巻貝の仲間
さざえ(奥)、あわび(手前)は、どちらも海の浅い岩場で育ち、コリコリした食感と磯の香りが特徴です。あわびの貝殻は平らに見えますが、巻貝の変形です。高級な食材として知られています。
貝は、栄養もうま味も豊富で、大昔から世界各地で食べられています。たくさんの種類があり、姿形も味わいもさまざまです。
私たちが食べる貝には、二枚貝と巻貝があります。二枚貝はその名の通り2枚の貝殻をもつ貝で、あさり、しじみ、はまぐり、ほたて、かきなど、身近なものがいろいろあります。
巻貝は、らせん状になった貝殻をもつ貝で、さざえ、ばい貝、つぶ貝などのほか、あわび、とこぶしも巻貝の仲間です。
また、日本では縄文時代の昔から貝を食べていたことが、各地にある貝塚(食べた貝の殻を捨てた場所)からわかっています。貝塚は海外でも各地で見つかっていて、地球の地殻の動きや当時の人類の生活を解明するかぎの1つになっています。
あさり(左奥)、しじみ(手前)は昔からみそ汁の具としておなじみです。
はまぐり(右奥)はひな祭りの吸い物によく使われます。
かき(左)は世界各地の海の沿岸の岩場などで育ち、栄養豊富で「海のミルク」とも呼ばれ、新鮮なものは生でも食べられます。
ほたて(右)は水温の低い海の砂泥で育ち、中央の大きな貝柱にうま味と甘味があります。どちらの貝も養殖が盛んです。
さざえ(奥)、あわび(手前)は、どちらも海の浅い岩場で育ち、コリコリした食感と磯の香りが特徴です。あわびの貝殻は平らに見えますが、巻貝の変形です。高級な食材として知られています。
貝の多くは海で育ちます。おなじみのあさりは、海辺の、潮の満ち引きで現れたり隠れたりする干潟の砂泥の中にすんでいます。春から初夏の頃、各地の干潟で、あさりなどの貝をとる「潮干狩り」の風景がよく見られます。
しじみは湖や川でとれますが、一般によく売られているやまとしじみは、海水と淡水が混ざり合ったうすい塩水の「汽水域」でとれます。
貝は身を食べるだけでなく、貝殻も昔からアクセサリーやインテリア、工芸品などに使われています。宝石の真珠は、あこや貝などの殻の中で作り出されたものです。殻の中に小さな砂や虫などが入り、それを貝殻の成分が長い年月をかけて層を重ねるようにおおい、丸くなったものです。これがきれいに輝く真珠玉になります。
貝殻は古代中国ではお金として使われました。「買う」「貸す」などの漢字に貝の字が使われているのは、その名残です。
貝には、貧血を防ぐビタミンB12や鉄、骨を強くするカルシウムのほか、亜鉛、マグネシウムなどの栄養がたくさん含まれています。特に二枚貝に豊富です。
また、コハク酸やグルタミン酸などのうま味もたっぷり含まれています。みそ汁やスープ、パスタソースなどは、貝から出るうま味のある汁も一緒に食べられます。かきやほたては、フライやグラタン、殻つきなら殻ごと網で焼くのもおいしい食べ方です。貝は鮮度が落ちやすいので、新鮮なうちに調理して食べることが大事です。
あさりなどの貝は、料理の前に砂を吐かせる「砂抜き」をします。貝をバットなどに重ねないように並べ、塩水(水1リットルに塩約20g。しじみの場合はうすい塩水か真水)をひたひたに入れ、新聞紙などを軽くかぶせて暗く静かな状態にして数時間(潮干狩りでとった貝なら5~6時間)おきます。こうして貝がすんでいた環境に近づけると、水管という器官から砂混じりの水をピュッと吐き出します。水が飛ぶので、周囲に新聞紙を敷くとよいでしょう。
はまぐりを蒸し煮にし、うま味の出た汁と牛乳、卵を混ぜて茶わん蒸しにします。
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