日本の伝統的な献立の形
ごはんを主食に、主菜(肉や魚の料理)、副菜数品と汁物(どちらも野菜や海藻、豆腐などの料理)を組み合わせた献立は、栄養も味のバランスも整いやすい形です。
田んぼの稲穂が黄金色に色づく秋は、新米の季節です。米は大昔から日本人の食生活の中心にあり、お祭りなどの伝統文化とも結びついています。
米は、日本人にとって大切な主食です。雨が多くて温暖な気候の日本は米作り(稲作)に向いており、今から3000年ほど前、縄文時代の後半から作られ始め、今に続いています。熱や力のもとになる栄養が豊富で味がよく、保存のきく米は、昔は税金(年貢)代わりにも使われました。江戸時代の頃からは、米の収穫量を「石」という単位で表し(1石は、当時のおとな1人が1年間に食べるくらいの量)、「百万石の大名」というように、大名などが支配する土地の広さや生産力を示す物差しにもなりました。
米はほぼ全国でさまざまな品種が作られています。
米作りは1年近くかかります。春に乾いた田んぼの土を耕し、種籾(籾は殻に包まれた米)から苗を育て、5月頃に田んぼに水を張って苗を植えます。夏になると稲が青々と育って穂を出し、花をつけ、籾ができます。秋になって籾が大きくなり、穂が黄金色に色づいたら、稲を刈り取って籾をはずし、籾殻を除くとようやく米がとれます。その年にとれた新米はつやがあってみずみずしく、香りがよいと、多くの人が心待ちにしています。
稲が病害虫や台風などに負けずに無事育つよう、古くから人々は神に祈ってきました。今も各地で初夏から秋に行われるお祭りの多くは、米を主とした穀物の豊作を願い、実りに感謝する祭礼がもとになっています。米作りは、日本の伝統文化や自然環境とも深くつながっています。
籾殻を除いただけの米は玄米といい、ぬかや胚芽がついています。精米といってぬかや胚芽を除くと、おなじみの白い米になりますが、ぬかや胚芽にも栄養があり、一部分だけを除いた分づき米、玄米を少し発芽させた発芽玄米、胚芽だけを残した胚芽精米などもあります。なお、お赤飯にする米は、粘りの強いもち米という種類の米で、おもちの原料にもなります。
米は日本だけでなくアジアの他の国々でも多く作られ、食べられています。日本の米はジャポニカ米といい、粘りや甘みがあるのが特徴ですが、他の国では、細長くて粘りの少ないインディカ米が主に作られています。インディカ米のごはんは、カレーなどといっしょに食べたり、ピラフのように調理して食べる方が適しているようです。
ごはんは、よくかむと米の甘みと香りが口の中に広がり、どんな料理にも合います。ごはんを主食にしておかず数品とみそ汁などの汁物を組み合わせた伝統的な献立の形は、栄養面でも味の面でもおすすめです。おかずや汁物を一口食べてはごはんを一口食べると、料理の味が混ざらずに1品1品をおいしく味わうことができます。
ごはんを主食に、主菜(肉や魚の料理)、副菜数品と汁物(どちらも野菜や海藻、豆腐などの料理)を組み合わせた献立は、栄養も味のバランスも整いやすい形です。
ごはんに削り節やしょうゆを混ぜ、チーズを芯にしておにぎりにしてさっと焼きます。ごはんを握る前に、ごはん茶碗に入れて軽くゆすると、ふわっとまとまります。
詳細はこちら→ 明治の食育 おすすめレシピ