知って!食物アレルギー

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食物アレルギー5つのタイプ | 食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎

症状の例

見られる年代

赤ちゃん

  • 生後1〜3カ月頃から湿疹が顔をはじめとして体にも広がってきた。
    かゆそうで眠りが浅かったり、きげんが悪かったりする。
  • お医者さんにアトピー性皮膚炎といわれ、ステロイド軟膏などの
    薬をつけているけれどなかなか治らず、悪化している気もする。
  • 授乳中のお母さんが食べたもの(鶏卵、牛乳など)と、
    赤ちゃんの湿疹の出方に関連があるように感じる。

治りにくい湿疹が続いている場合は注意して

生後3カ月頃までに顔面から始まるようなアトピー性皮膚炎の症状がみられる赤ちゃんでは、食物アレルギーを合併していることがあります。
かかりつけの医師にアトピー性皮膚炎と診断され、ステロイド外用薬を塗ったり、皮膚を清潔に保ったり保湿に注意したりしても症状が2カ月くらい治らない、あるいはひどくなるような場合は、食物アレルギーを合併している可能性が考えられます。

アトピー性皮膚炎とは

かゆみのある湿疹が主な症状で、よくなったり悪くなったりをくり返すのが特徴です。顔や頭、首、口や耳の周囲、手足の関節の内側などにできやすいものです。赤ちゃんの場合はおむつかぶれやあせもなどもできやすく、見分けがつきにくいことがあります。気になる症状が続くときは早めに医師の診断を受けましょう。

原因となる食べ物は鶏卵、牛乳、小麦が大半

乳児の食物アレルギーの原因となるもので最も多いのは「鶏卵」で、次に「牛乳」、「小麦」です。
お母さんが食べた鶏卵や牛乳などのアレルゲンが原因となって、母乳を飲んでいる赤ちゃんの皮膚症状が悪化する場合があります。

湿疹が続く場合は離乳食開始前に受診を!

赤ちゃんの皮膚の状態が悪く、通院していても湿疹が治りにくいと感じたら、アレルギー専門の小児科医に診てもらいましょう。離乳食開始前に診てもらうのがベストです。
食物アレルギーをおこす食べ物があることに気付かずに離乳食を始めると、即時型食物アレルギーの症状が強く出てしまうことがあります。

受診から診断までの流れ

医療機関を受診した場合、問診や必要な検査などをして食物アレルギーかどうかを調べます。特に赤ちゃんのアトピー性皮膚炎に食物アレルギーが関与しているかどうかは、症状からはわかりにくいものです。一般的には以下のような流れで診断が進められます。

診断の流れ

食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎 診断の流れ

『厚生労働科学研究班による 食物アレルギーの栄養指導の手引き2011』より一部改変

①くわしい問診

小児科でくわしい問診ののち、適切なスキンケアとステロイド軟膏による湿疹治療を行います。

②食物除去試験

①でなかなか湿疹が改善してこない場合、授乳中のお母さんの食べ物が赤ちゃんの湿疹に関係していることを考え、原因と疑われる母親の食物(医師が判断する)を1〜2週間除去してもらい、湿疹が改善するか様子をみます。スキンケアと軟膏療法は続けます。

③食物経口負荷試験

お母さんが特定の食物を除去することにより赤ちゃんの湿疹が改善してきたら、その赤ちゃんは「食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎」の疑いがあると考えられます。さらに、お母さんが除去した食べ物を再び食べて(食物経口負荷試験)、赤ちゃんに母乳を飲ませ、湿疹が必ず悪化するようなら「食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎」と診断されることになります。

④診断の見直し

②で湿疹が改善しない場合や、③の食物経口負荷試験で湿疹が悪化してこない場合は、食物が関係していない可能性も考えられますし、必要に応じて原因と疑われた食物を見直します。

お母さんの食物除去は、完全除去となることは少なく(たとえば鶏卵が原因と疑われる場合、鶏卵そのものを除去するが、鶏卵を原材料の一部に使ったお菓子などの市販加工食品は食べてよいことが多い)、除去の期間も長く続くことはありません(数カ月以内)。湿疹などの皮膚症状が安定すると、離乳食を始める頃には赤ちゃんは母乳に含まれるような微量なアレルゲンではかゆみ・湿疹の悪化などを認めることが少なくなるためです。

除去する食物は自己判断せずに、必ずアレルギー専門医などの指示に従います。

皮膚の炎症をキレイに治すことが大切

アトピー性皮膚炎の皮膚は、健康な皮膚に比べてバリア機能が低下しているため、皮膚から物質などが侵入しやすい状態になっています。
バリア機能が低下している皮膚からごく微量の「食物アレルゲン」が侵入し、それが食物アレルギー発症の原因の一つになるのではないかという考え方もあります。
そのため、皮膚の炎症の治療やスキンケアを行って、皮膚のバリア機能を改善することが重要です。

アトピー性皮膚炎のスキンケアは…

医師の指導のもと、スキンケアをしっかりと行って皮膚の炎症を改善し、バリア機能を高めましょう。室内の清掃も心がけましょう。

スキンケアで大事なことは
「清潔」にすることと「保湿」です。

毎日入浴して汗や汚れを流しましょう。

汗や汚れは湿疹を悪化させる要因です。汗をかきやすい季節は1日に2回くらい洗い流しましょう。

石けんを手でよく泡立て、
ぬるめのお湯で、
やさしくなでるように洗いましょう。

石けんは薬用や香りの強いものではなく普通の石けんを使いましょう。
薬を塗っている場合は2度洗いを。

すすぎは石けんが
残らないよう、十分に
洗い流すことが大事です。
沐浴剤、入浴剤、
洗濯用柔軟剤などは
使用を控えましょう。
保湿剤やステロイド外用薬は、
入浴後皮膚が乾きすぎない
うちに塗りましょう。

保湿剤は必要以上につけると逆に症状をひどくすることもあるので注意を。

参考:『よくわかるアトピー性皮膚炎』大矢幸弘著/日本アレルギー協会発行冊子

食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎に関するQ&A

個別に当てはまらない場合があります。
くわしくは、医療機関を受診してください。

赤ちゃんのときに発症した食物アレルギーは、いつ頃治りますか?

乳児期に発症した食物アレルギーは、専門医のもとで適切な医療を受けることで、3歳頃までに5割、小学校入学頃までに8〜9割の人が治るといわれています。定期的に食物経口負荷試験を受けて、必要最小限の食物除去にすることが重要です。

赤ちゃんに食物アレルギーの症状がみられる場合、授乳中のお母さんの食事はどんな点に気をつけたらよいでしょうか?

赤ちゃんが食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎と診断された場合、母乳を与えているお母さんの食事の注意(原因食物の除去)が必要になりますが、完全除去を必要とすることは多くありません。診断の流れでお伝えしたように、たとえば鶏卵を除去する場合でも鶏卵を少量含む菓子やパンなどは食べてよいとされることが多いです。また、授乳中のお母さんの食物除去を長期間行う必要も基本的にありません。赤ちゃんが離乳食を始める頃にはお母さんの食物除去は解除されることが多いです。除去の範囲や期間は主治医に相談しましょう。

生まれてくる赤ちゃんが食物アレルギーを発症しないようにするためには、妊娠中や授乳中の食事は鶏卵や牛乳などを控えたほうがよいのでしょうか?

妊娠中の食事から鶏卵や牛乳など特定の食物を除去することで、生まれてくる赤ちゃんの鶏卵アレルギーや牛乳アレルギーの発症を防ぐことができるという科学的な根拠はありません。また、授乳中のお母さんが、赤ちゃんの食物アレルギー発症を予防するために鶏卵や牛乳などの食物摂取を制限することもすすめられていません。妊娠中も授乳中も栄養バランスのよい食事を偏りなく摂ることがなにより大事です。

食物アレルギーがある場合、離乳食の開始は遅らせたほうがよいですか?

食物アレルギーがあっても、離乳食の開始を遅らせる必要はありません。市区町村や病院が開催する母親学級などで指導される厚生労働省の指針(「授乳・離乳の支援ガイド」)に沿って、通常通りおかゆなどから始めましょう。医師から除去を指示された食物以外の食物は利用することができます。新鮮な食材をよく加熱して1さじずつ、赤ちゃんの体調のよいときに様子をみながら与えます。ただし、食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎の疑いがあるときには、まず医師の診断を受けて、皮膚の状態をよくしてから離乳食を開始しましょう。

まとめ 食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎

赤ちゃんの湿疹がなかなか治らない場合は、医療機関を受診してみましょう。まずは、赤ちゃんの皮膚の状態を改善してあげることが大切です。スキンケアとステロイド外用療法で湿疹が改善しない場合には、湿疹の悪化に食物が関係していないかを医師に診断してもらいます。
乳児期に発症した食物アレルギーは3歳頃までに約5割、小学校入学頃までに8〜9割の人が治るといわれています。