ぶどう畑
ぶどうはつる性の植物です。日本ではつるを横に広くはわせて育てる棚栽培が多く見られます。
秋を豊かに彩るぶどう。日本では生で味わうことが多い果物ですが、海外ではワインの材料としてもよく知られ、ワインに向くぶどうが多く作られています。
ぶどうの多くは初秋の頃からが実りを迎えます。黒っぽい紫や赤紫、緑色、大粒のものや小粒の房など、さまざまな種類が店先に並び、目も舌も鼻も楽しませてくれます。
日本でぶどうが最初に栽培されたのは山梨県です。今も山梨県は生産量が一番多く、ほかに長野県、岡山県、山形県などでよく作られています。最近は皮ごと食べられる品種や、粒がピンポン玉のように大きくて高価な品種もあります。
ぶどうはつる性の植物です。日本ではつるを横に広くはわせて育てる棚栽培が多く見られます。
甘くて香り高く、生で食べておいしい品種がいろいろ開発されています。
海外では、ぶどうの8割はワイン(ぶどう酒)の原料にされています。イタリア、フランス、スペイン、アメリカなどでワイン向きのぶどうが多く栽培され、さまざまな味のワインが作られています。
ワインは、紀元前3000年頃の古代エジプトでも作られていたといわれるほど歴史が古く、長い年月ヨーロッパをはじめ世界の各地で人々に愛されています。キリスト教では「ワインはキリストの血」といわれて儀式にも使われ、聖なる特別な飲み物としても大事にされています。
ワインのほかに、ぶどうはジュースやジャム、酢(ワインビネガー)などにも加工されます。バルサミコ酢という酢もワインビネガーの一種です。また、ワイン作りの際に不要になった種からは、油(グレープシードオイル)もとれます。
液体の色で3種類に分けられます。色も、味や香りも、ぶどうの種類や作り方によってさまざまです。
レーズン(干しぶどう)もぶどうの加工品です。ぶどうパン、パウンドケーキ、クッキー、ラムレーズンアイスクリームなど、身近な食品にたくさん使われています。
ぶどうには、体のエネルギー源になるブドウ糖や果糖などの糖質や、ミネラルが豊富ですが、特に水分が抜けたレーズンには栄養がギュッと詰まっています。日持ちがよいので、非常食やハイキングなどの携帯食としてもおすすめです。ちなみに、ブドウ糖は多くの食品に含まれていますが、18世紀に化学者がレーズンから発見したことから日本ではこの名がついているといわれています。
ほかにも、ぶどうには病気予防や目の健康に役立つポリフェノールという成分も含まれており、特に黒や赤の色が濃い皮に多く含まれています。
ぶどうの皮には白い粉のようなものがついていますが、これは実から出るブルームという成分で、温度や湿度などの環境の変化から実を守り、鮮度を保つ役割もあります。
実をそのまま食べるほかに、サラダに入れたり、ゼラチンや寒天で固めたり、凍らせたりしてもさわやかな色と香りが楽しめます。ジャムやジュースにもできます。
好みのぶどうを房からはずしてよく洗い、そのまま凍らせればでき上がり。ひんやり冷たくて香り豊かな、天然のシャーベットです。