1歳6ヵ月頃からは、「食具をつかみ」、「食べものをすくい」、「食べる」までの練習が必要です。手づかみ食べを1歳半頃まで経験することで、手と口を協調して動かすことができるようになってくると、今度はスプーンなどの食具を使って食べることを覚えはじめる段階と移っていきます。
乳幼児の手と指は小指の方から発達していきます。まだ小指側に力が入っている頃は、小指の方にスプーンの先を向けるような握り方が多く見られます。親指に力が入るようになると、スプーンの先を親指側に向けて、"手のひら"で握れるようになり、さらに、指先に力を入れられるようになると"指"で握れるようになっていきます。
最初は「片方の手でスプーン、もう片方で食器」というような、両手を協調させた動きができず、スプ ーンで上手にすくえません。しかし、両手を協調させた動きが徐々にできるようになると、まずはじめにスプーンを食器に押し当てて食べ物をすくうことができるようになり、次第にスムーズにすくえるようになっていきます。
まだ唇が使えないうちは、歯でそぎ落としたり、腕を回したり、スプーンをひっくり返して食べ物を口の中へ入れます。次第に、スプーンの上の食べ物を唇ではさみ、スプーンを引き抜いて食べられるようになり、最後には唇の力だけで口の中へ食べ物を入れられるようになります。
食具食べを身につけるためにはまず始めにスプーン食べの練習が必要です。スプーンでじょうずに食べられないので、ついフォークを使ってきれいに食べさせたくなりますが、まずはスプーンなどの食具を使って唇を閉じて食べることで、自分の口に合った一口の量を覚えていくことが必要です。焦らず、先ずはスプーンの練習でお子さまが自分に合った一口量を覚えてから、フォークの練習をはじめるようにしましょう。