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牛乳のパッケージ
牛乳が日本で一般的に飲まれるようになった明治時代の初めは、大型のブリキ缶から量り売りされていました。その後ガラスびんが登場し、さまざまな形のびんや栓が作られましたが、昭和の初めごろから無色透明で広口のびんが使われるようになりました。紙パックの登場は、昭和30年代と新しく、軽くて丈夫、輸送にも適した紙パックは、東京オリンピックや大阪万博での採用、さらに給食の普及により広まります。最初は正四面体でしたが、現在ではレンガ型のブリックパックや屋根型のゲーブルトップ型など、直方体のパッケージが主流です。さらに最近では、紙パックにプラスチックキャップのついた牛乳を注ぎやすい新しい容器も登場しています。
明治時代
- 大型のブリキ缶から量り売り
- 初期のガラスびんは青や緑色をした有色びんが多く首が細長い
昭和時代
- 現在も見られる広口の透明なびん
- 初期は正四面体の紙容器
平成時代
- 現在ではゲーブルトップ(屋根)型とブリック(レンガ)型が主流
- キャップ付き容器も新登場
牛乳容器(パッケージ)の工夫
最近の牛乳容器には、さまざまな工夫が施されています。牛乳を長持ちさせるためにパッケージに厚い紙を使用したり、光を通しにくいコーティングやインクの使用で、遮光性を向上させ光酸化から保護しています。また、目の不自由な方でも他の飲料と牛乳を見分けられるように、パッケージ上部に「切り欠き(きりかき)」が付けられています。へこんだ部分のない側があけ口になっています。
明治の「おいしい牛乳」は開けやすく注ぎやすい広口キャップ付き容器を採用し、お子様や高齢者でも持ちやすい横幅を約5mm縮めたパッケージにして使いやすさを高めています。また、開封するまで直接空気と触れない「満量充填(上部に空気のすきまのない)」で香りを開封まで閉じ込める工夫もしています。
パッケージの表示
乳事業者は、牛乳の虚偽や誇大な表示の発生を未然に防止するため、「飲用乳の表示に関する公正競争規約」という自主ルール(全国飲用牛乳公正取引協議会)を設定しています。牛乳類を容器包装に入れて販売する場合は、義務表示事項を一括して見やすい場所に表示することが定められています。
牛乳容器はエコロジー
牛乳に使われるガラスびんや紙パッケージは、どちらもリユース(再使用)やリサイクル(再利用)が行われています。牛乳びんは何度も洗って繰り返し使われ、使い終わっても新しいびんに再生できることから、リユース・リサイクルのお手本として知られています。一方、日本では諸外国と比べて、紙類が再生紙として生まれ変わるリサイクル率が約65%と非常に高いことで知られています。
ガラスびん
現在では、びんの軽量化や返却・つめ替えにより何度も使用できるリターナブルびん(リユースびん)の普及に向けたびんへの直接印字を廃止するなど、環境に配慮した容器が開発されています。
木材
牛乳の紙パックは、管理が行き届き面積が増加している北米や北欧の針葉樹の間伐材のパルプから作られます。また、伐採した樹木でも、用材に適さない外周部分や端切れなどが使われています。
洗って乾かして
牛乳パックには、「洗って開いてリサイクル」の表示があります。コンパクトにまとめて効率良い運搬をするためです。牛乳パックに使用されている紙はポリエチレンでコーティングしてあるため、新聞紙などの古紙とは別に回収利用しています。
牛乳パック×6 = トイレットペーパー
牛乳パックは、トイレットペーパーやティッシュペーパーなどに生まれ変わります。牛乳パック(1,000ml)6枚分がトイレットペーパー1個になります。