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バターができるまで
バター製造方法
バターは、古くは木製のバターチャーンという回転機器を用いてつくられていましたが、19世紀には、ステンレス製のチャーンが機械化され、現在では連続式にバターを大量生産できる製造機(連続式製造機)で生産されています。原料乳の脂肪分にもよりますが、200gのバターをつくるのに約4.2~4.4Lほどの生乳が必要です。
①分離:生乳から遠心分離によりクリーム(脂肪率約40%)を分離します。
②殺菌・冷却:クリームを95℃で60秒間加熱殺菌し、殺菌後、直ちに5℃前後に冷却します。
③エージング:殺菌・冷却されたクリームを5℃前後のタンクで8~12時間、低温保持します。
クリームの脂肪分が結晶化し、形や大きさが一定になり脂肪球が安定します。
④チャーニング(攪拌):エージングしたクリームを10℃以下の温度で激しく攪拌し、脂肪球皮膜たんぱく質を除き、脂肪球を凝集させて大豆くらいの大きさのバター粒をつくります。
水洗:バターの風味を良くし、バター粒の硬さを調節するため、バター粒を冷水で洗い、バターミルクを完全に除きます。
加塩:バターの風味を良くし、保存性を高めるために食塩(通常1.0~2.0%)を加えます。
ワーキング(練圧):バター粒を練り合わせ、粒子中の気泡を除き、水分や塩分を均一に分散させ、滑らかで良質のバター組織にします。
⑤充填・包装:できあがったバターを用途に応じた大きさや形に包装し貯蔵します。
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バターの色はなぜ黄色い?!
原料の生乳は真白なのに、バターの色は黄色。とても不思議ですね。この色は乳脂肪に豊富に含まれているビタミンAの中のβカロテンという色素によるものです。牛乳では、カゼインミセルや脂肪球というたくさんの細かい粒子により白く見えているので、βカロテンの黄色の色は感じさせません。生乳からバターをつくる工程で、カゼインミセルが取り除かれるため、乳脂肪本来の色が現れます。βカロテンは、摂取後に体内でビタミンAに変わるので、プロビタミンA(ビタミンA前駆体)とも呼ばれています。βカロテンはもともと乳牛が食べる牧草に含まれているので、青々とした夏草をたっぷり食べた牛の乳からつくったバターは黄色が濃く、冬に干し草を食べる牛の乳からつくったバターは黄色が薄くなります。バターの色は一定ではなく、季節によって変わるのです。