2ヵ月の赤ちゃんの発育と発達
2ヵ月目になると、赤ちゃんの体重増加はやや落ち着きます。思ったように母乳が出なくても心配しなくて大丈夫。粉ミルクを利用するのも手です。
体重
体重の増加は、以前よりややペースが落ちてきます。1日平均で25~30gくらいが目安です。少し小さいようでも母子健康手帳の『身体発育曲線』に沿っているなら心配はありません。赤ちゃんが元気でよく動き、機嫌よく過ごしているなら大丈夫。赤ちゃんの発育・発達には個人差、つまり「その子なりのペース」があることを、知っておいてください。
体の機能
手足の動きがますます活発になり、首は前より力がついて抱いた感じがしっかりしてきます。腹ばいの姿勢のときに声をかけると、ゆっくり首を動かしたりすることもあります。そろそろ上下が分かれたベビーウエアを着せてあげても良い頃です。
少しずつ表情も出てきて、ママやパパがあやすとふんわりとしたほほ笑み返してくれたりもします。また、機嫌のいいときは「あー」「うー」などの声も出すようになります。これが「喃語(なんご)」で、言葉の原型でもあります。ですから意味はわからなくても「そう」「なに?」などと応えてあげましょう。語りかけは、赤ちゃんの心の発達のためにも大切です。
おっぱいが張らなくなってきた
この頃になると、「前はパンパンだった乳房が最近は張らない」と不安になるママも多くなります。でも、赤ちゃんに吸わせているとき、乳房の奥からツーッと乳汁が走る感覚があるなら心配ありません。これは、「赤ちゃんが吸うときに張る」というグッドリズムに変化してきた証拠です。
飲ませたのにすぐ泣く?
「飲ませたのにすぐ泣く、母乳が足りてないのかしら」と心配するママも多くいますが、この頃から赤ちゃんの泣きは「おなかがすいた」より「かまって」「抱いて」であることが多くなります。試しにちょっと抱いて、ベランダなどに出てあやしてみてください。それで泣きやむこともよくあります。
母乳または「明治ほほえみ らくらくキューブ」は1回につき120〜160mlを1日6回
母乳が出なくても責めないで!
がんばっているのに母乳が出ないというママもいますが、自分を責めることはありません。むしろ「これまで、よくがんばったね」と自分をほめてあげてください。
今の粉ミルクは品質がよく、栄養面では母乳とほとんど変わりません。それに、粉ミルクはパパでも授乳が体験できるというメリットもあります。赤ちゃんは母乳でも粉ミルクでも、元気に育っていきます。心配せず、自信を持って毎日を過ごしていきましょう。
うんち
以前はおむつを開けるたびに出ていたうんちの回数が少なくなります。「便秘かしら」と心配するママもいますが、これは赤ちゃんの消化機能が少し発達してきた証拠。中には3日に1回、どっとうんちを出す子もいますが「スムーズに出ている」「機嫌はいい」「おっぱいの飲みもいい」なら心配はありません。
スキンケア
まゆ毛やひたい、頭の中などにできた黄色いフケのようなものは「脂漏性湿疹」かもしれません。皮脂分泌の盛んな生後2~3ヵ月頃までの赤ちゃんによく見られるトラブルです。
これも基本は「清潔」ケア。石けんで洗ってもかまいません。かさぶた状になったものは、入浴前、ワセリン(薬局で売っています)やベビーオイルをつけてふやかしてから洗います。洗った後は、ベビーローションなどの保湿剤を塗ります。赤くなっているのは炎症を起こしている可能性があるので、この場合は小児科医か皮膚科医を受診しましょう。
外気浴
そろそろ外気浴も始めてみましょう。最初は抱いてベランダに出るなどから始め、慣れたら近所を軽くひとまわりしてみましょう。
ご指導いただいた先生
-
- 東京女子医科大学 附属遺伝子医療センター教授
(小児科教授兼任)
齋藤加代子先生
- 東京女子医科大学 附属遺伝子医療センター教授
関連記事
-
- 赤ちゃんのミルクの飲みが悪くなったと感じたら
- タイミングによっては思うようにミルクを飲んでくれないこともあるのではないでしょうか。今回はミルクの飲みが悪いときにミルクを飲んでもらう工夫についてご紹介します。
-
- 赤ちゃんも食中毒に気を付けましょう
- 赤ちゃんは大人と比べて細菌に対する抵抗力が弱いため食中毒になりやすく、症状(嘔吐、下痢、腹痛、発熱など)が出ると治りにくい傾向があります。離乳食は水分が多く薄味で、つぶしたり刻んだりすることから、細菌に汚染されやすく傷みやすいため衛生的に取り扱うことが重要です。食品の取り扱いや調理の際には「食中毒予防の3原則」を心がけ、赤ちゃんを食中毒から守りましょう。
-
- 保育園の入園に向けてミルクへの切り替えや生活リズムの調整は必要
- 保育園の入園を機会に、卒乳を考えるママもいらっしゃると思います。卒乳はしないで入園後は母乳とミルクを併用する、職場の環境や家庭の事情から完全に母乳をやめるなど様々です。保育園の方針もあるかと思いますので、保育士さんと相談しながら、なるべく希望に近い時期や方法を選ばれてはいかがでしょうか。