牛乳 MILK

牛乳の種類

しぼったままの牛の乳(ミルク)が「生乳(せいにゅう)」で、生乳を均質化処理をして加熱殺菌したものが「牛乳」です。店頭で私たちが一般的に「牛乳」と呼んでいるものには、7つもの種類があります。これら製品の内容は食品衛生法に基づく「乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)」という法律で決められています。

種別 概要 生乳の
使用割合
成分 衛生基準
乳脂肪分 無脂乳固形分
(SNF)
細菌数
(1mLあたり)
大腸菌群
牛乳 原料が生乳100%で、均質化(ホモゲナイズ)処理をしたのち加熱殺菌したもの 生乳100% 3.0%以上 8.0%以上 5万以下 陰性
特別牛乳 特別に許可を受けた施設(牧場)で作られた一般の牛乳よりも成分的に濃厚なもの 3.3%以上 8.5%以上 3万以下
成分調整牛乳 生乳から乳脂肪分や水分、ミネラルなどの一部を除去して成分濃度を調整したもの 8.0%以上 5万以下
低脂肪牛乳 乳脂肪分を減じて、0.5%以上1.5%以下の間調整したもの 0.5%以上
1.5%以下
無脂肪牛乳 乳脂肪分量を0.5%未満まで減らせたもの 0.5%未満
加工乳 生乳由来の乳製品(バター、脱脂粉乳など)を生乳に加えたものです。乳製品と水以外を加えることは認められていません。
乳飲料 生乳や乳成分を主原料に乳製品以外のものも加えたものです。 乳固形分3.0%以上
(公正競争規約による)
3万以下

食品衛生法に基づく「乳等省令(乳および乳製品の成分規格に関する省令)」より

加工乳

低脂肪タイプ
乳脂肪分を減らし脱脂粉乳などを乳に加えたもの。乳成分が多く含まれているので、「脂肪は少なく、たんぱく質やカルシウムは多く摂りたい」という方におすすめ。
濃厚タイプ
濃縮乳やクリーム、バターなどを乳に加えて、「コクのある牛乳が好き」という方に向けた風味が濃厚なもの。

乳飲料

栄養強化タイプ
カルシウムや鉄、ビタミンD・E、食物繊維、オリゴ糖など、牛乳に少ない成分や本来は含まれていない成分を乳に加えたもの。
嗜好タイプ
コーヒー・茶・果汁・甘味成分などを乳に加えたもの。
乳糖分解タイプ
牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするという人のために、乳糖の大半を酵素で分解したもの。乳糖がグルコース(ぶどう糖)とガラクトースに分解されるので、甘味が増します。
TOPICS

ミルクもオーガニックの時代?!

オーガニックとは、「有機の」や「有機的な」という意味があり、2005年11月から、畜産物や加工食品にも有機食品としての法律が施行されました。畜産物の有機食品としての基準は、100%有機栽培の飼料で育てられ、成長を促すためのホルモンや治療、予防接種以外の薬剤が使われず、乳牛が自由に運動・移動できる生活環境で飼育あるいは飼養されることなど厳しい条件があります。成長促進を目的とした肥育ホルモン剤に関しては、わが国では、1998 年に製造・輸入が中止され、1999 年に動物用医薬品業者が自主的に承認の取り下げを行っています。現在承認されているホルモン剤は、家畜の繁殖障害の治療等に使用されるものだけになっています。

MEMO

乳脂肪分とは…

牛乳に含まれる脂肪(脂質)のことです。市販牛乳の脂肪分は牛乳100g中約3.8gです。均質化された牛乳では水分中に小さな脂肪球(0.2~0.5μm直径)として乳化状態で混ざっているので、消化吸収が良いのが特長です。脂肪分が多いとコクのある味わいになります。均質化をしていない「ノンホモ牛乳」も脂肪分の成分は変わりません。


無脂乳固形分(SNF:Solid not fat)とは…

牛乳から水分と乳脂肪分を除いたものが無脂乳固形分(SNF)です。たんぱく質、乳糖、カルシウムなどのミネラル、ビタミン類など、私たちに大切な栄養素を含んでいます。