9ヵ月の赤ちゃんの発育と発達
9ヵ月目の赤ちゃんは、ますますはいはいが盛んになります。離乳食も安定しているなら3回食にしてみましょう。不足しがちな鉄分は粉ミルクでも補えます。
体の機能
はいはいはますます盛んになります。いわゆる「よつんばい」だけでなく、ひじで前に進む「ひじばい」、お尻を高く持ち上げて進む「高ばい」、片足だけ曲げて進む「変わりばい」など、スタイルはこの時期でもさまざまです。
9ヵ月~10ヵ月ごろ、つかまり立ちを始める赤ちゃんも多くなります。最初は両手でつかまっていますが、やがて片手を離すことができるようになります。「太りすぎ」「やせすぎ」を気にするママも多いのですが、コロコロ体型の赤ちゃんは、この時期がコロコロ最高潮でしょう。はいはいやつかまり立ちが始まって運動量が多くなれば、自然に体もひきしまってきます。また小柄でも、元気よく遊んでいるなら心配はありません。
感情表現
「ブブブ」「バババ」など、唇をつかった声も盛んになります。盛んに意味のない言葉を発するようにもなり、表情もいっそう豊かになります。大人の言うことを何となく察したり、顔色をうかがうような感じも出てきます。また「ばいばい」など簡単な動作を理解して、まねする子も出てきます。
離乳食は3回食に
離乳食は、食べる量が安定してきて、おっぱいやミルクが以前より減ったように感じるなら、そろそろ3回食に進んでもいいでしょう。
食べるとき、上下のあごを動かしてすりつぶしてゴックンしているなら、調理形態もステップアップ、かたさの目安は「バナナ」です。ただ、これも教科書通りには進まないことがほとんどです。赤ちゃんの様子を見ながら、少しずつ慣らしていきましょう。食後のおっぱいやミルクはこれまで通り、欲しがるだけ飲ませてかまいません。
不足しやすい鉄
3回食に進んだら栄養の半分以上は離乳食からとるようになるのが理想ですが、鉄分、カルシウム、ビタミン類などは離乳食からはとりにくいものです。特に鉄は不足しやすく、鉄欠乏性貧血になる赤ちゃんも少なくありません。
「授乳・離乳の支援ガイド」では調理にも牛乳ではなく粉ミルクを使うことが勧められていますが、これは牛乳にほとんど鉄分が含まれていないからです。母乳のママも、母乳はそのまま与えながら離乳食に乳児用粉ミルク(明治ほほえみ)を使用するといいでしょう。
母乳または明治ほほえみは1回につき200mlを5回、離乳食は3回母乳の代わりとして1歳のお誕生日までは「明治ほほえみ」を飲ませてあげることをお勧めします。
赤ちゃんのお世話
つかまり立ちをするようになると、赤ちゃんの手の届く範囲も以前より広がり、事故予防が重要になります。テーブルクロスを引っ張って、上にあったものをひっくり返したり、熱いスープを頭からかぶってしまうことも少なくありません。階段や玄関など段差のあるところはこの時期までに柵をつけましょう。またベランダから転落することもあるので、踏み台になるようなものを置かないことが大切です。
お出かけ
外出するときも、注意が必要です。ベビーカーに乗せていた赤ちゃんがいきなり立ち上がろうとしてベビーカーごとひっくりかえるということもあります。特に電車などを使うときは気をつけましょう。また、赤ちゃんを車に乗せるときは必ずチャイルドシートを使ってください。
ご指導いただいた先生
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- 東京女子医科大学 附属遺伝子医療センター教授
(小児科教授兼任)
齋藤加代子先生
- 東京女子医科大学 附属遺伝子医療センター教授
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