ニュージーランドは日本と同じように南北に細長い島国で、四季があります。亜熱帯気候の海沿いの地方から、冬には雪が積もる内陸の山がく地方まで気候がさまざまで、温泉があるところも日本にそっくりです。でも南半球にあるので、季節が日本と逆、赤道に近い北の方が暑い地方になります。
まわりを海に囲まれているので、魚かい類をよく食べる食文化も日本と共通しています。
種類豊富なシーフード
暖流と寒流がぶつかるニュージーランドおきは、良質なシーフードの宝庫です。身のしまったロブスター、ぷっくりとしたカキのほか、グリーンシェルマッセル(パーナ貝)と呼ばれる美しい緑色のカラを持った貝、アワビの一種のパウアなどニュージーランドならではの魚かいもあります。パウアは、身もおいしいのですが、きれいな光たくのある貝がらは、アクセサリーにもよく使われます。
またクック山付近では、氷河と雪どけ水を使い、安全な質の高いキングサーモン(サケの一種)を養しょくしていて、世界各地に輸出しています。
羊の数が人口よりも多い国
ニュージーランドでは羊毛などの生産が盛んです。羊の数は、近年は年々減っているといわれていますが、それでも約2700万頭(2017年現在)と、約519万人の人口よりもはるかに多い羊が放牧されています。
やわらかく焼いたラム(子羊の肉)は人気があり、ハーブの1つのローズマリーや季節の野菜と合わせて食べます。品質のよいニュージーランド産のラム肉は世界各地に輸出されています。
牛やしかの数も多い
ニュージーランドには牛もたくさん放牧されています。牛乳や乳製品が重要な輸出品になって、限りある牧草を羊よりも牛に食べさせることが多くなったため、牛の数が増えています。豊かな自然の中で放し飼いにされ、牧草だけを食べて育った健康な乳牛たち。その乳製品のバターやチーズ、アイスクリームはとてもおいしいので、世界中で大人気です。
また、しか牧場もあります。最近は赤身が多くて健康にいいしかの肉が好まれるようになったので、放牧されるしかの数も増えています。
自然保護と安全な食品
ニュージーランドは独特な動植物や、汚染されていない自然が残っています。家ちくたちが伝染病にならないように、また生態系を乱さないように、外国からの菌や害虫にとても注意をはらっています。
たとえば空港では食品の持ちこみが厳しく規制されています。また、くつについた土や種がしっかり落とされるようにくつを洗う場所を設置したり、機内をてっ底的に消毒しています。自然保護や食品の安全に対する意識がとても高く、それがニュージーランド産の食品は安全であるという信らいにもつながっています。
先住民マオリのいもとパン
ニュージーランドの先住民はマオリと呼ばれる人々です。かれらは森で狩りをしたり、木の実や果物、魚をとったり、さつまいもの一種のクマラをさいばいして食りょうにしていました。18世紀後半には、イギリス人をはじめとするヨーロッパの人々がヨーロッパの食べ物を伝えました。中でもぶた肉とじゃがいもは、マオリの人たちも気に入って、これまでかれらを苦しめてきた飢えの心配を解決しました。「レウェナ・パラオア」と呼ばれるマオリのパンはじゃがいもを使って作ります。
多様になってきた人々の食の好み
ニュージーランドはここ5〜10年ほどの間で海外からの移民が増えて人々の食の好みも多様になってきました。
近年、健康を気づかって砂糖、炭水化物をひかえる人や、肉を食べない菜食主義者(ベジタリアン)もいます。街にはおしゃれなカフェがたくさんできて、伝統的なミートパイやフィッシュ・アンド・チップス(白身魚とポテトのフライ)だけでなく、体によい豆や野菜を中心にしたメニューもたくさんあります。
また、日本のお寿司はオフィスで働く人たちがテイクアウトする人気のランチになっています。
キウイフルーツの生まれ故郷
日本でもよく知られている緑色の果肉の甘酸っぱいキウイフルーツは、中国原産のマタタビ科の植物の果実をニュージーランドで品種改良してできた果物。アメリカに輸出されるようになった時、国鳥のキウイに色や形がちょっと似ていることから名づけられました。ニュージーランド人は鳥のキウイが大好きで、しばしば自分たちのことも「キウイ」と呼びます。