名物です。

オイミャコン村

監修かんしゅう:沼野恭子(東京外国語大学 教授きょうじゅ

ロシア連邦の料理を作ってみよう!

ボルシチ ボルシチ

北国であるロシアでは煮込みやスープがよく食べられており、ボルシチは定番料理の一つです。ビーツの赤い色が特徴です。

シュプナニ・サラート・ス・ヤグーラタン シュプナニ・サラート・ス・ヤグーラタン

ほうれん草と炒めた玉ねぎをヨーグルトであえた料理です。サラダ(サラート)とはいえ、ロシアでは加熱した野菜を使うのが一般的です。