新生児が泣き止まないと「どうしたらいいの?」と不安になりますよね。一呼吸おいてから、よくある原因と対処法を見ていきましょう。
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生まれて間もない新生児がなかなか泣き止まないと、何か問題があるのではないかと心配になるかもしれません。確かに、新生児に限らず赤ちゃんは言葉を話せないため、自分の感情や意思を伝える方法が限られています。
その一つの方法が「泣く」ことで、痛みや空腹を訴える手段として泣きます。しかし、そのほかにも生後3週間頃から、特に理由もなく泣き続けることがあります。
これは世界中の新生児に起こりうる現象で、生後1〜2ヵ月頃にピークを迎えます。なお赤ちゃんは一日1〜2時間は泣いているともいわれ、新生児がなかなか泣き止まない状況の多くは、大きな問題ではなく普通のことといえるでしょう。
心配しすぎる必要はないので、ぜひ落ち着いて対処してあげてください。なお泣き止まない現象の多くは生後3ヵ月頃まで、遅くとも生後4〜5ヵ月頃にはおさまります。
それではまず、新生児が泣き止まない原因として、一般的によくあるものを紹介します。
まず赤ちゃんが生きていく上で必ず見られる生理的要因について説明します。
新生児期の赤ちゃんは、頻繁に授乳が必要です。それは、母乳がすぐに消化される点や、また胃の容量がとても小さいことが影響しています。
生後1ヵ月が経過して、ようやく鶏卵くらいの大きさになるともいわれているため、一度にたくさんのミルクを飲むことができません。そのため、すぐに空腹になって泣いてしまうのです。新生児の赤ちゃんでは、1〜2時間おきに授乳が必要になることも珍しくありません。
新生児の赤ちゃんは、胃が小さいのと同じく、膀胱の容量も小さめです。そのため、膀胱のなかにたくさんの尿を貯められず、たびたび排尿します。
新生児期では、1日に15〜20回排尿するともいわれています。また個人差や授乳方法による違いはあるものの、排便も1日数回以上あります。そのため、たびたびおむつが汚れた状態になります。汚れたおむつは不快に感じるので、おむつを替えてもらえるまで、泣き止まなくなるのです。
生後間もない赤ちゃんは、上手に母乳やミルクを飲むことができません。そのために、授乳のときにどうしても空気を一緒に飲んでしまうことがあります。また激しく泣いても空気を飲み込んでしまいます。ゲップで上手に出せるとよいのですが、うまくゲップができないとお腹にガスが溜まってしまいます。ガスが溜まるとお腹が張って、苦しく感じるため、泣き続けてしまうことがあるのです。
次に、新生児が泣き止まない理由として考えられる、環境の要因について説明します。
新生児に限らず、赤ちゃんは体温調節が未熟で、うまく体温を保つことができません。また、大人に比べて体重あたりの体表面積が広く、皮下脂肪が薄いために、環境の温度や湿度の影響を受けやすく、部屋の温度や湿度を敏感に感じてしまいます。
大人が快適に感じていても、赤ちゃんにとっては暑すぎたり寒すぎたり、あるいは蒸し暑く感じたりすることがあります。そのため、赤ちゃんは不快に感じ、なかなか泣き止まなくなるのです。
最後に、新生児が泣き止まない理由である、心理的要因について説明します。
新生児の赤ちゃんは、通常1日の3分の2ほどの時間を眠っていますが、眠っている間に「レム睡眠」と呼ばれる浅い眠りと、「ノンレム睡眠」と呼ばれる深い眠りを繰り返しています。
なかでも新生児の赤ちゃんは、レム睡眠の割合が多いため、ちょっとした刺激で目が覚め、なかなか深い眠りに入っていけないことがあります。そのため、眠くても眠れない赤ちゃんは、不機嫌になり泣き出してしまいます。
生まれたばかりの新生児期の赤ちゃんは、胎内環境から外に急に出てきたため、不安を感じやすいといわれています。不安を感じるときは、ママ・パパに抱っこしてもらうことで落ち着くことがありますが、なかなか抱っこしてもらえないようであれば、泣くことで「抱っこしてほしい」気持ちを訴えることがあります。
これまで新生児が泣き止まない原因についてご説明しました。続けて、泣き止まない時の対処法についてご紹介します。
新生児期は、まだ授乳のタイミングがしっかりと確立されていないため、ついさっき授乳したはずなのに、またミルクを欲しがることがあります。
特に口をモグモグとさせたり、唇の近くに指を持っていくとしっかりと吸い付いたりするときは、お腹が空いているサインかもしれません。そのようなときは、しっかりと授乳してあげてください。
おむつが濡れて不快に感じている可能性もあります。最近のオムツは吸湿性が高く、とても性能がよいため、おしっこをしてもわからないことがあります。触って濡れていなかったとしてもタイミング的におしっこをしていると感じれば、おむつを替えてあげるとよいでしょう。
ちなみに赤ちゃんの肌は敏感です。長時間おむつのなかの尿や便に肌が触れていると、すぐにおむつかぶれになってしまいます。おむつかぶれも赤ちゃんにとっては不快なので、こまめにおむつを替えてあげましょう。
赤ちゃんは自分で体温調節する機能が未熟なため、常に赤ちゃんの様子を見ながら、暑くて汗をかいている場合は、大人と同じか1枚薄着にするなどして衣類などを調整することが大切です。
また室温計や湿度計を室内に置いて数値を確認し、赤ちゃんの体温も一緒に測ることで、快適な環境を整えてあげてください。
ちなみに、赤ちゃんが快適に過ごせる室温について、夏は25〜27℃、冬は20〜23℃程度が適切とされていますので、室温をこの範囲に調節するとよいでしょう。
湿度は年間を通して50〜60%が最適とされています。湿度の高い夏にはエアコンのドライ機能(除湿機能)を活用し、室内の湿度を60%以上にしないよう注意してください。ドライ機能は室内の湿度を下げることを最優先とする機能で、空気中の水分を取り除きます。
一方、乾燥する冬には加湿器を併用すると良いでしょう。加湿器を使用することで、エアコンの暖房によって乾燥しがちな室内の湿度を保てます。加湿器は部屋の中央や、テーブルの上など高めの場所に置き、エアコンの風で湿った空気を循環させると効果的です。
ガスが溜まり、お腹が張って苦しい可能性があるので、お腹を中心にマッサージをしてあげるのもよいでしょう。ゆっくりと優しくお腹をさすってあげるだけでも構いません。
さらに、足首を持って膝がお腹に近づくように曲げると、ガスが出やすくなることがあります。あるいは、縦抱きにして背中を軽くトントンと叩いてあげると、ゲップをしやすくなります。
しっかりと抱きしめてあげるのも、泣き止まないときにやってみるとよいでしょう。特に生まれる前の赤ちゃんは、胎内で手足を抱え込むような状態になっていました。
そのため、おくるみなどを使ってそのような姿勢になるようにしっかりと抱きしめてあげると不安が軽減されます。また抱っこだけでなく、優しく話しかけてあげると、赤ちゃんは落ち着いて泣き止むかもしれません。
新生児の赤ちゃんが泣き止まないとき、ママ・パパにお願いしたいことがあります。それは、力ずくで赤ちゃんを泣き止ませようとしないことです。
泣き止まない赤ちゃんを泣き止ませるため、体を持ち上げて激しく揺さぶってしまうと、「shaken baby syndrome(揺さぶられっ子症候群)」といわれる状態になるかもしれません。これは赤ちゃんが激しく揺さぶられることで、脳の周囲の血管が切れて出血したり、脳細胞が強いダメージを受けたりする状態です。そうなると、自分の力で食べたり、歩いたりすることが、一生できなくなるほどの障害を残してしまいます。
赤ちゃんが泣いているのは、決してママ・パパのケアが悪いからではなく、困らせようとしているわけでもありません。なかなか泣き止まないときは、赤ちゃんを安全な場所に寝かせ、その場から一度離れることをおすすめします。
一呼吸おいてから赤ちゃんに接することで、ママ・パパも心を落ち着かせて対応することができます。いろいろと試してダメなときは、一呼吸おくことを覚えておいてください。
新生児の赤ちゃんが泣き止まないときの対処法を説明しましたが、色々と試してみても泣き止まないときがあるかもしれません。どうしても泣き止まないときは、やはり医療機関を受診することをおすすめします。
そのほかにも、赤ちゃんが熱を出している、鼻詰まりがひどい、呼吸が苦しそう、たびたび嘔吐をしてしまう、顔色が悪い、ミルクの飲みが悪いなど、普段と様子が異なるときは、病気が隠れている可能性があります。
小児科の医師であれば、保護者が「いつもと様子が違う」という訴えをとても大切にします。特に新生児の赤ちゃんで少しでも気になることがあれば、早めに受診するとよいでしょう。
新生児が泣き止まないとき、どうしたらよいのかわからず、不安を感じることがあるかもしれません。そのようなときは、ぜひこの記事を参考に、心を落ち着かせて授乳やおむつ替え、環境調整など基本的な対処をしてみてください。
新生児が泣くことは生きている証でもあり、多くの場合は生理的な現象です。さまざまな対処法を試しても改善しない場合は、一人で抱え込まず医療機関へすぐに相談することが大切です。
よく泣く赤ちゃんの育児は想像以上に大変で、特に授乳やおむつ替えなど日々のお世話に追われがちではありませんか?そんな忙しい毎日を支えるために、使いやすい育児用品を選ぶことも大切です。
「明治ほほえみ」は、赤ちゃんが泣き止まないさまざまなシーンで慌てずに対応できるよう工夫された乳児用ミルクです。計量不要のキューブタイプなら、泣いている赤ちゃんを待たせることなく、哺乳瓶にポンと入れるだけで正確にミルクが作れるため、外出先でも衛生的に調乳できます。
また、お湯がない状況でもすぐに授乳できる液体タイプは、夜中に枕元に置いておけば、夜泣きの時でもサッと注いで飲ませられるので、ぜひご活用ください。
育児は一人で頑張るものではありません。便利なアイテムを上手に活用しながら、ママ・パパ自身の負担を軽減することも大切です。そうすることで、赤ちゃんとの大切な時間をより笑顔で過ごしてください。