3ヵ月の赤ちゃんの発育と発達
3ヵ月目になると体格に個性が出てきます。母乳やミルクを飲む量が減る子もいますが、それは大脳が発達してきたから。お散歩もそろそろ始めてみましょう。
体重
生後3ヵ月の終わり頃には、体重も生まれたときのほぼ2倍になるのが目安です。といっても、この頃は赤ちゃんの体格の個性もはっきりしてきて、大柄な子、小柄な子、わりと差がついてくるものです。小さめでも母子健康手帳の『身体発育曲線』に沿っているなら心配ありません。
体の機能
赤ちゃんの“大きな”運動発達は、首、腰、足と徐々に体の下のほうへ進んでいきます。その最初のポイントになるのが首すわりです。3~4ヵ月の間に6割以上の子の首がすわってくるといわれ、抱くときにだいぶ安定感が出てきます。もちろん、まだ完全でなくても心配ありません。発達は「いま何ができるか」ではなく、「前と比べてどうか」と考えることが大切です。
両手を目の前で組み合わせたり、その手をしゃぶり始める赤ちゃんもいます。「指しゃぶり?」と心配するママもいますが、これは大脳が発達してきたからで、成長に必要なプロセスです。ぞんぶんにやらせてあげましょう。
睡眠と授乳のタイミング
3ヵ月を過ぎると、夜、少しはまとまって寝てくれる赤ちゃんも出てきます。授乳もうまくいけば4時間おきくらい、1日5~6回とだんだんペースができてきます。間隔があかないようなら、そろそろ意識してペースを作ってもいいでしょう。泣いたら抱いてあやす、白湯を飲ませる、昼間の授乳時間に寝ているようならほっぺをつつき、目覚めたらおっぱいを飲ませる、などをしてみるといいでしょう。
飲む量
この時期、おっぱいやミルクを飲む量が以前より減る子もいます。特に粉ミルクの場合、飲んだ量がはっきりわかるのでママは心配しますが、これも赤ちゃんの大脳が発達して、中枢から「満腹信号」が出るようになったためです。哺乳量が減るのは、どちらかというとこれまでの発育が順調だった子に多いようです。いずれにしても、機嫌よく元気に動いているなら心配はありません。
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赤ちゃんのお世話
生後3ヵ月頃、夕方になるとなぜか決まって泣き出す赤ちゃんがいます。これは「夕暮れ泣き」「たそがれ泣き」などと呼ばれるものです。何をしても泣きやまないのでママのほうが泣き出したい気分になってしまいますが、病気ではありません。理由はわかっていませんが、この泣きは世界の赤ちゃんに共通した現象で「3ヵ月コリック」とも呼ばれます。一時期のことなので、抱いてあやしてあげましょう。
お散歩
お散歩もそろそろ積極的に始めましょう。ベビーカーならこの月齢でもOKのタイプ(A型など)を確認しましょう。いつもと違う景色を見たり、気持ちのいい風に吹かれることで、赤ちゃんもご機嫌。ママにとってもいい気分転換になります。
3〜4ヵ月健診
3~4ヵ月健診も、忘れずに必ず受けましょう。赤ちゃんについての相談はもちろんですが、ママ自身のストレス、大変さなども遠慮なく医師に話してみてください。健診時、ポリオやBCGなどの予防接種が実施されることも多くあります。
ご指導いただいた先生
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- 東京女子医科大学 附属遺伝子医療センター教授
(小児科教授兼任)
齋藤加代子先生
- 東京女子医科大学 附属遺伝子医療センター教授
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