インドネシアの独立記念日や誕生日、結婚式など、お祝いごとがあるときには「ナシ・トゥンペン」という料理を食べます。お米をターメリックとココナッツミルクでたいた黄色いナシ・クニンを円すい形に盛りつけ、まわりにいろいろなおかずをおきます。
シンガポールの旧正月には、中国系の人たちは「魚生(ユーシェン)」というおさし身のサラダを食べる習慣があります。魚生はシンガポールで生まれた料理で、元々はサラダとして食べられていましたが、えん起のいい料理とされ、じょじょに旧正月に食べる料理となりました。
食べる時はみんなで立ち上がり、「ローヘイ、ローヘイ」とかけ声をし、願いごとをいいながらはしで具材をかきまぜ高く持ち上げて落とします。
毎年11月の第4木曜日がサンクス・ギビングデー(感謝祭)。感謝祭では家族や友だちが集まって、ターキー(七面鳥)の丸焼きを食べるのが習慣。下準備されて焼くだけのものも売られていて、手軽に食たくに出されます。ターキーの肉じると小麦粉で作るグレービーソースや甘酸っぱいクランベリーソースなどをかけて食べます。
中国のお正月は旧正月といい、旧れきの1月1日。私たちがふだん使っている新れきに当てはめると毎年変わるので、1月下じゅん〜2月中じゅんになります。中国人にとって旧正月は1年で一番大事な行事で、水ギョーザを食べます。ギョーザは昔のお金の形に似ているのでえん起がいいのだそう。
3月6日の独立記念日や大きなお祭りがある時や、クリスマスや誕生日などの重要な日は「ヤムケーキ」を作ります。ケーキといってもあまいおかしではなく、魚のすり身を使ったり、じゃがいもやヤムイモや卵を使って作るコロッケのようなもの。このケーキはふだんもスナックとして食べますが、お祭りの時はエビやカニなどを加えていつもよりごうかに作ります。
クリスマスの定番といえば、パイ生地にプルーンのジャムをのせた「ヨウル・トルットゥ」という日本のしゅりけんに似た形の焼きがしや、クリスマスツリーや人をかたどったジンジャークッキー。なかにはジンジャークッキーでおかしの家を作る家庭もあるんですよ。
お客様をむかえたり、お祝いの時、ブルガリアでは特別な「ポガチャ」を作ります。これは丸い形をしたパンのこと。例えば、赤ちゃんが生まれて40日目の記念日や赤ちゃんが初めて歩いた日などのお祝いに、また洗礼や結婚式の時などに登場します。
お誕生日のお祝いや、週末に仲間が集まった時によく食べられるのがシュハスコ(シュラスコ)。塩をまぶしたお肉のかたまりをくしにさして、炭火で焼く、ブラジル風バーベキューです。焼きあがったら、肉を好きなだけナイフで切り落として食べるんです。
ペルーの首都リマには、「セニョール・デ・ロス・ミラグロス(きせきの主)」と呼ばれるキリストのへき画があります。このへき画は大地しんが起こってもくずれなかったり、熱心にいのった人の病気を治したという言い伝えがあり、10月にそのへき画を祝うお祭りがあります。この日には、「トゥロン・デ・ドニャ・ぺパ」を食べます。
「チレ・エン・ノガーダ」は、ピーマンのように大きなチレにぶたひき肉をつめて油であげて、白いくるみのソースをかけてザクロやパセリをかざるお祝いの料理です。メキシコの独立記念日にあたる9月16日のころになると食たくにのぼります。
毎年4月13日から15日に行われる水かけ祭り(ソンクラーン)では、宮てい料理の1つである「カオチェー」を食べる習慣があります。付け合せのおかずは、味のこいあげ物やいため物です。
地面に穴をほって底に焼け石を置き、魚やいもなどの食材を時間をかけて調理します。2000年以上の歴史があります。現代ではぶた肉や羊肉、じゃがいも、かぼちゃなどの食材も使って作ります。ハンギは、ニュージーランドの建国の日などお祝いの席に欠かせない行事食です。
バレンシア地方で生まれたお米を使った「パエリア」は、見た目のごう快さや、大勢でも取り分けやすいことから、家族や友だちが集まった時の食たくにはぴったりの料理です。
おめでたい結婚式の席に「ククス」というめん料理を食べるしきたりがあります。ククスはそうめんのように細くて長いめんで、夫婦が仲よく、長く生きられるようにという願いがこめられています。
マースレニツァは、長く厳しい冬をこえて、春をむかえるロシアに古くから伝わるお祭りです。このお祭りにかかせない食べ物がクレープのような「ブリヌィ」です。1枚焼いてはバターをぬり、また1枚焼いては重ね置きバターをたっぷりぬります。