チーズ CHEESE

チーズができるまで

乳を乳酸菌や酵素(レンネット)の力で固めたものから、乳清(ホエイ)を取り除いたものがチーズです。

知っ得ワード

①スターター:チーズ製造に用いる微生物(乳酸菌やカビ)
②レンネット:乳を固める酵素(主成分はキモシン)
③カード:凝乳後に細切された固形物
④ホエイ:乳清。チーズを製造する際に排出される水分
⑤ブライン:チーズに加塩するために漬ける飽和食塩水

チーズの製造工程(チェダーチーズの場合)

チーズの製造工程(チェダーチーズの場合)

※1 カッティング:凝乳を細かく切ってカードにすること
※2 クッキング:少しずつ加温してカードからホエイを除くこと

チーズの製造工程(カマンベールチーズの場合)

チーズの製造工程(カマンベールチーズの場合)
  • 乳酸菌と一緒に白カビを添加しなかった場合は、
    型から外したチーズ表面にカビを植え付ける方法もあります。

チーズの製造工程(プロセスチーズの場合)

チーズの製造工程(プロセスチーズの場合)
TOPICS

家庭でも簡単に作れるカッテージチーズ

カッテージチーズは家庭で簡単に作れるフレッシュで一番シンプルなチーズです。牛乳に酸(酢やレモン果汁など)を加えて凝固した乳たんぱく質(カゼイン)から作ります。サラダのトッピングに、ハンバーグや肉団子に、デザートなどにも様々な料理にご利用ください。
カッテージチーズの作り方

カビは食べても大丈夫?!

カビというと有害なイメージがありますが、表面が白カビで覆われたカマンベールや青カビが大理石模様のブルーチーズなどは、カビなくしては作れないチーズです。これらのカビはペニシリウムという種類で、食べても害はなく、チーズ中のたんぱく質や脂肪を分解して独特な風味や組織を作り出す働きがあります。とくに、白カビはたんぱく質を良く分解し、青カビは脂肪を良く分解します。ペニシリンという抗生物質を作り出すカビとは異なりますので安心して召し上がってください。

MEMO

凝乳酵素とは…

牛乳を凝固させるために必要な酵素です。その中の1つ、レンネットは、生後10~30日の哺乳期間中の仔牛の第4胃から取り出します。成分はキモシン88~94%で、ペプシン6~12%が含まれています。凝乳酵素には、他にムコールカビ由来のものや植物に由来するものがありますが、苦みが出る欠点があります。最近では、使用するキモシンの60%以上は、発酵生産キモシン(遺伝子組換え酵素)が一般的となり世界中で広く使用されています。キモシンはほとんどチーズ組織に残らず、残っても熟成中に低分子に分解されるので安全だと考えられます。


妊娠中はリステリア感染症にご注意!

リステリア菌は、食品を介して感染する食中毒菌で、動物の腸管内や河川、土壌など自然界に広く生息しています。塩分に強く、冷蔵庫内でも増殖しますが、加熱することで食中毒を予防できます。健康な大人が摂取しても、食中毒を発症することはありませんが、妊婦や高齢者、免疫機能が低下している方などは発症の可能性があります。未殺菌乳を用いる特別なナチュラルチーズには含まれることもあり、米国では感染死亡例が報告されています。