アレルギーには食物アレルギーをはじめ、アトピー性皮膚炎・金属アレルギーなどのさまざまな疾患があります。
アレルギー疾患は、大人よりも子どもに多く、ほとんどが小児期に発症します。
年々増加傾向にあり、文部科学省の調査結果では小中高校生の約20人に1人が食物アレルギーを抱えているという報告もあります。
アレルギーとは、
免疫反応が特定の抗原に対して
過剰に起こることをいいます
食物アレルギーとは、
食べ物に対する免疫の過剰な反応
食物アレルギーとは、特定の食べ物に含まれる「アレルゲン(アレルギーの原因となる物質。ほとんどはたんぱく質)」に「免疫」機能が過剰に反応してしまい、体にさまざまな症状をおこすものです。
「免疫」はもともと体に害となるものを排除する働きです。
通常は体の栄養源となる食べ物が消化され吸収されても反応しませんが、免疫機能や消化吸収機能になにかの問題があると、吸収された食べ物を害があるものとみなして排除しようとし、そのために多くの症状がおこるとみられています。
なお、食物アレルゲンは口から摂るだけでなく、吸入や皮膚接触、注射などの経路からも入ることがあり、いずれの経路でもアレルギー症状がおきた場合は食物アレルギーといいます。

多くは、
食物アレルゲンに対するIgE抗体が原因
体の中にアレルギーの原因となる物質「アレルゲン」が入ると、それを排除しようとして、免疫細胞の指令によって「IgE抗体」という物質(免疫グロブリンというたんぱく質の一種)が血液中に作られます。
「IgE抗体」は皮膚や粘膜(目、鼻、腸、気管支など)に存在する「マスト細胞」とくっついた状態でアレルゲン侵入に備えます。アレルゲンが体内に入るとIgE抗体がこれをとらえ、同時にマスト細胞からヒスタミン、ロイコトリエンなどの物質が放出されます。これが、かゆみや鼻づまり、息苦しさ、炎症などさまざまなアレルギー症状をおこさせるもとになります。
※ただし、「IgE抗体」が原因ではないアレルギーもあります(例:新生児・乳児消化管アレルギーなど)。

食物アレルギーは
このような症状が出ることがあります。
顔や全身の湿疹がひどく、
治りにくい

見られる年代
赤ちゃん
- 生後1〜3カ月頃から湿疹が顔をはじめとして体にも広がってきた。かゆそうで眠りが浅かったり、きげんが悪かったりする。
- お医者さんにアトピー性皮膚炎といわれ、ステロイド軟膏などの薬をつけているけれどなかなか治らず、悪化している気もする。
原因食物を食べたあと
(主に直後〜2時間以内)
にアレルギー症状が出る

多く見られる年代
赤ちゃん〜大人まで
- 食べたあとに、顔や身体にぽつぽつとじんましんが出てきた。
- 食べたあとに、のどがイガイガして、元気がなくなってきて嘔吐した。
- 食べたあとに、咳が出てきて、全身が赤くなって、息が苦しくなった。
※食べ物は粉ミルクや離乳食も含みます。
生の果物や野菜を食べると
口の中や周辺に
かゆみなどが出る

多く見られる年代
幼児期〜大人
- りんごやもも、洋梨など生の果物や野菜を食べたときに、口の中やのど、耳の奥などにかゆみや痛みを感じる。
食後に運動したとき、
重いアレルギー症状
が出る

多く見られる年代
学童期頃〜大人
- 子どもが学校で昼食後に激しい運動をしたら、じんましんやむくみ、咳が出てきて、呼吸も苦しそうになった。