赤ちゃんの便が出ないと心配になりますよね。ここでは新生児が便秘になる原因と見分け方、家庭でできる対処法、受診の目安をご紹介します。
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新生児の赤ちゃんが便秘になっているかどうか見分けられると、早めの対応が可能になります。ここでは新生児の赤ちゃんが便秘になっているかどうか、赤ちゃんの様子や便の回数、また便の硬さなどから見分ける方法について説明します。
まず、赤ちゃんの様子が大切です。特に排便時にいきんでもなかなか便が出ない場合や出ても少量の場合、さらに排便のときにまるで痛がっているように泣く場合は注意しましょう。また、お腹が張って苦しそうなとき、便は毎日出ていても常に硬めの便で、排便のときに肛門が切れてしまう場合も便秘の可能性が高まります。
赤ちゃんの便の回数も大切な情報です。一般的には、赤ちゃんの排便回数が週に3回より少ない、あるいは便が連続して5日以上出ない場合も便秘の可能性があります。
便秘の赤ちゃんでは、便の硬さや形状にも特徴があります。新生児の赤ちゃんの便は、水分を多く含みやわらかくなる傾向がありますが、便秘の場合は便が硬くなり、コロコロとした便が出ます。ときにはうさぎの便のように、小さなかたまりの便になることもあります。
新生児の赤ちゃんが便秘になる原因を知っておくことで、より効果的な対策を立てられます。そこで、次に新生児の赤ちゃんが便秘になる原因について説明します。
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新生児の赤ちゃんでは、まだ腸や排便の機能が十分に発達していないため、便の回数や便の量、便の形状が安定しないことがあります。ときにはいつもより便の回数が減ってしまったり、便が硬くなってしまったりすることがあり、便秘の原因となります。また新生児の赤ちゃんは、お腹の筋肉の力が十分についていないため、排便時にいきんでもうまく排泄できず、そのために便秘になってしまうこともあります。
母乳や乳児用ミルクの飲む量が少ないと、便秘になりやすくなります。また暑い環境にいて汗をかくような状況だと、体内の水分不足を補うために、腸内の便からも水分を吸収するメカニズムが働きます。そのため、ますます便の水分量が減少し、便が硬くなって便秘につながってしまうのです。
自宅で取り組める便秘の解消方法を説明します。
赤ちゃんを仰向けに寝かせてあげ、おへそを中心に時計回りに、「の」の字を書くイメージでマッサージします。その際、少し赤ちゃんのお腹がへこむくらいの力を入れてあげると、より効果的なマッサージができます。
次に、赤ちゃんの体を動かして排便をうながします。新生児の赤ちゃんは自分で体を動かせないので、お腹が刺激を受ける機会も少なくなりがちです。赤ちゃんを仰向きに寝かせてあげ、自転車をこぐように両足をバタバタと動かすと、よい刺激になるといわれています。
ちなみに排便の最後の経路である直腸から肛門は、和式のトイレに座るような姿勢を取ることで、より排便しやすく形が変わる解剖学的な特徴があります。新生児の赤ちゃんも、仰向けの状態で両足を持ち、膝を曲げて胸やお腹に押し付けるような姿勢をとることで、より排便しやすくなる可能性があります。
もし十分に授乳ができていないことが便秘の原因だと思われるときは、授乳の回数を見直してみることをおすすめします。乳児用ミルクを飲んでいる場合は、しっかりと水分も取れるようにミルクの調乳濃度を守り、推奨されている量を飲ませてあげるよう心がけてみてください。母乳の場合は、一回の授乳の時間や授乳後の乳房の張り具合から、しっかりと飲めているかどうかを推測しますが、母乳が足りていないと感じるときは、乳児用ミルクを追加するのがよいでしょう。
肛門に刺激を加えると、私たちの体は反射的に排便をするための筋肉が連鎖して動きます。もし肛門近くに便があれば、自分の力で排便ができなくても、刺激によって排便ができます。
具体的には、先端をベビーオイルなどで滑りをよくした大人用の綿棒を、仰向けに寝かせてリラックスさせた状態の赤ちゃんの肛門に1〜2cmほど差し込みます。そのあと、15秒ほどゆっくりと肛門の穴を広げるように円を描いて綿棒を動かします。この時点で便がしっかりと出てくるようであれば、肛門刺激は終了します。
もし15秒ほど経過しても排便がなければ、いったん綿棒を引き抜きます。このとき、綿棒の先端に便が付着していないようであれば、肛門近くに便がない可能性が高いので、これ以上の肛門刺激は避けたほうが安全です。逆に綿棒の先端に便がついていれば、再度肛門刺激を繰り返してみましょう。
肛門刺激は、授乳後30分くらいがベストタイミングだといわれています。また肛門刺激は多くても1日1回くらいに留め、出血することがあれば、それ以上の刺激は避けましょう。
赤ちゃんの便秘は、病院を受診したほうがよいサインを知っておくと、自宅で便秘への対策を続けてもよいか判断できるようになります。そこで次に、便秘の赤ちゃんの注意しておいてほしいサインを紹介します。
新生児期の赤ちゃんは、通常毎日25〜30gほど体重が増えます。もし体重が増えなければ、何か問題が起こっている可能性もあります。母乳を飲んでいる赤ちゃんなら、母乳不足が主な原因ですが、それ以外にも赤ちゃん自身がミルクをうまく飲むことができない場合、内臓の病気が隠れている場合も考えられます。もし便秘のある赤ちゃんの体重が増えていないようであれば、かかりつけの医療機関に対策を相談してみましょう。
排便するときに痛がり、便に血が混ざる場合、肛門が切れている可能性があります。この場合の血液は、便と混ざり合って出てくるのではなく、便の外側に付着しています。肛門は切れてもすぐに治るため、出血しても慌てる必要はありませんが、痛みを感じながら排便するのは赤ちゃんにとってストレスです。この場合もかかりつけの医療機関に相談するのがよいでしょう。
なお排便とは関係なく肛門から血液が出てくる、また激しくお腹を痛がる様子が繰り返し見られるような場合は、便秘が原因ではない可能性もあります。こちらも早めに医療機関を受診しましょう。
新生児の赤ちゃんは、ミルクを飲むときによく空気を飲み込んでしまい、お腹がガスで張ることが少なくありません。胃に溜まった空気を出すためにゲップを促しますが、一緒にミルクが出てくることがあります。ただし、たびたび吐くようであれば、緊急性の高い状態かもしれないため、かかりつけの医療機関を受診しましょう。
長期間便秘が続く、生まれた直後から便秘が続くといった場合は、赤ちゃんの内臓に問題がある可能性が考えられます。
したがって、新生児の赤ちゃんの便が1週間以上出ない、またそのためにお腹が張って苦しそうな状態であれば、かかりつけの医療機関に相談しましょう。
新生児の赤ちゃんの正常な便の状態、便秘の見分け方やその対策方法、さらに医療機関を受診する判断のポイントを紹介しました。
新生児の便秘は、状況に合わせてミルクの量を増やしたり、マッサージをしてあげたり、さらに肛門刺激をしてあげたりすることで、ひどい便秘になることは避けられます。病院を受診すべきサインはしっかりと確認したうえで、少しでも赤ちゃんが快適に排便できるよう、今回の記事を参考に取り組んでみてください。
このように、赤ちゃんの便秘対策では、家庭でのケアと適切な受診判断が不可欠です。特にミルク育児の場合、赤ちゃんの消化をサポートする品質のよいミルク選びも大切です。「明治ほほえみ」は、長年の母乳研究から生まれた、赤ちゃんの発育に必要な栄養をバランス良く配合した乳児用ミルクです。
消化吸収に配慮し、お母さんの母乳に近い成分組成を目指しており、実際に「明治ほほえみ」を飲んで育った赤ちゃんの便のやわらかさは、母乳を飲んで育った赤ちゃんと大きな違いがないことも確認されています。ミルクの種類を見直す際は、赤ちゃんの体に優しい「明治ほほえみ」もぜひご検討ください。