【助産師監修】離乳食の進め方とは?月齢別・隔週のスケジュールやNG食材について

【助産師監修】離乳食の進め方とは?月齢別・隔週のスケジュールやNG食材について

初めての離乳食は不安がいっぱいですよね。この記事では、離乳食の進め方を生後5ヵ月から18ヵ月までの隔週スケジュールで丁寧にご紹介します。あわせて与えてはいけない食材や、うまく食べてくれないときの工夫、よくある質問にもお答えします。

この記事の監修者

  • 氏名:古市 菜緒
    経歴:助産師・看護師・保健師
    助産師として1万件以上の出産に携わり、講座の受講者は年間3万人を超える。企業の開発支援、産院のコンサルタント、国・自治体の母子保健関連施策などにも従事。株式会社バースリンク代表取締役、2児の母。

離乳食の進め方スケジュール【月齢別・隔週】

離乳食を始める時期の目安は、生後5~6ヵ月頃です。赤ちゃんの首がしっかりすわり、おすわりできるようになったらスタートのサインと考えましょう。ここでは、離乳食の進め方について、4つの時期にわけて説明します。

始め方のタイミングなどについてより詳しく知りたい場合は、以下もご覧ください。

関連記事:ほほえみクラブ 【助産師監修】離乳食はいつから始める?目安時期と月齢別の離乳食の内容について

5~6ヵ月頃(ゴックン期)

赤ちゃんが離乳食を初めて口にする時期です。最初は少量から始めましょう。

1~2週目は、なめらかなペースト状にした10倍がゆを用意し、小さじ1からスタートします。1日1回、午前中にあげるのが望ましいです。赤ちゃんの様子を見ながら、食べられる量を徐々に増やします。

3〜4週目は、にんじんやかぼちゃなど、甘みのある野菜ペーストを追加します。少量ずつ、つぶした豆腐や白身魚、卵黄などのたんぱく質も取り入れてみましょう。新しい食材は1日1品目ずつ、少量から始めてください。母乳やミルクは今まで通り与えて問題ありません。

7~8ヵ月頃(モグモグ期)

食べられる量が増えてくる時期です。食材の種類や固さも変化させていきましょう。

1〜2週目は、食事回数を午前と午後で1日2回にします。7倍がゆ、やわらかく茹でた野菜や果物など使える食材が増えてきます。なめらかなペーストから、少し粗さを残した形へステップアップし、舌でつぶせる固さ(豆腐くらい)を目安にしましょう。

3〜4週目になったら、十分に加熱した全卵を少量から与えてみます。鶏ひき肉・鮭・まぐろなど、たんぱく質の種類も増やしてください。食材は2〜4㎜程度の細かい刻みにします。食べる量が増えてきたら、母乳やミルクの量を調整しましょう。

9~11ヵ月頃(カミカミ期)

歯が生えてきて、噛む練習をする時期です。自分で食べる楽しみを見守りましょう。

1〜2週目は1日3回食へチャレンジします。5倍がゆから軟飯に移行していき、バナナくらいの固さに茹でた食材は角切りにしてください。

3〜4週目は、赤ちゃんの様子に合わせて角切りの大きさを少し大きめにします。味付けは不要、またはごく薄味を心がけてください。自分で食べる意欲を育てるため、手づかみ食べの練習を取り入れるのがおすすめです。食べこぼしが多くなりますが、発達の証拠なので見守りましょう。

12~18ヵ月頃(パクパク期)

大人の食事に近づいていきます。食事のリズムを整えていきましょう。

1〜2週目は、肉団子くらいのやわらかさの食材を1㎝角程度に切ります。ごはんは軟飯から普通のごはんへ徐々に移行できます。大人の食事を薄味にして取り分けることも可能です。

3~4週目は、自分の手で食材をつかみ、前歯でかみ切ることを練習します。味付けは大人より薄めにしつつ、油や調味料を少しずつ使い始めましょう。1日4~5回(食事3回+おやつ1~2回)の食事リズムを整え、生活リズムも規則正しくしていきます。卒乳や乳児用ミルク卒業のタイミングは赤ちゃんによって個人差があるため、焦らず進めてください。

参照元:厚生労働省/授乳・離乳の支援ガイド

離乳食で与えてはいけない食材はある?

赤ちゃんに初めて離乳食を与えるとき、何に気をつけたらいいのか、不安もあるでしょう。 安全に離乳食を進めるためにも、絶対に与えてはいけない食材、注意が必要な食材について知っておくことが大切です。 ここでは、離乳食で特に注意したい食材をご紹介します。

はちみつ

1歳未満の赤ちゃんには、はちみつを与えないようにしましょう。はちみつには「ボツリヌス菌」が混じっていることがあり、赤ちゃんが食べると便秘や全身の筋力低下などの「乳児ボツリヌス症」を起こすリスクがあります。
ボツリヌス菌は熱に強いので、通常の加熱や調理では死滅しません。はちみつだけではなく、はちみつ入りの飲料・お菓子などの食品も与えないようにしましょう。

参照元:厚生労働省/ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。

喉に詰まらせやすい食材

餅や団子、こんにゃくゼリーといった弾力があって噛み切りにくい食材を赤ちゃんに与えてはいけません。これらの食材は、噛む力や飲み込む力が未熟な赤ちゃんの喉に詰まりやすく、窒息する危険があります。

特に餅は、食べられるのは3歳頃からが目安とされています。それまでは安全のために控えましょう。また、ミニトマトやぶどうなど丸くて表面がつるっとした食べ物も、そのままだと喉に詰まる可能性があります。必ず小さく切ってから与えてください。

固くて噛みくだけない食材

ナッツ類や生ニンジン、イカ、タコなどの食感が硬い食材も、赤ちゃんに与えることは避けてください。なぜなら、赤ちゃんは噛む力や飲み込む力が未熟だからです。

特にナッツ類は固いだけでなく、気管に入りやすい形状をしているため危険です。ナッツ類の場合、5歳頃までは避けるのが望ましいとされています。生野菜を与える場合は、十分にやわらかく茹でるか、すりおろして与えるようにしましょう。

赤ちゃん用ではない市販のお菓子

赤ちゃん用ではない市販のお菓子は、塩分や糖分、油分が多く、添加物も含まれるため、赤ちゃんの身体にとって負担です。与えないようにしましょう。赤ちゃんの腎臓や肝臓が未熟なため、過度な負担をかけてしまう可能性があります。

また、濃い味に慣れてしまうと、離乳食を食べなくなる原因にもなります。お菓子を与える場合は、必ず赤ちゃん用として作られたものを選びましょう。

離乳食の進め方の工夫【月齢別】

離乳食はすべての赤ちゃんが同じペースで進むわけではありません。月齢や個性によって好みや食べる量もバラバラなので、離乳食を無理なく続けるには、赤ちゃんの成長に合わせて工夫することが大切です。ここでは月齢ごとの進め方のポイントを紹介します。

5~6ヵ月頃:食べてくれなくても大丈夫

一般的に生後5ヵ月〜6ヵ月が離乳初期と言われていますが、赤ちゃんによって差があります。首がしっかりすわる、寝返りができる、お座りができる、また食べ物を見せると食べたそうにする、手にしたものを口へ持っていく動作をするといったサインが見られたら離乳食をスタートします。

離乳食を始めたばかりの5~6ヵ月頃は、歯が生え揃っておらず、消化機能が未発達のため、食材を粒が残らないくらい丁寧に擦りつぶして、温度は人肌にするのがポイントです。赤ちゃんが食べることに慣れる時期なので、食べてくれなくても大丈夫です。飲み込む練習や新しい味に慣れるための段階であり、赤ちゃんが拒否したり、口から出すことはよくある反応なので、無理に食べさせる必要はありません。まずはスプーンで口に運ぶことに慣れさせることが大切です。

また、この時期は母乳やミルクから十分な栄養をとれているので、焦らずに様子を見ましょう。赤ちゃんによっては、スプーンを舌で押してくることがあります。そのように食べる意欲がないときは、数日お休みしてから再び試してみてもよいでしょう。機嫌のよいタイミングで、親子が楽しい雰囲気で進めることが望ましいです。

7~8ヵ月頃:食材の固さや大きさを工夫する

この時期は、食材の固さや大きさを工夫しましょう。赤ちゃんは舌を上下に動かして食べ物をつぶせるようになってきます。しかし、食材が固すぎたり、大きすぎたりするとうまく食べられず、丸飲みしたり口から出してしまうこともあります。

目安としては、絹ごし豆腐くらいのやわらかさがおすすめです。もし食べにくそうなら、水分や片栗粉でとろみをつけると食べやすくなります。また、色とりどりの野菜を使ったり、形を工夫したりすることで、赤ちゃんの食欲を引き出すのもいいでしょう。赤ちゃんの様子を見ながら、少しずつ固さや大きさを調整してあげてください。

「昨日はよく食べたのに、今日はまったく食べなかった」といった食べムラもよくみられます。無理強いをせず、食事の時間帯はなるべく一定にし、リズムを乱さないように心がけましょう。

9~11ヵ月頃:食べるときと食べないときがある

奥歯の歯ぐきで食材をつぶすことを覚える時期です。1日3回食になり、赤ちゃんによっては大人と同じテーブルで食べることもできます。食べられるものが増えますが、食べないものは無理矢理あげないようにしましょう。

自分の興味や気分で食べたり、手で触ったり投げたりすることも増えますが、これは赤ちゃんが成長している証拠です。昨日はよく食べたのに、今日はあまり口にしないこともよくあります。こうした変化を気にしすぎず、手づかみ食べを取り入れて、赤ちゃんが自分で食べる楽しさを感じられるようにしてあげましょう。

スティック状のやわらかい野菜や、小さなおにぎりなど、握りやすく工夫した食材がおすすめです。服や周りが汚れても大丈夫なように、エプロンやレジャーシートを用意して、楽しい食事の時間を作りましょう。

12~18ヵ月頃:食べムラ・栄養不足に対策する

食べムラは12〜18ヵ月頃にもよく見られる現象です。この時期は、自我が強くなり、好き嫌いもはっきりしてきます。好きなものだけ食べて、嫌いなものは拒否することも珍しくありませんが、これは成長の一つの段階なので、あまり気にしすぎなくて大丈夫です。

栄養バランスが気になると思いますが、栄養は一日の食事だけで完璧に取る必要はなく、数日から1週間の間にバランスよく摂れていれば問題ありません。嫌いなものは調理法を変えたり、好きなものと組み合わせてみたりと、子どもが食べやすい工夫をしてみましょう。

また、生活リズムを整え、食事の時間を決めることも大切です。離乳食だけでは不足しがちな栄養素については、フォローアップミルクなどを活用するのもおすすめです。ゆったり気長に、赤ちゃんのペースに合わせて進めていきましょう。

離乳食の進め方に関するよくあるQ&A

離乳食の進め方について、ママ・パパからさまざまな不安や疑問が寄せられます。ここでは、離乳食の進め方に関するよくある質問にお答えします。

食物アレルギーが心配......

食物アレルギーを心配するあまり、離乳食の開始を遅らせる必要はありません。むしろ、適切な時期に適切な方法で食材を導入することが大切です。初めての食材を与えるときは、必ず少量(小さじ1程度)から始めましょう。

また、万が一アレルギー反応が出たときにすぐに病院を受診できるよう、平日の午前中に新しい食材を試すことをおすすめします。アレルギー症状が出た場合は、その食材の摂取を中止し、医師に相談しましょう。家族にアレルギー体質の方がいる場合や、すでに何らかのアレルギーがある赤ちゃんの場合は、事前に専門医に相談することをおすすめします。

また赤ちゃんのアレルギーについては、こちらの記事でわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:ほほえみクラブ 赤ちゃんの食物アレルギーについて知りたいママへ

ベビーフードはいつから使える?

ベビーフードは離乳食開始時から使用できます。各月齢の赤ちゃんに適したさまざまなベビーフードが市販されており、忙しいママの離乳食作りの負担を大幅に軽減してくれるでしょう。

ただし、使用する際はいくつかの注意点があります。まず、赤ちゃんにあげる前に、ママが一口食べて味や固さを確認しましょう。開封後はすぐに使い切り、作り置きはしないようにしましょう。外出時や体調が優れないとき、忙しいときの強い味方として、上手に活用してください。

参照元:厚生労働省/授乳・離乳の支援ガイド

たんぱく質や脂質はどれくらいあげる?

赤ちゃんは胃腸が未発達なので、たんぱく質の分解や脂質の消化が苦手です。しかし、成長に必要な栄養素でもあるため、むやみに減らさず適切な量を与える必要があります。

離乳食初期では、たんぱく質は小さじ1程度から始め、段階的に増やしていきます。豆腐、白身魚、鶏肉などを順番に試していきましょう。脂質については、離乳食では基本的に控えめにし、バターや油を使う場合は少量に抑えます。ただし、魚の油など良質な脂質は赤ちゃんの脳の発達に欠かせません。月齢に応じた適切な量を守り、様子を見ながら進めていきましょう。

赤ちゃんのペースを大切にして離乳食を進めよう

離乳食は赤ちゃんにとって「食べる」ことを学ぶ大切な時期です。スケジュール通りに進まなくても、食べてくれない日があっても、それは決して失敗ではありません。赤ちゃん一人ひとりに個性があり、成長のペースも異なるからです。

大切なのは、赤ちゃんの様子をよく観察し、そのサインに合わせて進めることです。無理やり食べさせることはせず、食事の時間を楽しいものにしてあげましょう。

離乳食が順調に進まないときや栄養バランスが気になる幼児期は、フォローアップミルクを活用しましょう。フォローアップミルクとは、離乳期から幼児期にかけて不足しやすい栄養を補う役割があり、乳幼児期に必要な栄養素が多く含まれております。
明治ステップ」とは、離乳食だけでは不足しがちな鉄やカルシウムなどの栄養素をバランス良く配合したフォローアップミルクで、1歳から3歳頃までの赤ちゃんの成長をしっかりサポートします。ぜひご活用ください。

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