- 愛すべき乳(ミルク) HOME
- チーズ-CHEESE-
- チーズの種類
チーズの種類
チーズは、乳酸菌や酵素の働きで乳のたんぱく質(カゼイン)を固めたものです。牛や羊や山羊などの原料乳の種類や発酵形式によって様々なチーズができます。チーズは大きく分けてプロセスチーズとナチュラルチーズの2つに分かれます。日本はとくにプロセスチーズの消費量が多く、さまざまなタイプで楽しまれています。
プロセスチーズ
ゴーダやチェダーなど1種類または数種類のナチュラルチーズを加熱溶融し、再度冷やして固めたものです。
衛生的で保存性もよく、独自の風味や組織を持つ商品が多々あります。
形状や大きさも、スライス、6P、キャンディー、ブロックタイプなど様々で、気軽に食べれます。食感の違いや調理特性を活かして、幅広い料理にもお使いいただけます。
ナチュラルチーズ
殺菌した乳に乳酸菌を作用させ、凝乳酵素を加えてできた固まり(凝乳)から、水分(乳清)を除いたものです。大きく7つのタイプに分けられます。
フレッシュタイプ
熟成させずに作りたての風味を楽しむチーズ。水分が多くてやわらかく、ミルクの香りとさわやかな酸味があります。代表的なものに、モッツァレラ、カッテージ、リコッタなどがあります。リコッタは、モッツァレラを作る際の乳清(ホエイ)を加熱して作ります。クリームチーズもフレッシュタイプに含まれます。
白カビタイプ
表面に白カビを植えつけて乳酸菌と共に熟成させるチーズ。熟成が進むにつれて中がクリーム色になり、加熱してないのにトロリとしてきます。代表的なものに、カマンベール、ブリー、バラカなどがあります。
青カビタイプ(ブルーチーズ)
内部に青カビを植えつけて乳酸菌と共に熟成させるチーズ。チーズ内部は大理石のような美しい青い模様になります。イタリアのゴルゴンゾーラ、フランスのロックフォール、イギリスのスティルトンは世界3大ブルーチーズと呼ばれています。それ以外では、ババリアブルー、ダナブルーなどもあります。
セミハードタイプ
殺菌乳を凝乳酵素で固めた後、プレスして水分を取り除き、乳酸菌の力でゆっくり熟成させる硬質のチーズ。時間をかけて熟成が進むので、食べ頃が長く続きます。代表的なものに、ゴーダ、マリボー、サムソーなどがあります。
ハードタイプ
長期熟成(1〜3年)させて作る硬いタイプのチーズで、粉状にして料理に使われることもあります。代表的なものに、チェダー、エメンタール、ラクレット、エダム、コンテ、パルミジャーノ・レッジャーノ、パルメザンなどがあります。
ウォッシュタイプ
チーズ表面を塩水やビール、地酒(ビール、ワイン、ブランデーなど)で何回も洗いながら、内部を熟成させるチーズ。チーズ表面はオレンジ色で強い匂いがしますが、内部はクリーム色のチーズです。代表的なものに、マロワル、エポワス、リヴァロ、ポン・レヴェックなどがあります。
シェーブルタイプ
「シェーブル」とはフランス語で「山羊(ヤギ)」のことで、山羊乳でつくられたチーズ。山羊特有の強い風味が特徴です。小型のチーズで乾燥熟成したものが多く、代表的なものに、ヴァランセ、クロタン・ド・シャヴィニョル、サント・モール・ド・トゥレーヌ、バノンなどがあります。
- TOPICS
-
チーズの名前の由来はいろいろ?!
チーズの名前は、産地の村や地方の名前が付けられているものがたくさんあります。ゴーダやチェダー、カマンベールなどは村の名前、エメンタールやパルミジャーノ・レッジャーノは地方の名称です。チーズの形から名前が付けられたものもあります。修道士の頭形という意味のテット・ド・モワンヌや鈴の意味のクロシェットなどです。ババリアブルーやフロマージュ・ブランは色が由来です。また、作り方が名前になったものもあり、ひきちぎるという意味のモッツァレラや二度煮るという意味のリコッタなどが有名です。変わった名前の由来では、チーズが修道院で作られていた歴史があるため、オルヴァルやマレッツなどの修道院の名前の付いたチーズがあります。さらにカチョカヴァロ(馬上のチーズ)や絶品という意味のマスカルポーネ、恋の芽生えという意味のブラン・ダムールというロマンティックな名前の付いたチーズもあります。
パルミジャーノ・レッジャーノとパルメザンの違いは?!
「パルメザン(Parmesan)」は本来「パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)」の英語読みでしたが、イタリアではDOPという原産地名称保護制度により、エミリア・ロマーニヤ州の一部地域で作られ、未殺菌乳から作り、12ヶ月以上の熟成期間を経て検査により認定されチーズ表面に協会の焼印が押されたものだけが「パルミジャーノ・レッジャーノ」と名乗れます。一般に販売されている「パルメザンチーズ」は、DOPの認証を受けていない「パルミジャーノ・レッジャーノ」風のチーズということになります。
- MEMO
-
チーズの定義
FAO/WHO(国連食糧農業機関/世界保健機関)によるチーズの定義は、フレッシュまたは熟成した固形または半固形の製品で以下のいずれかの方法で作られたものです。
(a)凝乳酵素または微生物や植物由来の凝固剤の作用により、乳、脱脂乳、部分脱脂乳、クリーム、ホエイクリーム、バターミルク、またはこれらの混合物を凝固させ、この凝固物より分離するホエイ(乳清)を部分的に流出させて作るもの。
(b)乳及び乳から得られる原料を用い、凝固を引き起こす加工技術により、(a)に限定されている製品と同じ化学的、物理的、官能的な特徴を持つ製品。