色あざやかなグリンピースや枝豆、乾燥した大豆やいんげん豆など、豆の種類はいろいろ。豆は大昔から世界中で育てられ、食べられている、大事なおいしい栄養源です。
春から初夏にかけて、グリンピースやそら豆、枝豆などの豆が店頭に並びます。青いさやを開けると、豆がお行儀よく並んで愛らしい顔をのぞかせます。どの豆も、マメ科の植物の「タネ」です。でもまだ完全に熟す前なので、やわらかく、やさしい味と香りがします。
豆にはたくさんの種類がありますが、このように若い豆を食べるものは、グリンピースやそら豆、枝豆が代表的です。これらの豆は秋まで育てて完熟させ、乾燥させると、見た目も味も違ったものになります。
明るい緑色をしたグリンピースは、「青えんどう」ともいいます。完熟して乾燥させた豆はくすんだ緑色をしており、それを甘く煮たものはうぐいす豆と呼ばれます。
夏によく食べる枝豆も緑色ですが、完熟すると、節分の豆まきでおなじみのクリーム色の大豆になります。また、お正月によく食べる黒豆も大豆の一種です。
大豆は、日本人の食事に欠かせない食品です。発酵させると納豆になり、水でもどして煮てすりつぶしたものは豆腐や油揚げ、豆乳などの原料になります。また、みそやしょうゆも、大豆を使って作られます。
ほかにも、豆には、小豆、いんげん豆(金時豆、うずら豆など)、ひよこ豆、レンズ豆、落花生など、たくさんの種類があります。これらの豆のほとんどは、完熟させて乾燥させたものを調理して食べます。
豆は古くから、世界中で大事な食料として育てられ、人々の命をつないできました。マメ科の植物は荒れ地でもよく育ち、とれる豆(タネ)には、成長に必要な栄養(炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維など)がたくさん含まれています。特に大豆は筋肉のもとになるたんぱく質が多く含まれており、畑の肉ともいわれます。しかも、乾燥豆は長く保存できるので、非常時の蓄えにもなります。豆は、飢饉などによる食糧難を救う役割もある、重要な食物です。
グリンピースや枝豆などの若い豆は、塩ゆでのほかに、炊き込みごはんやサラダ、ポタージュにすると色や香りが楽しめます。東北地方などでは、ゆでた枝豆をつぶした「ずんだあん」をおもちにかけたりして食べます。
大豆や金時豆、ひよこ豆などの乾燥豆は、カレーやトマト味のシチューやスープ、また、サラダにも合います。小豆は、あんパンなどのあんこの材料になります。アメリカでは最近、ひよこ豆などをペースト状にした「フムス」という中東の料理が、健康によいとして人気です。
チリコンカルネ
いんげん豆の仲間のレッドキドニービーンズやひき肉を、ピリッと辛いトマト味で煮込んだ南米料理。チリコンカンともいう。
フムス
ひよこ豆などにオリーブ油やレモン汁などを混ぜてペースト状にした、パンなどにつけて食べる中東の料理。
枝豆の香りが口いっぱいに広がる
枝豆をやわらかめにゆでてさやから出し、薄皮をむき、フードプロセッサーかミキサーであらくすりつぶします。好みの量の砂糖と少しの塩を加えて練り、ゆでた白玉団子にからめます。