監修・アドバイス

  • 独立行政法人国立病院機構 相模原病院臨床研究センター長 海老澤 元宏先生
  • 十文字学園女子大学 人間生活学部 健康栄養学科 准教授 林 典子先生 (元国立病院機構 相模原病院 臨床研究センター アレルギー性疾患研究部)

食物アレルギーをもつ本人への教育

食物アレルギーをもつ本人が言葉を理解し、他人とコミュニケーションをとれるようになってきたら、食物アレルギーをもっていること(何のアレルギーなのか)、除去の必要な食物を食べるとどのような症状が出るのか、などを教えることも大切です。また、なにか食べ物を食べる際には、必ず周囲の大人に除去の必要な食物が入っていないかを聞くように教えましょう。

家の中で気をつけること

加工食品の表示の確認

原因食物が含まれるお菓子などの加工食品を誤食(誤って食べること)しないよう、必ず食べる前に食品の原材料表示を確認する習慣をつけます。

料理や食品の管理

原因食物が含まれる料理や食品を、食物アレルギーをもつ本人の手の届かないところに置く、残ったものを放置しないなど、家族みんなで気を配ることも大事です。

調理や盛りつけ、食器の注意

家族全員の食事を作る場合は、先に食物アレルギーに対応した料理を作り、本人専用の器に入れてふたやラップをしておくと、家族の料理との混同を防げます。
食器類は、食物アレルギーの症状が重症でなければ、必ずしも本人用と他の家族用とを分けなくてもかまいませんが、本人専用の食器があるほうが、まちがって盛りつけたり食べたりする危険を減らせます。重症の場合は、箸やスプーンを含めて本人専用の食器を用意し、他の家族用と混同しないようにしておくと安心です。

台所や室内の清掃

使用した調理器具や食器は、丁寧に洗って片づける習慣をつけましょう。ふきん、調理台、コンロ、シンクの中なども食べかすの付着がないように清掃して、原因食物の混入を防ぎます。
原因食物の付着したごみ、空き容器(たとえば卵や牛乳の空きパック、クッキーの袋など)なども、本人の手に触れない場所に保管し、廃棄します。
また、食卓や床に落ちた食品に含まれるアレルゲンが皮膚や鼻などから体内に入り込んで症状が出ることもあるので、室内全体の清掃もまめに行いましょう。

家の外で気をつけること

家族以外の人への協力依頼

友だちや親せきの家などで誤食をしないよう、食物アレルギーであることを伝えて理解を求めます。食べてはいけない食物(加工食品も含めて)は、紙に書いて渡したり、食べられるものを持参するとよいでしょう。

外食料理などの注意

外食料理、店頭での対面販売の総菜や弁当やパン、菓子などの包装されていない食品は、アレルギー物質に関する表示義務がありません。使用材料が表示されていたとしても、お店の人にアレルゲンが含まれていないか確認しましょう。