みかん畑
みかんは温暖な気候の土地でよく育ち、早生という早く熟す品種は9月頃から熟します。夏に出回るのは温室栽培のみかん(ハウスみかん)です。
寒さが増してくると、橙色に熟れたみかんが店頭にたくさん並ぶようになります。みかんと同じミカン科の果物をかんきつ類といい、さまざまな種類があります。
最近は1年中、国内外のさまざまな果物が売られていますが、日本人にとって冬の代表的な果物といえば、みかんやりんごです。みかんは温州みかんともいう日本の特産品で、和歌山県、愛媛県、熊本県、静岡県、長崎県など、西日本で多く栽培されています。皮を手で楽にむける手軽さと、やさしい香りや甘さが特徴です。
以前は、私たち日本人はみかんをおやつや食後に今よりもっと食べていました。毎日何個も食べ続けて手などの皮膚が黄色くなる人もよくいました。これはみかんに含まれる色素β‐クリプトキサンチンの影響によるもので、しばらくたてば元に戻ります。
β‐クリプトキサンチンは体の中でビタミンAに変わり、鼻やのどなどの粘膜や皮膚の健康を保つ働きがあり、かぜの予防に役立ちます。ほかのかんきつ類などにも含まれていますが、みかんには特に豊富に含まれています。
みかんは温暖な気候の土地でよく育ち、早生という早く熟す品種は9月頃から熟します。夏に出回るのは温室栽培のみかん(ハウスみかん)です。
白い筋や袋にはヘスペリジンという成分が含まれ、血管を強くする働きなどがあるといわれています。外側の皮は乾燥させると陳皮という漢方薬になり、七味唐辛子にも使われています。
みかんのほかにも、かんきつ類にはいろいろな種類があります。冬に熟すものには、きんかんやゆずがあります。きんかんは、果肉より皮がおいしく、そのまま食べるほかに砂糖漬けや甘露煮などによくします。古くからせきやのどの痛みをしずめる働きがあるといわれ、のどあめでもおなじみです。
ゆずは酸味が強いのですが、独特の香りが高く、皮や果汁を料理やお菓子、調味料や飲み物などに使います。ゆずなどのかんきつ果汁をしょうゆと混ぜると、手作りのポン酢しょうゆができます。
また、昔から冬至(1年のうちで最も昼の時間が短い日。12月22日頃)には、ゆずをおふろに浮かべた「ゆず湯」に入ると、かぜをひかないといわれています。
春先から出回るかんきつ類もたくさんあります。温州みかんに似ているぽんかん、濃いオレンジ色の清見オレンジ、上部がボコっと盛り上がった不知火、薄皮をむいて食べる伊予かん・はっさく・甘夏、白いわたも食べられる日向夏、大きくて皮の厚い文旦(ざぼんともいい、2kgほどあるものもあります)など、形や大きさ、色、味もさまざまです。新しい名前の交配種(異なる種類同士を受粉させて作り出した品種)もいろいろ開発されています。愛媛県は、かんきつ類の種類も生産量も日本一です。
グレープフルーツやオレンジやレモンは、ほとんどが海外からの輸入品で、1年中出回っています。
白いわたの部分も苦味が少なく、ジューシーな実と一緒に食べられます。
実がぶどう(グレープ)のようになることから、その名前がついています。アメリカのフロリダ州が大産地です。果肉の色は薄黄色やピンク色、ルビー(赤)色があります。
かんきつ類には、ビタミンCやβ‐クリプトキサンチン、カリウムなどの栄養も豊富です。
そのまま食べるほかに、薄皮から出してサラダやあえ物、おすしなどに混ぜたり、肉や魚料理のソースにしたり、ゼリーなどのお菓子にしても、さわやかな味や香り、色が楽しめます。
薄皮から出したみかんを、白菜とともにヨーグルト入りマヨネーズであえた、さわやかサラダです。
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