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カナダのあいさつ

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カナダの食文化・食のあれこれ

四季と移民による多様性が作り出す食文化

カナダは日本同様四季があり、季節ごとにしゅんの食材がたくさんあります。また、移民いみんが多いため食文化にも多様性たようせいがあるのが特ちょうです。

カナダの食事は、春夏秋冬それぞれの季節でしゅうかくできる野菜や果物くだもの穀物こくもつなどを多く取り入れ、しゅんの食材を大切にしています。きびしい冬が終わり雪解けとともに春がおとずれると、メープルシロップのしゅうかくが始まります。夏はブルーベリー、チェリー、いちごなどのベリー類、秋は根菜や穀物こくもつしゅうかくすることができます。それぞれの季節にしゅうかくできるしゅんの食材で食たくを彩るのがカナダの食文化の大きな特ちょうの一つです。

もう一つの特ちょうである多様性たようせいはカナダの移民いみんの多さが関係しています。カナダは移民いみんの国です。人口の20%以上が移民いみんでイギリス、フランス、中東、アジアなど様々な国から移民いみんを受け入れています。移民いみんの方がそれぞれの食文化をカナダに持ちこみ、カナダの食文化と合わさり、新たな食文化が生まれています。

メープルシロップの収かく

移民いみんの食文化が合わさっている料理の代表例として、「BCロール」や「シーフードチャウダー」があげられます。「BCロール」は魚かい類がたくさんとれるブリティッシュ・コロンビア(BC)州で日本の移民いみんが作った料理で、カリカリに焼いたさけの皮やアボカドが入っている裏きの太寿司ずしです。もう一つの「シーフードチャウダー」はフランスの移民いみんが作った料理です。西海岸でとれるロブスターやカニなどカナダでよくとれる魚かい類を使用しています。この様にカナダではしゅんの食材と移民いみんの自国の食文化が合わさり、様々な料理が作られています。

BCロール

新しい食材や料理を試すことが大好き

カナダ人は新しい食材や料理に対しての好奇心こうきしん旺盛おうせいで、料理をすることが大好きです。外食よりも自宅じたくで料理をすることのほうが多く、どこのスーパーにも世界各国の食材や調味料を購入こうにゅうできるコーナーがあり、そこで様々な食材を購入こうにゅう自宅じたくで料理をして楽しみます。

お家で料理を楽しむカナダの人々

メープルシロップといえばカナダ産

カナダはメープルシロップの産地としても有名で、メープルシロップがとれる「サトウカエデ」の葉は国旗にもデザインされています。

メープルシロップは、春に野生のサトウカエデの木から集めた新せんな樹液じゅえきを煮つめてつくられます。1Lのメープルシロップをつくるには約40Lの樹液じゅえきが必要なのだそうです。
メープルシロップの採取さいしゅ方法は、じゅれい40年以上またはみきの直径が25cm以上であること、1本の木にあけることができるあなは3つまでなど法律ほうりつでこまかく定められています。また、品質ひんしつ基準きじゅんもうけられていて、食用としてはん売できるのはCanada Grade Aという基準きじゅんを満たしたものだけで、基準きじゅんに満たさないものは主に加工食品用として使用されます。

メープルシロップは独特どくとくかおりがあり、砂糖さとうやはちみつにくらべるとミネラルが豊富ほうふふくまれています。カナダでメープルシロップはおかしづくりだけではなく、バーベキューのマリネとしてもよく使われます。特に、ポークチョップやスペアリブ、サーモンのグリルに使われることが多いです。

メープルシロップ

主食

主食はパンやパスタなどの小麦せい

カナダは小麦が特産品の一つで、パンやパスタなどの小麦せい品が主食です。小麦せい品を食べることが多いですが、米もよく食べます。様々な品種の米が流通しているため、作りたい料理に合わせて米の種類や調理器具を変えたりします。

家庭料理

平日は手軽にすませ、休日は家族と一しょにゆっくり食事を楽しむ

カナダではいそがしい平日は、食事を手軽にませるけい向にあります。平日の朝ごはんといえば、オートミールとベリー、ヨーグルトにはちみつやメープルシロップをかけたものが定番です。出勤の際は、自宅じたくから朝食やコーヒーを持参する人が多いです。昼食はサンドイッチとサラダ、夕食はいため物(中華ちゅうか料理)やパスタ(イタリア料理)など全体的に軽めのものを食べることが多いです。

一方、休日はゆっくりと家族で食事を楽しむことが多いです。休日の朝ごはんはパンケーキを焼いて、一しょにブルーベリー、ソーセージやピーミールベーコン(くんせいしたぶた肉にコーンミールをまぶしてねかせて作ったもの)、焼いたトマトやマッシュルームをそえて食べることが多いです。昼ごはんはグリル料理やスープが多く、夕ごはんは前菜から始まり、スープ、ラムチョップなどの肉料理、デザートが用意され、家庭でもコース料理を楽しみます。また、ホームパーティでは料理を大皿にり付け、それぞれ好きなものをとっていくスタイルが一ぱん的です。

カナダの州

地域ちいきによってことなる特産やカナダ料理

カナダはとても大きな国で地域ちいきによって気候も特産品もことなります。そのため、代表的なカナダ料理は?という問いにも、どの地域ちいきの出身かによって答えは様々です。

西海岸のブリティッシュ・コロンビア州ではカニやサーモンなどの魚かい類が特産品で、代表的な料理はグリルサーモンやスモークサーモンのバーベキュー、カニのほぐし身を使ったクラブケーキです。

中心部のアルバータ州、サスカチュワン州・マニトバ州は畜産業ちくさんぎょうさかんなため、肉料理が主体になっていて、ローストビーフやローストハムが代表的な料理です。

クラブケーキ

中央東部のオンタリオ州とケベック州は、イギリスやフランスの文化の影響えいきょうが強い地域ちいきです。
オンタリオ州は、果物くだもの(桃、りんご)や野菜(トマト、いんげん豆、ピーマン、きのこ、とうもろこし)の生産がさかんで、ワインの産地としても知られています。ケベック州ではトーティエ(ミートパイ)が広く親しまれています。トーティエは、牛肉、ぶた肉、しか肉などを使ったスパイスのいたパイで、寒い季節によく食べられます。

東海岸のニューファンドランド・ラブラドール州、ノバスコシア州、ニューブランズウィック州、プリンス・エドワード島州では、ロブスターやシーフードチャウダー、塩づけしたたらなどが有名です。シーフードチャウダーは、地域ちいきでとれる魚かい類を使って作られます。

シーフードチャウダー

ニューファンドランド・ラブラドール州、ヌナブトじゅん州、ノースウエストじゅん州の一部ではカリブーやムースなどのジビエがよく食べられていて季節によって専門せんもん店などで購入こうにゅうすることができます。

プディング・ショームールはママの味

プディング・ショームールは1930年代の世界大きょうこう時代に入手できる材料で作ったことから「失業者のプリン」とばれています。各家庭で少しレシピはちがいますが、使う材料は小麦、バターまたは油、牛乳ぎゅうにゅう、メープルシロップといたってシンプル。ぜて焼くだけなので、子どもが最初にお家で習う料理とも言われています。

行事食

メープルタフィー

中央東部では3月下じゅんがメープルシロップのしゅうかくのピークです。メープルシロップのしゅうかく時期には「シュガーブッシュ」というメープルシロップのしゅうかく祭が開さいされています。様々なメープルシロップを使った料理がだされますが、その中でも最も特ちょう的なのが雪の上に煮つめたメープルシロップをたらして固めるメープルタフィー。カナダの人ならだれもが知っているキャンディーです。

メープルタフィー

カナダの学校生活

義務ぎむ教育は高校卒業まで、教育制度せいどは州によってことなる

カナダでは高校を卒業するまでが義務ぎむ教育です。連邦制れんぽうせいのカナダは州によって教育制度せいどが決められているため、教育段階だんかいにおける年数や学期が州によってことなります。カナダでは公立の学校に通うことが一ぱん的で、大学やカレッジ(専門せんもん分野を学ぶ学校)もほとんどが公立です。公立の高校であれば費用ひようは無料で、高校受験もありません。学校に制服せいふくはなく、服装ふくそうは自由です。
お昼はお弁当べんとうを持参するか、カフェテリアでサンドイッチやサラダなどの給食を食べます。自宅じたくに帰って昼食をとることもできますが、ほとんどの子どもがサンドイッチなどのお弁当べんとうかカフェテリアで食事をしています。

デジタル教育により自宅じたくでも教育が受けられる

カナダではデジタル教育が進んでいて、生徒はオンライン・スクール(バーチャル・スクール)を通じて自宅じたくで学習することもできます。オンラインで教師きょうししつ問することができ、教師きょうし通常つうじょう24時間以内に返答をしてくれるそうです。
カナダ最大の人口をほこるオンタリオ州では、2020-21年度以降いこうに9年生に進級した高校生は、卒業までにオンライン学習で2単位を取得しゅとくすることが義務ぎむ付けられているのだとか。学習課題のために、PC、タブレット端末たんまつ、研究室のコンピューターが学校から生徒に提供ていきょうされたりと、生徒のデジタルリテラシーを高めるための取り組みがされています。

カナダのスポーツ

アイスホッケーやスキー、スノーボードなどのウインタースポーツがさか

ウインタースポーツがさかんなカナダの国民的スポーツといえばホッケー。国技こくぎのアイスホッケーは、若者わかものから高れい者まではば広いそうに親しまれていて、各家庭に少なくとも一つはホッケー用品があるそうです。冬場には国内で様々な大会が開さいされ、メディアでもひんぱんに取り上げられています。また、オリンピックや世界選手けんでもつねにトップクラスの成績せいせきをほこり、数多くのメダルを獲得かくとくしています。

アイスホッケー

ホッケー以外にもスキーとスノーボードは人気のあるウインタースポーツです。カナダの冬は長く、多くの地域ちいき豊富ほうふな雪がるため、世界中からスキー愛好家が集まります。ウィスラー・ブラッコムやバンフ・レイクルイーズなどのリゾート地は、その広大な斜面しゃめん卓越たくえつした施設しせつで知られていて、毎年多くの観光客がスキーやスノーボードを楽しみにこれらの地域ちいきおとずれています。

スキー

カナダの歴史

カナダの先住民は1万5千年前の氷期にシベリアからベーリング海きょうがまだ陸続きだったころ、
新大陸にわたってきました。

1497年にイギリスのヘンリー7世が派遣はけんしたイタリア人探検家たんけんかジョン・カボットと
セントローレンス川を探検たんけんしたフランス人ジャック・カルティエがカナダに上陸しました。

17世紀せいき初めにフランス人がセントローレンス川流域りゅういきに入植。それから150年以上フランスりょうだったが、
1763年にイギリスはケベック・シティのアブラハム平原の戦いでフランスをやぶったことで
カナダはイギリスりょうとなり、フランスけい住民と先住民がイギリス帝国ていこく支配しはいに組みこまれました。

1791年、イギリスはカナダに2つの植民地を作り、現在げんざいのケベック州をローワー・カナダ、
現在げんざいのオンタリオ州の南部でセントローレンス川上流に位置する場所をアッパー・カナダと名付けました。
1840年、アッパー・カナダとローワー・カナダは統合とうごうされ、カナダとばれるようになりました。

1867年7月1日にオンタリオ、ケベック、ノバ・スコシア、ニュー・ブランズウィック
の各英りょう植民地が統一とういつされ、連邦れんぽう国家、自治りょうカナダが誕生たんじょうしました。

カナダの行事・お祭り

カナダデー(7月1日)

1867年7月1日にイギリス植民地のうち、オンタリオ、ケベック、ノバスコシア、ニューブランズウィックが連合体となり、連邦れんぽう政府せいふ誕生たんじょうしました。それ以降いこう、毎年7月1日はカナダ連邦れんぽう政府せいふ誕生たんじょうしたことを祝う日となっています。首都オタワの国会議事どう前の広場では記念式典が行われ、式典には総督そうとく、首相やイギリス王室から参列されることもあります。各地で花火やバーベキュー、パレードなどを行いカナダデーをお祝いします。カナダデーに合わせてバーベキューの大会が開さいされることもあります。

カナダデー

戦没者追悼せんぼつしゃついとう記念日(11月11日)

1918年11月11日に第一次世界大戦の休戦協定が結ばれたことから、毎年11月11日は戦死者をたたえる日として戦没者追悼せんぼつしゃついとう記念日(リメンブランスデー)が制定せいていされました。
州によっては祝日となり、会社や学校はお休みになり、11月11日午前11時には2分間のもくとうがささげられます。

戦没者追悼せんぼつしゃついとう記念日が近くなると街中で胸元むなもとに赤いポピーの花をつけている人を多く見かけます。これは、第一次世界大戦の時のヨーロッパのげき戦地であったフランダースでは、戦闘せんとうが終わったあとのあれ野原に赤いポピーの花が一面にさいていて、フランダースに従軍じゅうぐんしていたカナダの詩人ジョン・マクレーが戦闘せんとうくした親友を想い「フランダースの野に」という詩を書いたことから、赤いポピーの花が戦死者をいたむしょうちょうとなったのだそうです。

赤いポピーの花は戦争で亡くなった人をいたむ象ちょうなんだ

カナダのその他あれこれ

カナダの先住民、
ファースト・ネイションズ、
メティス、イヌイット

カナダの先住民族としてファースト・ネイションズ(北米インディアン)、メティス(先住民とヨーロッパ人の両方を先祖せんぞとする人々)、イヌイット(カナダ北部に住む先住民)の3グループが憲法けんぽう認定にんていされています。
先住民族はカナダが立国する何年も前からカナダの土地に住み、自然と調和したらしをしてきました。それぞれのグループが独自どくじの言語や文化を持っています。

先住民の踊り

オーロラ

カナダ北西部にあるイエローナイフやホワイトホースは、オーロラで有名です。カナダのオーロラは年間で200日以上もあらわれ、北欧ほくおうよりもそうぐうりつが高いのだとか。特にイエローナイフのオーロラはしつが高いことでも有名で、月に数回、四方八方から色とりどりのオーロラがあらわれます。ブレークアップとばれる天空で光がれつしたかのような絶景ぜっけいが広がるオーロラのばく発現象げんしょうが見られることもあります。
オーロラのベストシーズンは11月〜3月で、オーロラが見られるかどうかは、「天気が良く、雲がないこと」、「空が暗いこと」、「太陽活動が活発であること」の3つの条件じょうけんがそろう必要があります。実は、オーロラの発生に寒さは関係なく、夏の時期でも条件じょうけんがそろえば見ることができるのだそうです。

オーロラ

赤毛のアン

世界的名作のひとつである「赤毛のアン」の舞台ぶたいはカナダ東海岸にあるプリンスエドワード島です。カナダで最も小さな州で愛媛県と同じぐらいの大きさのプリンスエドワード島には、元々は先住民のミックマック族がらしていました。作者であるルーシー・モード・モンゴメリはこの島の出身で、島をおとずれると赤毛のアンの本にえがかかれている場所や風景を見ることができます。児アンが引き取られて生活するアボンリー村のモデルになったのが島の北部にあるキャベンディッシュという町です。その他にも、「こい人の小径」や「お化けの森」など物語の世界観そのままの美しい景色を見ることができます。

赤毛のアンの舞台となったプリンスエドワード島の風景 わあ、お話の世界に入ったみたい!

監修かんしゅう:カナダ大使館

カナダの料理を作ってみよう!

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