症状の例

多く見られる年代

学童期頃〜大人

  • 子どもが学校で昼食後に激しい運動をしたら、
    じんましんやむくみ、咳が出てきて、呼吸も苦しそうになった。

監修・アドバイス

  • 独立行政法人国立病院機構 相模原病院臨床研究センター長 海老澤 元宏先生
  • 十文字学園女子大学 人間生活学部 健康栄養学科 准教授 林 典子先生 (元国立病院機構 相模原病院 臨床研究センター アレルギー性疾患研究部)

重篤な症状が特徴、すぐに救急車を

主に学童期以降にみられるアレルギーで、特定の食べ物を食べてから2時間以内(大部分の場合)に運動をすると症状が現れるものです。原因食物を食べたあとに運動をすることによって、アナフィラキシーが誘発されるのが特徴です。
また、特定の食べ物を食べたあとの運動以外に、疲労、寝不足、かぜ、ストレス、月経前症状、気象条件、アスピリンの服用などが症状を誘発することもあります。複数の要因が重なると、症状がより誘発されやすくなります。
昼食後の休み時間、5時間目の体育の時間、サッカーなどの運動系の部活の時間におきやすいと報告されています。初めて発症するピークは10〜20歳代で、男子に多くみられる傾向があります。中学生の6000人に1人の頻度でみられると報告されています。*1
症状は全身のじんましんやむくみ、せき込み、呼吸困難などが現れ、進行が早く、約半数は血圧が低下してショック症状をおこします。至急救急車を呼んで病院へ搬送するなど迅速な対応が必要です。

*1:相原雄幸.食物依存性運動誘発アナフィラキシー.アレルギー.2007;56:451-6.他 より

アナフィラキシーの疑いがある場合は、一刻も早く救急車を呼びましょう。
医師からアドレナリンの自己注射製剤(エピペン®)を処方されて携帯している場合は、医師の指示に基づいて使用します。

アレルギー専門医で検査を

原因となる食物は小麦、えび、果物が多く、複数の食べ物を同時に食べて運動することが原因となっているケースもみられます。食後に運動をして症状がおきた場合は、早急にアレルギー専門医のいる医療機関を受診しましょう。食物依存性運動誘発アナフィラキシーと診断されたら、学校の先生などにもこの病気の特徴や原因食物、症状などを伝え、症状がおきた場合の対応を話し合っておくことが必要です。