赤ちゃん(新生児)のおしゃぶりはいつから使えるのか気になる方も多いかと思います。
今回は赤ちゃん(新生児)のおしゃぶりを始める時期や選び方のポイント、注意点について紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
この記事の監修者
「おしゃぶりは新生児から使ってもいいの?」という疑問をお持ちの方もいるかもしれません。結論としては、おしゃぶりは新生児から使っても問題ないとされています。
ただし注意点があります。特に母乳育児の場合、生後すぐにおしゃぶりを使い始めると、赤ちゃんが乳首と乳輪の吸い方とおしゃぶりの吸い方の違いに戸惑い、「乳頭混乱」を起こしてしまうリスクがあるのです。乳頭混乱が起きると、赤ちゃんがおっぱいをうまく吸えなくなったり、おっぱいを嫌がったりすることがあります。
そのため、アメリカの小児科学会は、母乳育児が確立してからおしゃぶりを導入するよう推奨しています。具体的には、生後1ヵ月頃、母乳の飲み方が安定してから使い始めるのがおすすめです。
おしゃぶりを選ぼうとすると、たくさんの種類があって迷ってしまうと思います。赤ちゃんに合ったおしゃぶりを見つけるために、以下のポイントを参考にしてください。
おしゃぶりは、赤ちゃんの成長段階に合わせてサイズが異なります。新生児のおしゃぶりを選ぶ場合は「月齢○ヵ月~」と明記された、新生児向けの小さいサイズを選びましょう。月齢に合わない大きなおしゃぶりは赤ちゃんの口にフィットしにくく、顎や口の周りに負担をかけてしまう可能性があるからです。
おしゃぶりの素材は、主にシリコンと天然ゴムの2種類があります。
シリコンは耐久性が高く、熱に強いため、煮沸消毒や電子レンジ消毒ができます。無色透明でにおいも少なく、扱いやすいのが特徴です。一方、天然ゴムはシリコンよりもやわらかく、赤ちゃんが吸いやすいのが特徴です。ただし、独特のにおいがあったり、劣化が早かったりする場合があります。
また、乳首の形状にも違いがあります。最も一般的なのは丸型で、おっぱいの乳首に近い感触です。平型は乳首の先端が平らになっていて、舌への負担が抑えられています。歯並びへの影響を考慮して薄型に作られている歯並び配慮型もあります。
いくつかの種類を試してみて、赤ちゃんの好みに合わせるのがよいでしょう。
赤ちゃんが口に直接入れるものなので、安全性は最も重要なポイントです。
おしゃぶりのパーツが外れて誤飲するリスクを減らすため、一体型構造のものをおすすめします。万が一、赤ちゃんが口に入れても喉に詰まらないように、口より大きいパーツが使われているものを選びましょう。日本(SG基準)や欧州(EN1400)の安全基準マークがついているおしゃぶりは、より安心して使えます。
もし哺乳瓶を使っていれば、おしゃぶりも哺乳瓶と同じメーカーのものを選ぶと、赤ちゃんが違和感なく受け入れやすいかもしれません。哺乳瓶の乳首の形状や素材に慣れているため、スムーズにおしゃぶりに移行できる可能性があります。
赤ちゃんの免疫力はまだ弱いため、おしゃぶりは常に清潔に保つ必要があります。
複雑な形状やパーツが多いものは汚れがたまりやすく、お手入れに手間がかかります。洗浄・消毒がしやすい形状のおしゃぶりを選びましょう。また、煮沸消毒、電子レンジ消毒、薬液消毒など、いつもの消毒方法に対応しているかも確認してください。
おしゃぶりは上手に使えば保護者の負担を減らし、赤ちゃんの成長をサポートする心強いアイテムになります。
赤ちゃんがおしゃぶりを吸う動作は、お腹のなかにいた頃から持っている吸啜(きゅうてつ)反射という本能的な行動です。おしゃぶりを吸うことで赤ちゃんは心地よさを感じ、気持ちが落ち着きやすくなります。ぐずりや不安を和らげる効果があり、赤ちゃんが安心して過ごせる時間を作ってあげることができます。
なかなか寝てくれない赤ちゃんを抱っこしたり、背中をトントンしたりと、寝かしつけに苦労している保護者の方はたくさんいます。おしゃぶりは赤ちゃんを落ち着かせる効果があるため、スムーズな寝かしつけの助けになってくれることがあります。
乳幼児突然死症候群(SIDS)は、元気だった赤ちゃんが睡眠中に突然亡くなってしまう病気です。原因はまだ解明されていませんが、おしゃぶりを吸うことで呼吸が保たれやすくなるなどの理由から、おしゃぶりの使用はSIDSの発生率を低くするという研究報告があります。
ただし、おしゃぶりはSIDSを予防する唯一の手段ではありません。うつ伏せ寝をさせない、喫煙をやめるなど、まずは他の予防策を徹底してください。
参照:Policy on Pacifiers |AAP公式サイト
赤ちゃんが落ち着いてくれることで保護者の負担も大きく軽減されます。
赤ちゃんの泣き声が止まらないとき、寝かしつけがうまくいかないときなど、おしゃぶりを使うことで親自身の気持ちに余裕が生まれ、より穏やかな育児環境が保たれやすくなります。
おしゃぶりの使い方を誤ると、デメリットにつながることもあります。以下の注意点を守って安全に使いましょう。
前述したように、生後すぐの母乳育児中の赤ちゃんが乳頭と吸い方の違うおしゃぶりに慣れてしまうと、おっぱいを嫌がる乳頭混乱を起こす可能性があります。
アメリカの小児科学会は「母乳育児がしっかりと確立されるまでは、おしゃぶりの導入を遅らせるべき」と推奨しているため、母乳の飲み方が安定するまでおしゃぶりの使用は待ちましょう
一日中おしゃぶりを使い続けると、赤ちゃんがおしゃぶりに依存してしまうリスクがあります。また、長時間の使用は歯並びやかみ合わせ、発語にも影響を及ぼす可能性も指摘されています。
おしゃぶりの使用は、寝かしつけ時やぐずったときなど、必要なときに限定しましょう。赤ちゃんが落ち着いたら口から外してあげる習慣をつけることが大切です。
「おしゃぶりをなくさないように」と、ひもやストラップをつけたくなるかもしれません。しかし、ひもやストラップを赤ちゃんの首にかけたり、ベッドの柵に固定したりすると、赤ちゃんの首に絡まって窒息してしまう危険性があります。安全のため、おしゃぶりには何もつけずに使用しましょう。
おしゃぶりは赤ちゃんの口に直接触れるものなので、常に清潔に保ってください。定期的に煮沸消毒や薬液消毒、電子レンジ消毒などで除菌をおこないましょう。
また、おしゃぶりの乳首部分が白っぽくなったり、ベタつきが気になったりしたら、劣化のサインです。すぐに新しいものに交換しましょう。
おしゃぶりは、いつまでも使い続けるものではありません。歯並びや発語への影響を考慮すると、1歳を過ぎたあたりから使用頻度を減らし、2歳までにはやめることを目指しましょう。
1歳頃から赤ちゃんは言葉を発し始め、周囲とのコミュニケーションを積極的に取るようになります。おしゃぶりをしていると、お話をする機会が減ってしまうことも考えられます。
おしゃぶりを卒業させるには、いきなり取り上げるのではなく、まずは寝かしつけ時だけに限定するなど、少しずつ使う時間を減らしていくのがよいでしょう。絵本やおもちゃなど、おしゃぶり以外の興味を引くものに注意を向けさせるのも効果的です。
おしゃぶりは、メリットとデメリット、そして注意点を正しく理解して活用すれば、保護者と赤ちゃんの両方にとって育児の助けとなるアイテムです。「おしゃぶりに頼るのは良くないこと?」と悩む必要はありません。赤ちゃんの個性やご家庭の状況に合わせて活用し、育児に対する気持ちに余裕を持つことも大切です。
もし使い方に迷ったときや、歯並びなどが心配なときは、かかりつけの小児科医や歯科医にいつでもご相談ください。
新生児期のおしゃぶりが赤ちゃんの安心につながるように、健やかな成長には適切な栄養が欠かせません。そこでおすすめなのが、1歳頃までの赤ちゃんを対象にした乳児用ミルク「明治ほほえみ」です。明治ほほえみは、長年の大規模な母乳研究と20万人以上の赤ちゃんの発育調査に基づき、栄養成分を母乳に近づけています。
特に、母乳に含まれるDHAやアラキドン酸を母乳の範囲まで配合し、たんぱく質の量と質も母乳に近づけることで、赤ちゃんの健やかな発育を総合的にサポートします。おしゃぶりで赤ちゃんが落ち着く時間を作るように、大切な時期の栄養補給に「明治ほほえみ」を取り入れてみてください。