知って!食物アレルギー

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食物アレルギー5つのタイプ | 即時型食物アレルギー

症状の例

多く見られる年代

赤ちゃん〜大人

  • 食べたあとに顔や体にポツポツとじんましんが出てきた。
  • 食べたあとにのどがイガイガして、元気がなくなってきて嘔吐した。
  • 食べたあとに咳が出てきて、全身が赤くなって息が苦しくなった。

*食べ物は粉ミルクや離乳食も含みます。

幅広い年齢にみられる即時型食物アレルギー

原因となる食べ物を食べて主に2時間以内(多くは食べた直後から30分間)に、皮膚や粘膜、消化器、呼吸器などに症状が現れるものです。
赤ちゃんから大人まで年齢を問わず発症しますが、最も患者数が多いのは0〜1歳で、年齢が上がるとともに患者数は減っていきます。

即時型食物アレルギーの年齢分布 〈食後1時間以内に症状が出て医療機関を受診した人の数〉

(図表)即時型食物アレルギーの年齢分布(食後1時間以内に症状が出て医療機関を受診した人の数)

『食物アレルギー診療ガイドライン2012』日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会作成より

幼児期には魚卵やピーナッツも発症の原因に

食物アレルギーの原因となる食べ物は、0歳児では鶏卵が最も多く、牛乳、小麦の3つで9割を占めています。
食生活の幅が広がる幼児期以降では、魚卵(いくらなど)やピーナッツ、果物、そば、甲殻類(えびやかに)などの食物アレルギーも報告されており(表参照)、原因食物の種類は多岐にわたります。

※下の表は、各年齢の患者で「初めて食物アレルギーを発症したケースの原因食物」を多い順に示したもので、各年齢の患者全体での原因食物の多い順ではありません。患者全体での原因食物の順位は、2〜3歳までは0歳児期と同様に1位鶏卵、2位牛乳、3位小麦です。鶏卵、牛乳、小麦は7〜19歳までは5位内に入っています。

即時型食物アレルギー 新規発症の原因食物〈年齢別の順位・1706症例の結果〉

(図表)即時型食物アレルギー 新規発症の原因食物〈年齢別の順位・1706症例の結果〉

消費者庁「食物アレルギーに関連する食事表示に関する調査研究事業」
「平成23年即時型食物アレルギー全国モニタリング調査結果」より一部改変

症状は皮膚症状が最も多い

症状で最も多くみられるのは、皮膚症状(かゆみ、じんましん、赤くなるなど)で、9割近い人にみられます。ほかに、咳、目のかゆみ、鼻水、吐き気や腹痛など、人によりいろいろな症状が現れます。ときにアナフィラキシーという重い症状が現れ、命に危険が及ぶこともあります。

即時型食物アレルギーで現れる症状

  • 皮膚の症状

    かゆみ、じんましん、むくみ、赤み、湿疹

  • 粘膜の症状

    目:充血、むくみ、かゆみ、涙、まぶたの腫れ

    鼻:くしゃみ、鼻水、鼻づまり

    口の周囲や中:違和感、腫れた感じ、のどのかゆみやイガイガ感

  • 呼吸器の症状

    のどが締めつけられる感じ、のどがむくむ感じ、声がれ、咳、ぜん鳴(ぜいぜい、ヒューヒュー)、息苦しさ

  • 消化器の症状

    腹痛、吐き気、嘔吐、下痢、血便

  • 全身の症状

    複数の症状が重なる(アナフィラキシー

    脈が速くなる、ぐったりする、意識がもうろうとする、血圧低下(アナフィラキシーショック

『厚生労働科学研究班による 食物アレルギーの診療の手引き2014』より一部改変

アナフィラキシーの疑いがある場合は、一刻も早く救急車を呼びましょう。
医師からアドレナリンの自己注射製剤(エピペン®)を処方されて携帯している場合は、医師の指示に基づいて使用します。

受診は早めに
自己判断で食物除去をしないように

上記のような症状が出て食物アレルギーではないかと気になるときは、早めに医療機関を受診しましょう。
食物アレルギーの診断は、次でお話しするようにくわしい問診、検査結果を参考にして、最終的には食物経口負荷試験の結果に基づくことが基本です。実際に食べて症状が出る食物だけを除去し、必要最小限の食物除去にとどめます。自己判断で食物を除去することはやめましょう。

受診から診断までの流れ

医療機関を受診した場合、問診や必要な検査などをして食物アレルギーかどうかを調べます。
一般的には以下のような流れで診断が進められます。

診断の流れ

即時型食物アレルギー 診断の流れ

『厚生労働科学研究班による 食物アレルギーの栄養指導の手引き2011』より一部改変

①くわしい問診と検査

くわしい問診ののち、食物アレルギーの原因と疑われる食物を推定し、血中抗原特異的IgE抗体検査、皮膚のプリックテスト(主に乳児)などを行います。

②食物経口負荷試験や食物除去についての検討

①の問診の結果や検査結果に基づき、食物経口負荷試験の実施について、また、食物除去または解除について、検討します。

③食物経口負荷試験

食物経口負荷試験は、専門の医療機関で、疑われる原因食物を実際に食べてみて症状が出るかどうかを確認する試験です。

1)食物経口負荷試験を行った結果、症状が出た場合はその食物の除去を続けます(それまでに食べられる範囲まで部分解除が許可されていれば、それを継続します)。その後は、患者さんの年齢などによりますが、約半年〜1年後に食物経口負荷試験を再び行います。

2)負荷試験で症状が出なかった場合は、負荷試験で食べた量までは部分解除となります。解除となった量を自宅でくり返し食べてみて、症状が出ないかを確かめます。定期的に食物経口負荷試験を受け、一定量まで食べられたら、完全解除となります。

血液検査(血中抗原特異的IgE抗体検査など)の結果だけでは食物アレルギーの診断はできません。確定診断のためには食物経口負荷試験を行うことが基本です。

乳幼児期に発症した鶏卵、牛乳、小麦などの食物アレルギーは成長とともにその多くが治っていきます。定期的に受診して食物経口負荷試験を受け、食べられる量が増えているか(解除が進むか)を確認しましょう。

即時型食物アレルギーに関するQ&A

個別に当てはまらない場合があります。
くわしくは、医療機関を受診してください。

複数の食物がアレルギーの原因になる場合はありますか?

お子さんによって複数の食物アレルギーがある場合もあります。年齢が低い頃は複数の食物にアレルギーがあっても、年齢が上がるにつれて治っていくことが多いので、除去食物は成長とともに減っていくことが多いです。

今1歳の子どもが食物アレルギーです。いつ頃治りますか?

乳児期や幼児早期に発症した即時型食物アレルギーは3歳頃までに約5割、小学校入学頃までに8〜9割の人が治ってくるといわれています。治ったかどうかは、食物除去を続けているだけではわかりません。1歳くらいから(離乳食が進んである程度の量をまとめて食べられるようになったら)、定期的に食物経口負荷試験を受けて、食べられる食物や食べられる量を増やすことを目指します。

食物アレルギーの治療によい薬はないですか?

食物アレルギーの治療薬は残念ながらありません。食物アレルギー対策の基本は、症状が出ないように原因食物を除去することです。誤食などで症状が出た場合に症状を緩和させる抗ヒスタミン薬やアドレナリンの自己注射製剤(エピペン®)、湿疹を改善するステロイド外用薬などは必要に応じて処方されます。

口腔免疫療法というものが注目されているそうですが、どういうものですか?

経口免疫療法とは、専門医の指示に基づき、原因食物を症状が出ない程度の量を摂取し続けることで体を慣れさせていく治療法です。ときに強い症状が出る可能性があり、一般診療として認められていないので、専門の医療機関でのみ行われています。自己流で行うことは厳禁です。治療の効果はまだ不明な点があり、さらなる研究が待たれるところです。

原因食物によって出る症状は違いますか?

アレルギーの症状は人によりさまざまです。たとえば、鶏卵アレルギーの場合に、皮膚に症状が出る人もいれば、消化器や呼吸器に症状が出る人もいますし、アナフィラキシーをおこす人もいます。症状から原因食物を推測することはできません。

まとめ 即時型食物アレルギー

「即時型食物アレルギー」は、原因となる食べ物を食べて主に2時間以内に症状が出るもので、症状は皮膚症状、目や口や鼻などの粘膜症状、消化器症状、呼吸器症状、全身症状であるアナフィラキシーなど多岐にわたります。食物経口負荷試験を受けるなどして必要最小限の食物を除去し、食べられる範囲を可能な限り広げていくことが大切です。乳児期や幼児早期に発症した即時型食物アレルギーは、3歳頃までに約5割、小学校入学頃までに8〜9割の人が治るといわれています。