韓国を代表する食べ物のひとつは、つけものの「キムチ」です。キムチは、塩づけした白菜やだいこんなどの野菜を「ヤンニョム」という調味料といっしょにつけこんで作るからいつけもの。ごはんのおかずにして食べます。ヤンニョムは、塩、とうがらし、にんにく、しょうがなどを混ぜた調味料です。
からいキムチは、16世紀にとうがらしが日本または中国から伝わった時に作られるようになったといわれています。それ以前のキムチは、とうがらしを使わずに作っていたので白くて、赤いキムチのようにからくなかったのです。
キムチは健康にいい発酵食品で、韓国の人々はキムチが大好きです。地域ごとに少しずつ味がちがい、200種類近いキムチがあるそうです。その中でも1番よく食べられているのは、白菜をつけた「ペチュキムチ」です。
子どもたちは、小さいころからとうがらしやにんにくの入ったキムチを食べていて、しげきのあるからい味にもなれています。
女性たちが一致団結して作る、
「キムジャン」の文化
キムジャンは、キムチ作りのこと。韓国の冬は長くきびしいので、冬を過ごすための準備として、家族や親せき、近所の女性たちを中心に協力してキムチ作りをしました。こうして作ったキムチで冬の間に食べる野菜を確保し、地域の人々と助け合ってきた伝統があります。
キムジャンの文化は17世紀ころから一大行事になったといわれています。今でもみんなが顔を合わせて近きょうを伝え合う交流の場になっています。
ステンレス製の食器も
家庭では陶磁器の食器が多く使われていますが、食堂などではステンレス製のお皿やおはしも使われています。昔、王族が食事をする時に毒が入っていないかを確認するために、毒に反応して色が変わる銀の食器を使っていました。それが近代になってしょ民に広まるうちにステンレスになったともいわれています。
はしは「チョッカラ」、スプーンは「スッカラ」といいます。
「薬食同源」の考え方
昔から、中国と同じように「薬食同源」の考え方があります。これは、栄養のバランスが取れた、体によい食事を「薬」にたとえ、病気にならないようにする、という考えです。日本では同じような考え方を「医食同源」といいます。たとえば、「ねぎを食べるとかぜによい」というように、健康のために体によいものを食べることが大切とされてきました。食べ物は5つの味と色をそろえるとよいという「五味・五色」の考え方も尊重されています。5つの味は塩味、あま味、酸味、から味、苦味、また5つの色は赤、白、黄、緑、黒です。
中国の「漢方」の流れをくむ「韓方」という伝統医学もあり、それにもとづいた「薬ぜん料理」も食べられています。「サムゲタン」という、とり肉と、高麗にんじん、もち米、くるみ、松の実、にんにくなどをいっしょににこんだ料理が代表的です。
ごはんとおかずを混ぜて食べるビビンバ
よく食べられている料理の1つに「ビビンバ」があります。ビビンバはごはんにナムル(もやしや山菜をごま油であえた物)と肉や卵をのせて、とうがらしの入った調味料などとよく混ぜて食べます。家庭ではあり合わせのおかずをごはんにのせて、しょうゆやキムチなどで自分の好みの味付けをして食べます。
テーブルにのり切らないくらいの
ごうかな韓定食
宮てい料理の文化があり、その流れからテーブルにのり切らないくらいのいろいろなおかずをみんなで食べる韓定食というごうかな料理があります。定食といっても、ひとり分の食事が出される日本の定食とはまったくちがいます。
韓定食は、料理を次々とテーブルに運ぶのではなく、時には、テーブルにのせられたおかずがそのままテーブルごと運ばれてくることもあります。