10ヵ月の赤ちゃんの発育と発達

10ヵ月目になると多くの赤ちゃんはつかまり立ちができるようになります。食事のペースができてくる頃ですが、食べムラも起こりがち。元気そうなら心配いりません。

体の機能

10ヵ月~11ヵ月になると、多くの赤ちゃんがつかまり立ちをするようになります。立ち姿も前よりしっかりしてきます。最初のころはつま先で立ち上がる姿勢もよくありますが、これはよくあることです。

はいはいでママの行くところいくところについて回る、いわゆる「あと追い」も始まるようになりますが、これもママと赤ちゃんのきずなの現れです。また、人見知りの激しくなる子もいます。

手指も器用になります。最初は手のひら全体でつかむ「熊手づかみ」だったものが、そのうち3本づかみになり、このころになると多くの赤ちゃんが親指とひと指し指の2本で小さなものをつまむようになります。拾ったものはそのまま口に入れてしまうので、小さなものはすべて赤ちゃんの手の届かないところに片づけましょう

記憶の発達

短期記憶(直前のことを覚えている力)や予測する能力も発達してきます。おもちゃなどを隠すと探したりするようになります。

離乳食

朝・昼・晩の3回の離乳食も、ペースができてくるころです。歯ぐきでつぶすことも前よりじょうずになり、バナナのかたさのメニューが増えてきます。じょうずにできないようなら「バナナのかたさ」と「お豆腐のかたさ」をメニューの中に両方組み込んであげて、少しずつ進めてください。

一時的な食欲不振も、このころにはよくあることです。大人も毎回、同じペースで同じだけの量を食べるわけではありません。まして赤ちゃんですから、食欲にムラはあって当然です。元気で遊んでいるなら心配ありません。

うんち

食べる量が増えた分、うんちの量も増えてくるでしょう。かたさは食べものによっても変わりますが、いつもかたくて出にくいようなら、ヨーグルト、食物繊維の豊富な野菜やさつまいもなどをたっぷりメニューに取り入れます。料理に少量のバターなどを使うのもおすすめです。

授乳・食事時間の目安

母乳または明治ほほえみは1回につき200mlを5回、離乳食は3回母乳の代わりとして1歳のお誕生日までは「明治ほほえみ」を飲ませてあげることをお勧めします。

赤ちゃんのお世話

この時期の赤ちゃんは、大人に相手をしてもらうのも大好きです。歌も大好きですから、ママもパパも積極的に相手をしてあげましょう。電話やリモコン、おたまなど、なぜか家庭用品が大好きなのもこのころの赤ちゃんです。おもちゃの電話などを与えてあげてもいいですね。

また、外遊びは前にも増して積極的にしたいもの。ベビーカーで連れ歩くだけでなく、ベビーカーから降ろし、芝生などではいはいをさせてあげるなど、体を動かす遊びをしてあげてください。

言葉の発達

とても早い子の場合、生後10ヵ月ころに「マンマ」「パパ」など最初の単語を発します。でもこれは本当に「早い子」です。言葉の発達はからだの発達以上に個人差があります。バイバイなどのまねをあまりしない子もいます。

ご指導いただいた先生

  • 東京女子医科大学 附属遺伝子医療センター教授
    (小児科教授兼任)
    齋藤加代子先生