【医師監修】赤ちゃん(新生児)の爪切りはいつから始める?頻度やコツについて
赤ちゃん(新生児)の爪切りはいつから始めて、どのくらいの頻度でおこなうのかわからない方も多いかと思います。今回は赤ちゃん(新生児)の爪切りを始める時期や頻度、コツについて紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
この記事の監修者
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- 氏名:野田慶太
- 経歴:保有資格 医師・小児科専門医
- 小児科医として子どもの病気の診療に当たるだけでなく、救急医として子どものケガの診療にも当たっている。また、5人の子どもの父でもあり、現在も育児に当たっている。
赤ちゃん(新生児)の爪切りはいつから始める?
「新生児の爪はまだやわらかいから切らなくても大丈夫」と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそうではありません。生まれたばかりの赤ちゃんでも、爪は意外と鋭く、伸びるのも早いのです。
新生児の爪は、大人の爪のように硬くはありませんが、薄いプラスチックのように鋭いことがあります。鋭い爪で顔や体をひっかいて傷つけてしまうことも少なくありません。特に、動きが活発になってくる生後1ヵ月頃からは、ひっかき傷が増えやすい傾向です。
そのため、爪切りは生まれてすぐ始めても問題ありません。赤ちゃんの爪が少しでも伸びていると感じたら、ひっかき傷を防ぐためにも爪切りを始めましょう。
赤ちゃん(新生児)の爪切りの頻度とタイミング
赤ちゃんの爪が伸びるスピードは、個人差がありますが、大人の約2倍といわれています。そこで手の爪は1週間に2〜3回程度、足の爪は1ヵ月に1回程度の頻度で、こまめに切ってあげるのがおすすめです。指から1mm以上爪が伸びていたら切るようにしましょう。
爪切りをするタイミングは、赤ちゃんがぐっすりと寝ているときが最も適しています。寝ている間は手足の動きが少ないため、安全に爪を切ることができます。授乳後や抱っこで寝かしつけたあとなど、機嫌のよい時間帯を選んでみましょう。もし寝ている間の爪切りが難しい場合は、授乳中などの赤ちゃんが機嫌のよいタイミングを狙うのも一つの方法です。
赤ちゃん(新生児)の爪切りの種類
赤ちゃんの爪切りには、いくつかの種類があります。それぞれの特徴を理解して、ご自身の使いやすいものを選びましょう。
ハサミタイプ
先端が丸く、刃が小さく作られているハサミタイプは新生児の小さな爪にぴったりです。爪の状態を確認しながら、少しずつ丁寧に切ることができます。生まれてすぐのやわらかい爪にも使いやすいです。
クリップタイプ
大人が使う爪切りを小さくしたような形です。パチンと一回で切れるため、素早く爪を処理できます。ただ、新生児の爪は非常に小さくやわらかいため、爪を切る際に爪が飛び散りやすく、深爪にもなりやすいです。クリップタイプは、ある程度爪がしっかりしてくる、生後3ヵ月以降が適しています。
爪やすり
電動や手動の爪やすりも市販されています。爪を削って整えるため、爪切りよりも安全性が高いです。爪切りのあとにやすりで角を取ることもできます。ただ、爪を切るのに時間がかかるので、動きが活発な赤ちゃんには向かない場合もあります。
いくつかのタイプを試してみて、赤ちゃんやご自身の使いやすいものを見つけてみてください。
赤ちゃんの爪切りの手順とは?
新生児の爪切りに不安を感じるかもしれませんが、手順を守ることで安全におこなうことができます。
赤ちゃんを寝かせて頭側に座る
赤ちゃんを仰向けに寝かせ、ご自身は頭側に座りましょう。赤ちゃんの爪がよく見え、手足の動きも抑えやすくなります。
赤ちゃんの手の平を下向きにして、しっかり抑える
赤ちゃんの手のひらを下向きにして、利き手ではないほうの手で、赤ちゃんの指全体をしっかり包むように持ちましょう。赤ちゃんが急に手を動かしても、指がぶれにくくなります。
爪を切る指をつまんでしっかり固定して切る
爪を切る指を、親指と人差し指でそっとつまんで固定します。このとき、赤ちゃんの指の腹の部分(爪の下にあるやわらかい部分)を少し下に押さえるようにすると、爪と皮膚の境目を確認しやすく、誤って皮膚を切ってしまうのを防げます。
爪は、指の丸みに沿ってカーブするように切るのが基本です。ただし、深爪にならないよう、爪の白い部分を少し残しましょう。
赤ちゃん(新生児)の爪切りをする際のポイントとコツ
安全に爪切りをおこなうポイントとコツをお伝えします。
怖がらない
保護者の方が「怖い」「緊張する」という気持ちでいると、その不安が赤ちゃんにも伝わってしまい、怪我につながるかもしれません。リラックスして、落ち着いた気持ちでおこないましょう。
何回かに分けて爪を切る
赤ちゃんが長時間じっとしていることは難しいです。そのため、「一度に全部切らないといけない」と思う必要はありません。指1本ずつでも構いません。赤ちゃんがぐずり始めたら、無理せず中断し、機会を改めましょう。
爪の白い部分を残す
深爪は赤ちゃんの指を傷つけてしまうだけでなく、化膿の原因にもなります。爪の白い部分を少し残すように意識して切りましょう。
特に足の爪は、巻き爪を防ぐためにスクエアオフ(角が丸い長方形のイメージ)がよいとされています。
複数の人に協力してもらう
パートナーや親、他の家族など複数の人に協力してもらうのもよいでしょう。一人が赤ちゃんの手足を抑え、もう一人が爪を切るなど役割を分担すれば、より安全かつスムーズです。
明るい場所で切る
赤ちゃんの小さな爪は見えにくいことがあります。部屋の電気をつけたり、窓際で日光の入る場所を選んだりして、明るい場所でおこないましょう。
お風呂上りは爪切りを避ける
「お風呂上りは爪がやわらかくなって切りやすい」という声も聞きますが、赤ちゃんの爪はもともとやわらかいため、ふやけていると皮膚と爪の境目がわかりにくく、かえって深爪になってしまう可能性があります。また、お風呂上りは眠たくなる赤ちゃんが多いため、機嫌を損ねてしまうことも考えられます。お風呂に入る前や授乳後など、赤ちゃんがリラックスしているタイミングを選びましょう。
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もし赤ちゃんの爪切りに失敗してしまったら?
どれだけ注意していても、爪切りに失敗して赤ちゃんの指を傷つけてしまうこともあります。そんなときのために対処法を知っておきましょう。
出血してしまった場合
出血してしまった場合、まずは水でしっかりと洗いましょう。そのあとは清潔なガーゼやコットンで優しく押さえて止血します。
赤ちゃん用の爪切りに付属していることが多い「爪切りバッファー(小さなヤスリ)」やティッシュなどで強く押さえたり、テープを貼ったりするのは、赤ちゃんが口に入れてしまう危険があるため避けましょう。また、消毒液の使用は肌荒れの原因になることも多いため、使用はおすすめできません。
出血が止まらない場合や傷口が深い場合は、かかりつけの小児科医や皮膚科に相談してください。
深爪になってしまった場合
深爪になると、赤ちゃんの指が腫れてしまったり、化膿したりすることがあります。深爪になってしまった指はしばらく爪切りを避けて、自然に伸びてくるのを待ちます。雑菌が入らないよう、できるだけ触らないようにしましょう。
赤ちゃんの指が赤く腫れてきた、膿が出ているといった症状が見られた場合は、早めに小児科を受診してください。
適切な方法と注意点を抑えて、爪切りをおこないましょう
赤ちゃんの爪切りは、最初はとても緊張し、不安を感じるかもしれませんが、赤ちゃんのデリケートな肌を傷から守り、健やかな成長をサポートするためには非常に大切なケアです。
今回は、生まれてすぐから爪切りできること、手の爪は週2~3回、足の爪は月1回を目安に、赤ちゃんがぐっすり眠っているときが最適なことをご紹介しました。また赤ちゃんの爪切りはハサミタイプが特におすすめです。
爪切りは、赤ちゃんの手足に優しく触れながら、コミュニケーションをとる大切な時間でもあります。何か不安なことや気になることがあれば、いつでもかかりつけの小児科医にご相談ください。
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