【助産師監修】赤ちゃん(新生児)の衣服は大人と同じ洗濯洗剤でも大丈夫?洗剤の選び方や注意点について

【助産師監修】赤ちゃん(新生児)の衣服は大人と同じ洗濯洗剤でも大丈夫?洗剤の選び方や注意点について

赤ちゃん(新生児)の衣服を大人と一緒の洗剤で洗濯してよいかわからない方も多いかと思います。今回は赤ちゃん(新生児)の衣服の洗濯方法や洗剤の選び方、注意点について紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

この記事の監修者

  • 氏名:古市 菜緒
    経歴:保有資格 助産師・看護師・保健師
    助産師として1万件以上の出産に携わり、講座の受講者は年間3万人を超える。企業の開発支援、産院のコンサルタント、国・自治体の母子保健関連施策などにも従事。株式会社バースリンク代表取締役、2児の母。

赤ちゃん(新生児)の衣服は大人と一緒に洗濯しても大丈夫?

新生児期(生後約1ヵ月間)の赤ちゃんの衣服は、大人の衣類とは分けて洗うことをおすすめします。

赤ちゃんの肌はとても薄くて弱く、まだ外からの刺激を防ぐ力が十分に育っていません。大人の衣類には化粧品、制汗剤などの成分が付いていますが、これが赤ちゃんの衣類に移ると、肌荒れやかぶれを引き起こすことがあります。特に生後1ヵ月までは肌がより未熟なため、別洗いをしてリスクを減らしましょう。

生後1ヵ月を過ぎて、赤ちゃんの肌が少しずつ丈夫になってきたら、様子を見ながら大人の衣類と一緒に洗濯をしてもよいでしょう。ただし、大人用洗剤をそのまま使うのは避け、赤ちゃんの肌に優しい洗剤を使うことが望ましいです。

赤ちゃん(新生児)の衣類を洗濯する際のポイント

赤ちゃんの衣類の洗濯は、清潔に保つ目的はもちろん、デリケートな肌を守るためにも重要です。特に新生児期は、肌への刺激を最小限に抑えた洗濯方法を心がける必要があります。以下のポイントに注意して洗濯をしましょう。

香料や柔軟剤を控える

赤ちゃんは大人よりも嗅覚が敏感で、大人にとってはよい香りの香料でも、赤ちゃんにとっては刺激が強すぎることがあります。また、柔軟剤には赤ちゃんの肌に合わない成分が含まれていることも多く、赤ちゃんの肌トラブルの原因になることも少なくありません。赤ちゃんの衣類は無香料・無添加の洗剤で洗い、柔軟剤は使わないか、赤ちゃん専用のものを選ぶとよいでしょう。

普段よりもすすぎと乾燥をおこなう

洗剤が衣類に残っていると、赤ちゃんが舐めてしまったり、肌に触れて肌荒れの原因になることがあります。洗剤が衣服に残らないよう、すすぎは2回以上おこなうのがおすすめです。また、生乾きは臭いやカビのもとになるため、しっかり乾燥させ、雑菌の繁殖を防ぎましょう。

汚れの度合いに応じて洗濯頻度を調整する

赤ちゃんの衣類は汚れやすく、肌がデリケートなため、洗濯頻度を調整して清潔に保つことが重要です。

通常の洗濯頻度は毎日、または1〜2日に1回が目安で、赤ちゃんの肌着やタオル、シーツなどは頻繁な交換が必要です。一方、うんちやミルクの吐き戻しなどひどい汚れの場合は、その日のうちに必ず洗濯してください。

洗濯頻度は汚れのレベルだけでなく、赤ちゃんの活動量や季節、衣類の替えの有無などによって柔軟に調整し、常に清潔な衣類を着せることを心がけましょう。

赤ちゃん(新生児)の洗濯洗剤を選ぶ際のポイント

ここでは、赤ちゃんの肌に優しい洗剤を選ぶための3つのポイントをご紹介します。

界面活性剤が少ないものを選ぶ

界面活性剤は、水と油をなじませ、汚れを落とす役割を持つ成分です。油汚れや皮脂汚れを効率よく落とせる反面、刺激が強すぎると肌のうるおいを守る皮脂膜まで洗い流してしまい、赤ちゃんの肌の乾燥やかぶれの原因になることがあります。特に新生児期は皮膚が薄く、水分を保持する力も弱いため、大人用の濃度の高い合成界面活性剤入り洗剤は刺激になりやすいのです。

しかし赤ちゃん用洗剤は、必要最小限の界面活性剤で洗浄力を確保し、なおかつ植物由来など肌に優しい成分を使っている場合が多く、安全性試験済みの商品もあります。「赤ちゃん用」「低刺激」「植物由来」と記載がある商品を選ぶとよいでしょう。

参照元:日本皮膚科学研究論文/界面活性剤の皮膚常在菌への影響

蛍光増白剤が入っていないものを選ぶ

蛍光増白剤は衣類を白く見せるために使われる成分で、紫外線を吸収して青白い光を放つ性質があります。これによって衣服の色が明るく見えるのですが、赤ちゃんの肌には刺激となる可能性が指摘されています。

赤ちゃんの肌は非常に繊細で、大人よりもアレルギーやかぶれのリスクが高いため、蛍光増白剤が残った衣類に直接触れることは避けたいところです。蛍光増白剤は洗濯しても衣類に残りやすく、何度洗っても完全には落ちにくい特徴があります。

赤ちゃんの衣類を洗う洗剤は、蛍光増白剤が含まれていない「無蛍光」表示のものを選ぶのが安心です。

成分表をしっかり確認する

洗剤選びで最も大切なのは成分表をよく見ることです。赤ちゃんの肌にとって刺激の強い成分や不要な添加物が入っていないかを確認しましょう。特に避けたいのは蛍光増白剤、合成界面活性剤、合成着色料、香料などです。これらは肌トラブルやアレルギーの原因になりやすいとされています。一方で、植物由来の成分や石けんベースの洗剤は肌に優しく、環境にも配慮されています。

「皮膚刺激テスト済み」や「アレルギーテスト済み」と表示されているものは、赤ちゃんの肌への安全性が確認されており、比較的安心して使える商品です。しかし、すべてのお子さんにアレルギー反応などが起こらないわけではないため、使用前に少量で試してみることをおすすめします。

赤ちゃん(新生児)の衣服が汚れたときの洗濯方法

赤ちゃんの衣服はさまざまな理由で汚れます。しっかり汚れを落とすには、汚れの種類やケースに応じた対処法を知っておくとより安心です。ここでは、それぞれの汚れに合わせた洗濯方法を紹介します。

母乳やミルク

母乳やミルクは、たんぱく質を含んでいるため、時間が経つと固着してしまい、汚れが取れにくくなります。放置する時間が長いと黄色いシミや黄ばみになりやすいため、早めの対処が必要です。

母乳やミルクで汚れたら、すぐに洗い流します。そのあと40度程度のお湯に、酵素系成分入りの液体洗剤を溶かし、汚れがある面を下にして、1〜2時間ほどつけ置きします。これにより、黄ばみの原因となるたんぱく質汚れを分解し、繊維への固着を防ぎます。つけ置き後、洗浄液ごと洗濯機に入れ、洗濯します。洗濯後は天日干しをすることで殺菌効果があり、黄ばみも分解されます。

よだれのシミ

よだれのシミも放置すると、時間が経つにつれて繊維に染み込んだ成分が酸化し、黄色いシミになることがあります。特に赤ちゃんのよだれにはカルシウムが含まれているため、早めに洗濯してください。

まず洗面器などに40度程度のお湯を張り、シミ部分に直接、液体洗濯洗剤(中性洗剤)をかけてなじませます。そして30分から1時間程度つけ置きします。時間が経って固着したシミは、何度かつけ置き洗いを繰り返すことで徐々に落とせます。そのあと、通常の洗濯物と同様に洗濯機で洗い、十分にすすぎます。頑固なシミには、重曹を使ってこすり洗いする方法も効果的です。

うんちやおしっこ

うんちやおしっこの汚れは時間が経つと雑菌が増えやすいうえ、色素やたんぱく質が繊維に固着してしまうため、放置するとシミや臭いの原因になります。また、熱いお湯で洗うと汚れがとれにくくなるため注意が必要です。

最初にトイレットペーパーなどで固形の便をやさしく拭き取ります。うんち汚れは、熱湯ではなく40度程度のお湯、または流水で洗い流します。おしっこ汚れも同様に洗いましょう。

揉み洗いをしたら、洗剤を使って洗濯します。汚れが落ちていない場合は、酸素系漂白剤を使ったつけ置き洗いを試してください。洗濯後は天日干しすることで殺菌され、黄ばみも分解されやすくなります。

赤ちゃんのうんちに関することは、「うんちに関するQ&A」もご参照ください。

関連記事:ほほえみクラブ うんちに関するQ&A

吐き戻し

赤ちゃんの吐き戻しには、母乳やミルクだけではなく胃酸も含まれているため、放置すると生地を傷め、シミにもなりやすいです。

赤ちゃんが吐き戻したら、できるだけすぐに汚れた部分を水で洗い流します。固形物はティッシュなどで取り除きます。すぐに洗えない場合は、40度程度のお湯に洗剤を溶かして1〜2時間つけ置きし、固着を防ぎます。そのあと、洗濯機で洗濯をします。洗い終わったら、太陽の光に当ててしっかり天日干しをすることで殺菌し、黄ばみを分解します。

新生児の吐き戻しについて詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。

関連記事:ほほえみクラブ【助産師監修】赤ちゃん(新生児)の吐き戻しの原因とは?対処方法や注意点について

飲み物や食べ物

食べこぼしや飲み物のシミは時間が経つと落ちにくくなるため、汚れたらできるだけ早く対処しましょう。汚れの性質(水溶性か油性か)を見極めて洗濯することがポイントです。
服の表面に固形物がある場合は、ティッシュなどで優しく取り除きます。強くこすると汚れが繊維の奥に入り込むため注意が必要です。

水溶性の汚れ(ジュース、醤油、スープなど)は、裏側にタオルを敷き、濡らした布巾などでトントンと叩いて、汚れをタオルに移します。そのあと、洗剤でつけ置きをしてから洗濯します。

油性の汚れ(ミートソース、チョコレートなど)は、先に水で濡らしてはいけません。洗剤や食器用洗剤を直接塗布し、歯ブラシなどでなじませてからしっかりすすぎます。そのあと、酵素系漂白剤を入れた40〜50度程度のお湯でつけ置きし、洗濯します。

汚れのパターンに応じて洗濯をおこないましょう

赤ちゃんの衣服の洗濯は、清潔さを保ちながら肌への刺激も考慮する必要があります。最初のうちは、赤ちゃんの衣服は大人のものと分けて洗い、肌に優しい洗剤を選びましょう。赤ちゃんの肌はデリケートなため、無香料・無蛍光といった刺激の少ない洗剤を選んでください。洗濯後は、しっかりとすすぎ、乾燥させることも大切です。汚れに応じた対処で、赤ちゃんの衣類を清潔に保つことが、肌トラブル予防につながります。

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