比べてみよう!世界の食と文化

ベルギー王国のあいさつ

フランダース地域(北部と西部):オランダ語 ワロン地域(南部):フランス語・ドイツ語(一部) ブリュッセル首都圏地域:フランス語・オランダ語 ベルギーは地域によって公用語が異なるよ。

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ベルギー王国の食文化・食のあれこれ

美食の国、ベルギー

ベルギー人は「美味しい食事を楽しむことは人生を楽しむ上で欠かせない」という考え方が根底にあり、とても食を大切にしています。ベルギーにはチョコレートやワッフル、ベルギービールなど有名な食べ物や、美味しいレストラン、そして食べ歩きの文化もあり、「美食の国」と言われるだけあって生活の中に「食」が根付いています。
ベルギーはオランダ、フランス、ドイツ、ルクセンブルクにかこまれているため、隣国りんごく影響えいきょうを受けながらもベルギーならではの食文化をきずいてきた歴史れきしがあります。家族や仲間と一しょに美味しい食事を楽しむことも重要されています。日曜日の朝食は、家族そろって食事をとりながら会話を楽しむ「Big Breakfast」というこう例行事があるそうです。
ベルギー北部は北海に面しているので、白身魚やムール貝が特産です。ムール貝の白ワインしは多くのレストランで食べることができます。芽キャベツやチコリ、ホワイトアスパラガスなどの野菜やイノシシ、鹿などのジビエも特産です。

ベルギーでは家族で食事をする時間をとても大切にしているよ!

ベルギーはビールも有名です。ベルギー国内には300以上の醸造じょうぞう所があり、1,500種以上のビールが作られています。家庭でもベルギー特産のビールを使った牛肉のにこみ料理などをよく作ります。

ベルギービール

欠かせないスイーツ

ベルギー人にとって食後のデザートは欠かせません。家族や仲間と楽しい夕食をごしたあとには必ずといっていいほど果物くだもの、ケーキ、チョコレート、アイスクリームなどのスイーツを楽しみます。カフェでコーヒーや紅茶こうちゃを注文すると「スペキュロス」や一つぶのチョコレートがそえられてでてきます。
スペキュロスは小麦、ブラウンシュガー、バターにシナモン、しょうが、ナツメグなどのスパイスをぜたクッキー。現在げんざいのサンタクロースの原型げんけいといわれるシンタクラースのモデルとなった、聖人せいじんニコラスの命日であるせいニコラスの日(12月6日)に食べる習慣しゅうかんがあります。

スペキュロス

世界的に有名なベルギーチョコレート

ベルギーでは1日1つぶのチョコレートを食べると健康によいと言われているため、日常にちじょう的にチョコレートを食べる習慣しゅうかんがあります。各家庭のキッチンには必ずと言っていいほどチョコレートが置いてあり、そのまま食べたり料理に使ったりします。チョコレートムースやチョコレートケーキは家庭でもよく作ります。

ボンボンショコラ(プラリーヌ)

ベルギーチョコレートは世界的に有名です。中につめ物をした一口サイズのボンボンショコラ(プラリーヌ)とよばれるチョコレートは20世紀せいきの初めにベルギーで開発されました。シェルとばれるチョコレートのからにガナッシュやソースなどをつめてチョコレートでふたをし固める方法がベルギーで生まれた古典的なボンボンショコラの製法せいほうです。ボンボンショコラは見た目にも美しくぞう答用としても重宝ちょうほうされています。

ベルギー王室ごようたしのチョコレートブランドもあり、ベルジャン・ワラント・ホルダーズ・アソシエーション(1988年に正式に団体設立だんたいせつりつ)から、現在げんざい 8つのチョコレートブランドが認可にんかされています。

ベルギーのチョコレート売場

ベルギーで愛される国民的スイーツ「ワッフル」

ベルギーではワッフルはとても身近なおやつで、街のいたるところにあるワッフルの屋台で買って食べ歩きをしたり、レストランで食べたりします。
ベルギーワッフルは丸く焼かれた「リエージュワッフル」と、四角く焼かれた「ブリュッセルワッフル」の2種類があります。
「リエージュワッフル」は、パールシュガーが入っていて、外側がカリッとして中がもちもちしているのが特ちょうです。屋台で食べられるのがこのリエージュワッフルで、注文してから目の前で焼き上げてくれるワッフルを、地元の人はトッピングなどせずそのまま食べることが多いです。日本でおなみのベルギーワッフルといえば、このリエージュワッフルですね。

一方、カフェで食べられるのが「ブリュッセルワッフル」です。さっくりとした軽い口当たりで、シンプルな味付けなのが特ちょうです。クリームやフルーツ、チョコレートなどをお好みでトッピングして、自分好みにアレンジして食べます。

ベルギーワッフルはイーストを使用して生地きじ発酵はっこうさせてから作るため、もちっとしただん力がある食感に仕上がります。サクサクした食感のアメリカンワッフルは、ベーキングパウダーでふくらませていて、同じ「ワッフル」でも作り方も食感もちがいますね。

リエージュワッフル / ブリュッセルワッフル

主食

主食はパンとじゃがいも

ベルギーの主食はパンとじゃがいもです。クロワッサンやバゲットを朝食や昼食に食べることが多く、夕食には温かいにこみ料理やグラタンなどに、パンやじゃがいもをそえて食べることが多いです。

じゃがいもの調理方法は様々で、ゆでたり、マッシュポテトにしたり、うすくスライスしていためたり、油であげてフリッツにしたりと料理にあわせて調理方法が変わります。日本でもおなみのフライドポテトの発祥はっしょうはベルギーで、「フリッツ」といわれています。ベルギーのフランダース政府せいふは2014年に無形文化遺産いさんとして「フリッツ」を登録しました。各家庭にフリッツ用のフライヤーを持っている人も多いとか。
フリッツは家庭だけでなく、お祭りのさいに屋台でもよくはん売されていて食べ歩きの定番です。

フリッツ
お肉料理にフリッツをそえます フライドポテトはベルギーで生まれたのよ!

家庭料理

朝ごはんはクロワッサンやパンなどのあまいもの

ベルギーの一ぱん的な朝食は、チョコクロワッサンやパンにジャムやチョコレートペーストをぬったものです。日本では、朝食にご飯と焼き魚、納豆なっとうやみそしるなどの塩からいものを食べることが多いですが、ベルギーでは朝からあまいものを食べる人が多いのが特ちょうです。

ランチはバゲットサンドイッチなど手軽なもの

ランチはサンドイッチにサラダ、スープが定番です。ベルギーのサンドイッチは日本のものとは少しことなり、細長いバゲットに具材をはさんだものが多いです。生肉をたたいてピクルスや香しん料とぜあわせた「フィレアメリカン」も有名です。日本では一人で外食のランチをする人も多いですが、ベルギーではだれかと一しょに外食をして食事の時間を楽しみます。

フィレアメリカン

ディナーはにこみ料理やグラタンなど温かいものを家族で楽しむ

朝と昼はパンやサンドイッチなど簡単かんたんませることが多いですが、夕食はにこみ料理やグラタンなど温かいものを食べることが多いです。ベルギーの特産品のチコリをゆでハムでいてベシャメルソースをかけて焼いた「チコリのグラタン」や、ベルギービールを使ってにこんだ牛肉のシチュー「カルボナードフラマンド」は家庭料理の定番です。その他に特産品のムール貝を白ワインでした「ムール貝の白ワインし」は寒い冬に食べられます。ムール貝の白ワインしのスープを「フリッツ」につけて食べるのが定番です。

チコリのグラタン
カルボナードフラマンド
ムール貝の白ワイン蒸し

行事食

寒い時期のカーニバルはホットチョコレート・ホットワインとフリッツが定番

カーニバルは毎年2月末か3月初め、冬の最も寒い時期に開さいされます。カーニバルの中で最も有名なのが「バンシュのカーニバル」です。バンシュのカーニバルはヨーロッパで最も古いカーニバルのひとつで2003年にユネスコ無形文化遺産いさんに登録されています。ダチョウの羽かざりをつけたジル(ピエロでカーニバルの主役)が街を行進し、広場にたどり着くまでオレンジを観客に投げるのが見どころ。オレンジを手にした人には幸せがもたらされるのだそうです。

バンシュのカーニバル
バンシュのカーニバル
オレンジを投げながら行進するんだ!

寒い冬に屋外で開さいされるカーニバルに欠かせないのがホットチョコレートやホットワイン、フリッツです。
屋台で提供ていきょうされるフリッツは紙でできたペーパーコーンにあげたてを入れて提供ていきょうされます。温度を変えて2度あげすることで外側はサクサク、内側はホクホクに仕上げるのがポイント。あげたてのフリッツには必ずたっぷりのマヨネーズがそえられています。

フリッツにつけるソースも一しょにはん売されていて、定番のマヨネーズの他にも、バーベキューソースやピーナッツソースがはん売されています。

屋台のフリッツ

ベルギー王国の学校生活

義務ぎむ教育は高校卒業まで

ベルギーの教育制度せいどは6さいから始まる初等教育6年と、12さいから始まる中等教育の6年間が義務ぎむ教育です。ベルギーは地域ちいきによって公用語がことなるため、学校によっても主に使われる言語がことなります。主な教育言語は学校の地域ちいきによって決まります。

学校に制服せいふくはなく、服装ふくそうは自由です。お昼はお弁当べんとうを持参するか、カフェテリアでサンドイッチやサラダなどの給食を食べます。自宅じたくに帰って昼食をとることもできますが、ほとんどの子どもがお弁当べんとうかカフェテリアで食事をしています。

日本より義務教育が長いのね。

ベルギーには受験制度せいどがない

日本の様な学区せいがなく、費用ひようは国家負担ふたんのため一部をのぞいて無料です。また、高校受験や大学受験がなく、医学部・歯学部をのぞき、所定の課程かていをへて希望すれば基本きほん的に希望する学校に入学することができます。

ベルギー王国のスポーツ

サッカーと自転車競技きょうぎが人気

ベルギーではサッカーと自転車競技きょうぎが人気です。また熱きょう的なスポーツファンが多いと言われています。フランダース地域ちいきを走る「ロンド・ファン・フラーンデレン」は自転車プロロードレースのひとつです。日本では「ツール・デ・フランドル」の名前でも知られています。コースの大半は石だたみ(パヴェ)のため、ロードバイクで走行するのはとても過酷かこくです。ベルギーではレンタサイクルも多く、レンタサイクルを活用して観光を楽しんでいる姿すがたもみられ自転車は人々の生活に根付いています。

レンタサイクルで観光
自転車レース

ベルギー王国の歴史

ベルギーという名前は、ローマ時代にこの地を征服せいふくしたカエサルが最もてこずった勇かんな民族の名
「ベルガエ」に由来すると考えられています。

紀元きげん4世紀せいきからローマ帝国ていこくがほろび、ゲルマン民族の一種フランク人がベルギーで生まれ、
ベルギーの主流人口になりました。

ベルギーという地域ちいきは自ら国を建てず、フランク王国・フランス王国・神聖しんせいローマ帝国ていこく
・スペイン王国・オーストリア王国・オランダ王国など様々な国の支配下しはいかにおかれていました。

1814年〜1815年、ウィーン会議でオランダに編入へんにゅうされます。

1830年、フランスの7月革命かくめい影響えいきょうから独立宣言どくりつせんげんを行い、
1831年にオランダから独立どくりつしました。
1839年にオランダによるベルギーの独立どくりつ承認しょうにんされました。

1914年〜1918年まで、第一次世界大戦の対ドイツ戦により領土りょうどの大半が占りょうされました。

1940年〜1944年まで、第二次世界大戦の対ドイツ戦により全土が占りょうされました。

1993年に正式に3つの地域ちいき(ブリュッセル、フランダース、ワロン)と
3つの言語共同体(オランダ語、フランス語、ドイツ語)に権限けんげんを分配した連邦れんぽう国家に移行いこうしました。
また、1993年11月1日EU発足にあわせて首都ブリュッセルにEUの本部が置かれました。

ベルギー王国の民族衣装

伝統でんとうを守り続けたブルージュのレース

世界遺産いさん「ブルージュ歴史れきし地区」があるブルージュの街。ここで有名なのがレースです。ブルージュのレースは小さなボビンを使って糸をみ上げていくボビンレースが特ちょうで、今でも伝統でんとう的手工芸品として受けつがれています。ブルージュのレースの繊細せんさいな美しさはベルギーだけでなく、ヨーロッパ各地の貴族きぞく聖職せいしょく者たちに愛されてきました。ブルージュにあるレースセンターでは、レースの歴史れきし実際じっさいの美しいレース作品も数多く展示てんじされています。

ブルージュのレース
ブルージュのレースには長い歴史があるのよ!

ベルギー王国の行事・お祭り

フラワーカーペット

ベルギーの首都ブリュッセルにある世界遺産いさんの広場グラン・プラスが50万本以上の花でしきつめられるお祭りがフラワーカーペットです。フラワーカーペットは2年に一度、8月15日の週末にかけて開さいされています。生の花を使用するため、開さい期間は3日と短くなっています。夜はライトアップされ、花火やプロジェクションマッピングなどのショーが行われます。2026年のフラワーカーペットは日本がテーマとなります。

2026年のテーマは「日本」だよ!
フラワーカーペット
グラン・プラス

グラン・プラスは世界で最も美しい広場のひとつといわれ、1998年にユネスコ文化遺産いさんに登録されたブリュッセルでも人気の観光スポットです。

イーペルのねこ祭り

イーペルのねこ祭りはベルギー西部の街イーペルのマルクト広場で開さいされるねこをテーマにしたパレードとお祭りです。3年に一度、通常つうじょうは5月の第2日曜日に開さいされます。イーペルでは1817年まで年に一度「ねこの水曜日」に生きたねこを投げ落とす行事が行われていました。そんな暗い歴史れきしわすれずねこをいたむために1938年に始まったのがイーペルのねこ祭りです。人々がねこ仮装かそうをしたり、巨大きょだいねこの人形やフロートとばれる山車だしがパレードをしたりと、今ではねこ好きが集まるイベントとしても人々に愛されています。

イーペルの猫祭り

トゥモローランド

トゥモローランドは2005年から毎年7月3週目と4週目の週末に開さいされている世界最大規模きぼのダンス・ミュージックイベントで特に若者わかものに人気です。世界中の有名なDJが参加することもあり、チケットははん売開始から1時間程度ていどで完売してしまうのだとか。

トゥモローランド会場

ベルギー王国のその他あれこれ

フランダースの犬の舞台ぶたい
アントワープのノートルダム大聖堂だいせいどう

やさしい少年ネロと、かれが助けた犬パトラッシュのアニメとしてよく知られている「フランダースの犬」の舞台ぶたいは、ベルギーのフランダース地方です。アントワープのノートルダム大聖堂だいせいどうにはネロが見たかったルーベンスの絵がかざられていて、教会の前にはネロとパトラッシュのぞうもあります。アントワープのノートルダム大聖堂だいせいどうは2000年にユネスコの世界文化遺産いさんに登録されています。フランダースの犬は日本ではとても有名ですが、ベルギーではあまり知っている人がいないそうです。

アントワープのノートルダム大聖堂

ワーテルローの古戦場にある
「ライオンのぞうのおか」

ナポレオン最後の戦いとなったワーテルローの戦いの地として有名なワーテルローは、首都ブリュッセルから南に約20kmほどのところに位置するフランス語けんワロン地域ちいきにあります。1815年にナポレオンひきいるフランス軍がウェリントン将軍率しょうぐんひきいる連合軍に初めてやぶれた場所です。人工のおかの頂上ちょうじょうにはライオンぞう堂々どうどうと立っていて、フランスの方向を見つめていると言われています。

ライオンの像のおか

小便ぞうは世界一の衣装いしょうもち!?

ブリュッセルの観光スポットとして人気の小便ぞうは、1619年に彫刻ちょうこく家ジェローム・デュケノワによって作られました。服を着ていない姿すがた印象いんしょうが強いですが、実は年間を通して、いろんな衣装いしょうを着ています。世界各地から様々な服がおくられ、世界一の衣装いしょうもちとも言われているそうです。

小便小ぞう いつもはだかじゃないんだね!

監修かんしゅう:ベルギー王国大使館

ベルギー王国の料理を作ってみよう!

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