ガーナはチョコレートの原料になるカカオの産地です。カカオ“豆”といいますが、実はカカオはフルーツなんです。ラグビーボールよりひと回りほど小さい実の中に30〜50つぶのカカオ豆が入っています。ガーナは、世界第2位のカカオ生産国です。日本もガーナからたくさんのカカオを輸入していますよ。
ガーナ国内ではカカオをいろいろな加工品にしています。パンやビスケットにしたり、ドリンクにしたり、お酒にしたり。石けんやスキンクリームにもなるんです。さすが、世界で2位の生産量をほこるガーナのカカオ、日々の生活にカカオがとけこんでいるんですね。
- 国名
- ガーナ共和国
- 首都
- アクラ
- 面積
- 約23万9,000㎢
- 人口
- 約3,412万人
人口と面積は「世界国勢図会2024/25」
(公財)矢野恒太記念会より
監修 : ガーナ共和国大使館
主食がたくさん?!
ガーナでは主食といえるものがいくつもあります。見た目はどれもよく似ていますが、材料や味にちがいがあるんです。
まず、日本のおもちに似たやわらかいフフ。材料はヤムイモ、キャッサバイモやプランテーン(バナナの仲間、調理用の果物)。細かくくだいて蒸したものを日本のもちつきのように、きねとうすを使って作ります。
フフより少し酸味があるのがバンクーやケンケ。材料は、発酵させたキャッサバイモやとうもろこしの粉で、それを練って作ります。バンクーは材料を発酵させるので少し酸味があります。そしてとうもろこしの粉で作るケンケは、それよりもっと酸っぱく感じます。長時間手間をかけて発酵、熟成させてからふっとうしたお湯でゆでて作るからです。
もちもちしてやわらかいフフやバンクー、ケンケは、いろいろな種類のスープにひたして食べたり、魚料理や肉料理といっしょに食べたりするのがいっぱん的。スープには肉や魚の入ったスープ、トマトや玉ねぎの入ったからいスープなど、いろいろな種類があります。スープなどにつけてパクリ。これがガーナ流です。
朝食は飲み物だけ?!
とうもろこしの粉を水でとき、火にかけてドロドロにした飲み物がココ。腹持ちがいいので朝ごはんとしてもよく飲まれています。少し酸味があるので、砂糖としょうがじるを入れると甘酸っぱい味になって飲みやすくなります。おなかがすいていれば、ココといっしょにパンも食べます。最近ではシリアルを食べる人も増えてきました。
ガーナのたきこみご飯!
ガーナで家庭の味といえば、ジョロフライス。お米を玉ねぎやスパイスなどといっしょにいため、スープでたきこんだピラフのような料理です。トマトベースの味付けで、スパイスのピリから味がポイント。日本人の口にも合いそうな味ですね。
ココナッツを使ったおかしがたくさん!
ガーナのスイーツはクベケーキが代表的。クベとはココナッツの意味です。作り方はココナッツの果肉をけずってキャラメル状にとかした砂糖の中に入れ、ココナッツミルクを加えてにつめるだけ。出来たての温かいうちに食べやすい大きさにします。また、コンデンスミルクやカカオを使ってグラナットというキャンディのようなおかしや、かんそうしたココナッツを使ってポロオと呼ばれるココナッツビスケットも作ったりします。
いつもより具をごうかにしてごちそうに!
3月6日の独立記念日や大きなお祭りがある時、クリスマスや誕生日などの重要な日は「ヤムケーキ」を作ります。ケーキといってもあまいおかしではなく、魚のすり身を使ったり、じゃがいもやヤムイモや卵を使って作るコロッケのようなもの。アフリカでポピュラーなヤムイモは600以上もの種類があり、日本ではヤマイモがその仲間なんです。作り方はコロッケに似ていますが、パン粉はつけません。ゆでたヤムイモをつぶして、パーム油、ミルク、卵の黄身、とうもろこしなどの具を入れて混ぜ合わせます。コロッケほどの大きさに形を作って卵の白身をぬり、パーム油で焼きます。ガーナではこのケーキをふだんでもスナックとして食べますが、お祭りの時はエビやカニなどを加えていつもよりごうかに作ります。
日本語も勉強するよ!
ガーナの教育制度は、日本と同じ6・3・3・4年制です。幼ち園2年と小学校6年間と中学校の3年間が義務教育。2017年から中学校の学費は無料になりました。3学期制で、各学期の終わりに休みがあり、3学期の後に長い休みがあります。
首都アクラのこう外にある幼ち園、小学校、中学校が一つになった男女共学の私立学校は、キリスト教系の学校です。しかし、イスラム教など他の宗教を信こうする子どもたちもいるので、それぞれの宗教や信こうを尊重する教育を行っています。数学、英語、総合科学(物理、化学、生物などをあわせた科目)、インターネット、図工などの授業があります。現地の言葉のチュイ語はもちろん、一部の学校ではフランス語、日本語の授業も受けられます。
小学校には給食がある!
ガーナの公立小学校の一部では、FAO(国連食りょう農業機関)のサポートにより無料で給食が支給されています。FAOは世界の人々の栄養状態や生活を改善するための世界機関。子どもたちの栄養を考えた活動です。また、FAO以外の自治体も給食提供に協力をしています。給食には、スープやパン、ごはんなどが支給されることが多いようです。給食があれば子どもたちが学校に来るから、というのも給食がある理由の一つなんですね。
サッカーの強ごう国だね
ガーナは、アフリカの中でサッカーの強い国として知られていますね。南アフリカ共和国で開さいされた2010FIFAワールドカップでは、ベスト8にかがやきました。男の子はサッカー、女の子はバレーボールが大好きです。
1481年にポルトガル人が上陸し、金と象げの貿易を始めました。
ポルトガル人は金が豊富に採れることから、この地を「ゴールドコースト」と呼んでいました。
その後、他のヨーロッパ人も上陸しましたが、
19世紀の終わりごろにはオランダ人とイギリス人だけとなりました。
1874年にオランダ人がてっ退すると、この地はイギリスの植民地となったのです。
1957年3月、サハラ砂漠以南のアフリカの植民地に先がけてイギリスから独立し、
1960年にガーナ共和国になりました。
独立運動を指揮し、広く支持された政治家、クワメ・エンクルマは、ガーナの初代大統領となりました。
近年のガーナは、民主的な共和国です。
主要な産業は農業、鉱業などで、主にカカオ、金、石油などを輸出しています。
色と模様がきれいなケンテ
ケンテはアカン族とエウェ族の民族衣装で、かつて存在したアシャンティ王国の王族のために作られたのが始まりです。今では身分に関係なく多くの人が着ていますが、その特ちょうはあざやかな色彩と芸術的な模様です。例えば青は「調和と愛」、緑は「収かく」、金は「富」というように、色にはそれぞれ意味があります。ケンテはその後、多くの西アフリカの国々にも広まっていきました。
3月6日は独立記念日
ガーナの人々にとって独立記念日はとても大切な日。この日は首都アクラをはじめ、各地で盛大なパレードが行われます。レセプションやパーティーなどが開かれ、夜通し音楽やダンスも楽しみます。子どものためのパーティーもあるので、子どもたちにとっても楽しみな一日になります。
ユニークなお祭り
ガーナでは各地域でユニークなお祭りが行われています。その内容は、しか狩りの競争をするお祭り、魚をとる競争をするお祭り、ヤムイモのお祭り、火のお祭りなど。とうもろこしのお祭りというのもあって、大きなお皿にスープや魚を入れ、とうもろこしといっしょにそれをみんなで食べるのだとか。一つの食べ物をみんなでシェアすることで祖先を敬い、平和をいのり団結するという意味がこめられているといいます。
ガーナとえんの深い野口英世博士
千円札に印刷されている人物がだれかわかるかな?そう、世界的に有名な細菌学者、福島県出身の野口英世博士ですね。野口博士は子どもの時に大きなやけどをしたのをきっかけに、医学の道へ進みました。主に細菌学の研究にたずさわり、たくさんの論文を発表して、ノーベル生理学・医学賞の候補に三度も名前が挙がったんですよ。しかし、黄熱病の研究中に病気にかかり、1928年に現在のガーナの首都アクラで51才で亡くなっています。そのため、博士が研究していたコレブ病院に記念館と日本庭園が残されています。また、日本の政府によってガーナ大学に野口記念医学研究所が設立され、今でも西アフリカ諸国のために感染症の研究が進められているのです。
監修:ガーナ共和国大使館