受診機関について

食物アレルギーは、病歴などのくわしい問診や各種のアレルギー検査をもとにして診断されます。原因食物や食物アレルギーの重症度を適切に診断してもらうためには、食物アレルギー専門医のいる医療機関や食物経口負荷試験を行っている医療機関を探すとよいでしょう。

日本アレルギー学会認定専門医・指導医

外部サイト http://www.jsaweb.jp/modules/ninteilist_general/

一般社団法人日本アレルギー学会の審査を受けて認定された専門医・指導医を紹介しています。

食物経口負荷試験を行っている施設

外部サイト http://www.foodallergy.jp/

食物アレルギー研究会のホームページでは、日本小児科学会指導研修施設における、
小児科を対象とした食物経口負荷試験の実施状況(症例数)について紹介しています。

食物アレルギーの診療の際に、
本人の基本情報食事記録
持参するとよいでしょう。


受診前に食物アレルギーの種類について知っておこう! 食物アレルギーのタイプ

食物アレルギーはこのような症状が出ることがあります。

IgE抗体の関与する食物アレルギー

顔や全身の湿疹がひどく、治りにくい

見られる年代
赤ちゃん
  • 生後1〜3カ月頃から湿疹が顔をはじめとして体にも広がってきた。かゆそうで眠りが浅かったり、きげんが悪かったりする。
  • お医者さんにアトピー性皮膚炎といわれ、ステロイド軟膏などの薬をつけているけれどなかなか治らず、悪化している気もする。

原因食物を食べたあと(主に直後〜2時間以内)に食物アレルギー症状が出る

多く見られる年代
赤ちゃん〜大人まで
  • 食べたあとに、顔や身体にぽつぽつとじんましんが出てきた。
  • 食べたあとに、のどがイガイガして、元気がなくなってきて嘔吐した。
  • 食べたあとに、咳が出てきて、全身が赤くなって、息が苦しくなった。

※食べ物は粉ミルクや離乳食も含みます。

食後に運動したとき、重い食物アレルギー症状が出る

多く見られる年代
学童期頃〜大人
  • 子どもが学校で昼食後に激しい運動をしたら、じんましんやむくみ、咳が出てきて、呼吸も苦しそうになった。

生の果物や野菜を食べると口の中や周辺にかゆみなどが出る

多く見られる年代
幼児期〜大人
  • りんごやもも、洋梨など生の果物や野菜を食べたときに、口の中やのど、耳の奥などにかゆみやイガイガした痛みなどを感じた。

IgE抗体の関与しない食物アレルギー

粉ミルクを飲んだあとに嘔吐や下痢をする

見られる年代
赤ちゃん
  • 生まれてまだ日の浅い赤ちゃんに粉ミルクを飲ませたら、嘔吐や下痢、血便などの症状がおきた。


アレルギー検査について

食物アレルギーの診断を行うための主な検査です。
いずれも医療機関で行うものです。

血液検査

血中抗原特異的IgE抗体検査

個別の食物(アレルゲン)ごとの血液中の「IgE抗体」の量を測る検査です。特定の食物に対する「IgE抗体」の値が高い場合、その食物を摂取して症状が出る可能性が高くなりますが、値が高いからといって必ずしも症状が出るわけではありません。

*この検査値だけで食物アレルギーの確定診断を行うことはできません。
*食物アレルギーの診断の補助的な検査です。

皮膚テスト

プリックテスト

赤ちゃんの食物アレルギーの診断や、口腔アレルギー症候群の原因食物の診断にも有用なテストです。アレルゲンと疑われる物質を腕の内側に1滴たらし、針で皮膚を少し傷つけて、赤く腫れたら陽性と判断されます。食物アレルギーの診断の補助的な検査です。

食物経口負荷試験

食物経口負荷試験

医師の指導のもとでアレルゲンと疑われる食物を実際に食べて症状の有無を確認する試験です。原因食物を少しずつ、時間をかけて食べます。重篤な症状が出る可能性もあるので、症状が出たときの対応ができるような体制(入院設備など)が整った病院で行われます。原因食物を確定したり、食物除去が解除できるか(食べられるようになっているか)を診断したりするために行う、信頼性の高い試験です。

*食物経口負荷試験を自宅で行うことは極めて危険です。必ず医療機関で受けましょう。



受診するときに役立つメモ

食物アレルギーの診察を受けるときは、本人に関する基本情報のほかに、どこにどんな症状がいつから出ているのかなどを正確に伝えられるよう、あらかじめメモにまとめて持参すると、診療の際に役立ちます。食事記録は、食事との関連を探るのに大事な手がかりになります。

基本情報メモ

基本情報

  • 名前
  • 年齢
  • 身長・体重
  • 授乳状況(乳児の場合)
  • 病気の有無
  • 使用中の薬(塗り薬を含む)

症状

  • 何を食べていつからどんな症状がおきたか

家族歴

  • アレルギー歴のある家族(祖父母あたりまで)
  • 具体的なアレルギー症状(アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、ぜんそく、アレルギー性鼻炎・結膜炎、花粉症など)

生活の環境

  • ペットの有無(種類・室内か屋外か)
  • 受動喫煙の有無

その他気になること

食事記録

食事内容

朝、昼、夕、間食もすべて。

日常生活

  • 起床・昼寝・就寝時間
  • 体調
  • スキンケア
  • 内服薬

症状

  • 症状が出た場所
  • 発症時間と症状
  • 気になる症状が出た前日頃からの食事記録を、調味料を含めてなるべくくわしく記しましょう。
  • 症状と関連がありそうだと思われる食物があれば印をつけ、加工食品で原材料表示やアレルギー表示がある場合には、表示を切り取るか写真に撮るなどしておきましょう。