乳のワザ

クリーム

クリームのうまみの秘密、乳脂肪

とろりと流れる白い軌跡が、見た目にもおいしそう

料理にコクをプラスする、味の決め手

シチューやスープをつくるとき、なんだかひと味足りない。そんなときには、仕上げにクリームを加えてみてください。ポタージュスープやビーフストロガノフ、カレーやシチューの仕上げにクリームを回しかけるとコクと風味が加わって料理がぐんとおいしくなります。

これは、クリームの主成分である乳脂肪分がうまみとコクを加えてくれるためです。ただし、乳脂肪分はとてもデリケート。煮立たせると分離したり、風味もとんでしまうので、料理の仕上げにさっと加えるようにしましょう。

クリーム

クリームの乳化を利用してソースに

クリームに含まれる油脂分が少しずつ分離します

クリームソースを上手に作るコツをご紹介

パスタのソースに茹で汁を加えるテクニックをご存知でしょうか。オリーブオイルにパスタの茹で汁を少量加えて混ぜ合わせると、しだいに白っぽくとろみのある液体になります。

これが水と油のように、本来は混じり合わない2つの液体が均一に混ざり合う“乳化”という状態。乳化したソースはうまみや塩味が均一に混ざり、パスタにソースがからみやすくなります。

クリームを使ったパスタソースを作るときにも、この原理を利用します。まず、クリームを入れたなべを加熱して混ぜます。すると、クリームに含まれる油脂分が少しずつ分離しはじめます。ここに茹で汁を加え、さらに撹拌することで塩分やうまみがとけ込んだ水分と油脂分が混ざり合って、再度乳化が起こります。これが、おいしく仕上がったクリームソースの状態。ポイントは加熱&撹拌です。
混ぜ合わせるときは箸を何本か使って混ぜ合わせるのもおすすめ。ただし、クリームは分離しやすいのであまり激しく混ぜるともったりしすぎたり、再度分離することもあるのでご注意ください。