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カカオからチョコレートができるまで|カカオ豆からの作り方・製造工程を解説します

2026/09/17

カカオからチョコレートができるまで|カカオ豆からの作り方・製造工程を解説します

チョコレートは、カカオの実から取り出したカカオ豆を発酵・乾燥し、ロースト、分離、磨砕、混合、微細化、精練、テンパリングなどの工程を経て作られます。カカオ豆は途中で「カカオニブ」「カカオマス」へと姿を変え、砂糖などを加えて、私たちが普段食べているチョコレートになります。この記事では、カカオからチョコレートができるまでの作り方・製造工程を、順を追ってわかりやすく紹介します。

カカオからチョコレートができるまで

チョコレートは、カカオの実から取り出したカカオ豆を発酵・乾燥させた後、さまざまな工程を経て作られます。

→カカオ豆の収穫から乾燥させて出荷するまでについては
「カカオ豆の原産地はどこ?品種別の特徴、収穫からチョコレートになるまでを紹介」をチェック!

まず、産地から調達したカカオ豆を工場で受け入れ(①原料調達)、チョコレート作りに適したカカオ豆を選別します(②選別)。次に、カカオ豆をローストして香りや風味を引き出し(③ロースト)、細かく砕いて種皮などを取り除くことで「カカオニブ」にします(④分離)。

できあがったカカオニブを細かくすりつぶすと、ペースト状の「カカオマス」になります(⑤磨砕)。そこに砂糖やココアバター、乳原料など、作るチョコレートに応じた原料を加えて混ぜ合わせ(⑥混合)、さらに粒子を細かくして、なめらかな口当たりに整えます(⑦微細化)。その後、時間をかけて練り上げる精練(コンチング)によって、チョコレート特有の風味やなめらかさを引き出します(⑧精練)。

その後、温度を調整するテンパリングによってココアバターを安定した結晶にし(⑨調温)、型に流し込みます(⑩充填)。そのまま冷却してチョコレートを固め(⑪冷却)、最後に型から取り出すことで(⑫型抜き)、私たちが普段目にするチョコレートが完成します。

段階主な工程状態
①収穫→取り出し→発酵→乾燥カカオの実→カカオ豆
②選別→ロースト→分離→磨砕カカオ豆→カカオニブ→カカオマス
③混合→微細化→精練→テンパリング→充填→冷却→型抜きカカオマス→チョコレート

このように、原料調達、選別、ロースト、分離、磨砕、混合、微細化、精練、調温、充填、冷却、型抜きという多くの工程を経て、カカオ豆はチョコレートになります。ここからは、それぞれの工程でどのような作業が行われているのか、詳しく見ていきましょう。

①原料調達…良質なカカオ豆を調達する

おいしいチョコレートに欠かせないのが良質なカカオ豆。カカオ生産国で発酵・乾燥を終えたカカオ豆は、麻袋に詰められ工場に運ばれます。カカオは農産物ですので年によって気候などの様々な影響を受けますが、技術を駆使して、品質を安定させています。

カカオ豆の産地で異なる味わい・香り

原料となるカカオ豆の産地により、味や香りが異なるチョコレート。世界各国のカカオ豆にはそれぞれ特徴があります。それぞれの作り手の製法や配合により違いが出る場合もありますが、食べ比べをしてみると産地ごとの違いがわかり、新しい発見があることと思います。

カカオ豆の産地について詳しくは
→「カカオ豆の原産地はどこ?品種別の特徴、収穫からチョコレートになるまでを紹介」

②選別…カカオ豆を選別する

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生産国から輸入されたカカオ豆から、悪い豆や、砂、ゴミなどの異物を取り除き、良いカカオ豆だけが次の工程に進みます。機械を使う場合と手作業で選り分ける場合もあります。品種ごとに貯蔵し、次の工程へ送られます。

③ロースト…カカオ豆をローストする

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次に、カカオ豆は100~140℃の熱を加えてローストされ、カカオ豆独特の香りと風味を引き出します。ローストにより生じる香りの成分は、1000種類以上あると言われており、このロースト工程でチョコレートの香りが決定づけられます。また、発酵工程で生じた微生物の殺菌もロースト中、もしくはロースト前後に行われます。

求める風味で選ぶロースト法

代表的なロースト法は次の2つがあります。豆のままローストする「豆ロースト法」は、ローストによりその後の分離(シェルを豆から分離する工程)が容易になる利点があります。また、揮発性のカカオ香気がロースト中にシェルに包まれて維持されるため、繊細な香気を有するカカオマスを製造する際に多く採用される方法です。一方、カカオニブをローストする「ニブロースト法」は、豆を小さく砕いてからローストすることで、熱を内部へ伝わりやすくするロースト方法です。ローストの温度や時間の設定は、どのようなチョコレートの味わいにするかにより変わり、例えば、高温深煎りでは苦味とコクのある深い味わいに、低温浅煎りの場合はカカオ豆の特徴を残した品質になります。使用するカカオ豆の個性を見極め、それを生かしたロースト方法が選択されます。

④分離…カカオ豆を砕きカカオニブを取り出す

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左:シェル(種皮)右:カカオニブ(カカオ豆の胚乳部)

カカオ豆を粗く砕き、シェル(種皮)などを取り除いてカカオニブ(カカオ豆の胚乳部)を取り出します。種皮が多く残っていると仕上がりのチョコレートの雑味に繋がるため、きちんと分離する必要があります。

カカオニブはそのまま食べられる

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カカオニブには6~9%のポリフェノール類が含まれています。スーパーフードとしても注目されるカカオニブは、歯触りと香ばしい風味が魅力で、ヨーグルトやアイスクリームのトッピングなど、普段の食事に気軽に取り入れられる素材です。最近では、カカオニブを蜂蜜に漬けた商品なども市販されています。

⑤磨砕…カカオニブを磨砕してカカオマスを作る

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次に、カカオニブをすりつぶしてペースト状にします。すりつぶすことでココアバターがにじみ出てどろどろのペースト状になり、これがチョコレートやココアの原料になります。

カカオマスについて詳しくは
→「カカオマスとはカカオニブをすりつぶしたもの。製造工程、含まれる成分などを解説」

⑥混合…カカオマスに砂糖や粉乳などを混ぜる

できあがったカカオマスに砂糖やココアバター、粉乳などを混ぜ合わせます。どのような味わいのチョコレートにするかにより、配合に合わせた原材料がここで加えられます。ホワイトチョコレートの場合はカカオマスが含まれないので、ココアバターと砂糖、粉乳を混合して作られます。

⑦微細化…粒子を微細化する

次にチョコレート生地の粒子を微細化する作業に進みます。ここでは粒子を20ミクロン(1ミクロンは1/1000ミリメートル)以下まで細かくします。大きな工場では複数のロールがある機械を使いますが、中小規模の作り手は、この後の精練という工程と同じ機械を使って微細化と精練を同時に行う場合もあります。

チョコレートがなめらかな理由

人間の舌は一般的に20ミクロン以下ではざらつきを感じないため、この大きさまでチョコレート生地の粒子を細かくすることで、なめらかな舌触りのチョコレートになります。おいしいチョコレート作りのために重要な工程となります。

⑧精練…精練(コンチング)して風味を整える

チョコレート生地を長時間練り上げる作業を、精練またはコンチングといいます。強い力をかけて練ることで徐々にチョコレート生地に流動性が生まれ、なめらかになっていきます。また、コンチングの間にチョコレートに含まれる水分蒸発が促進され、酢酸も蒸散されていきます。酢酸の揮発もこの工程の役割のひとつです。

適度な酸味を残したチョコレートも人気

カカオ豆は発酵の過程で酢酸が生じるため、最終的なチョコレート生地にも酸味があります。酸味が強すぎれば不快に感じる場合もありますが、全く酸味がないとぼんやりした味わいになります。最近では、カカオ本来の酸味を味わうチョコレートも販売され、適度な酸味のチョコレートは好まれる傾向にあります。

⑨調温(テンパリング)…安定した結晶を作り出す

チョコレートを固めるうえで最も大切なのはテンパリング呼ばれる工程です。これは、チョコレートの温度を調整し、ココアバターの結晶を安定させる作業で、正しくテンパリングすることでチョコレートがきちんと固まり、艶のある口どけの良いチョコレートができあがります。

テンパリングについて詳しくは
→「チョコレートのテンパリングとは?失敗による影響と成功のコツ」

⑩充填…型に充填する

できあがったチョコレート生地を型に流し込みます。この時、型を激しく振動させたり台に打ち付けたりすることで気泡を除き、型の隅々までチョコレート生地を行き渡らせるように作業します。こうすることで見た目も形もきれいなチョコレートになります。

⑪冷却…冷却する

成型したチョコレートを適切な温度で冷やし固めることで、チョコレートの表面が白くなったりざらついたりする「ファットブルーム」や「シュガーブルーム」という現象を防ぐことができ、艶のあるチョコレートに仕上げることができます。

⑫型抜…型抜きする

型を裏返し、チョコレートを型からはがします。それをアルミ箔やレーベルで包装し、箱詰めします。板チョコレートはすぐに出荷せず、倉庫の中で一定期間熟成(エージング)させてから温度管理された状態で出荷されます。その後、チョコレートの保管に適した温度で店頭に並びます。

チョコレートの作り方も意識して食べてみよう

カカオ豆はたくさんの工程を経てカカオニブ、カカオマスへと状態を変化させながらチョコレートになります。何気なく食べているチョコレートも作り方を知ると、風味や食感をさらに楽しめることでしょう。使用するカカオ豆の産地や品種によってもチョコレートの味わいは異なりますので、ぜひ食べ比べしながら楽しんでみてください。

【漫画で学ぶ、チョコレート③】
→「カカオ豆」がチョコレートになるまで


カカオからチョコレートの作り方についてよくある質問

Q. カカオからチョコレートはどうやって作る?
A. カカオの実から取り出したカカオ豆を発酵・乾燥し、ロースト、分離、磨砕、混合、微細化、精練、テンパリング、成型などの工程を経てチョコレートになります。

カカオからチョコレートを作るには、まずカカオの実から取り出したカカオ豆を発酵・乾燥させます。その後、カカオ豆を選別してローストし、砕いて種皮などを取り除くとカカオニブになります。さらにカカオニブをすりつぶしてカカオマスにし、砂糖や粉乳などを混ぜます。粒子を細かくする微細化、風味となめらかさを整える精練、温度を調整するテンパリングを行い、型に流して冷却し、型から取り出すことでチョコレートが完成します。

Q. カカオ豆からチョコレートは家庭でも作れる?
A.はい、カカオ豆からチョコレートを家庭で作ることは可能です。

一般的には、カカオ豆をローストして種皮を取り除き、カカオニブにした後、細かくすりつぶしてカカオマスを作ります。そこに砂糖やココアバターなどを加え、よく混ぜてなめらかにし、テンパリングをして型に流し、冷やし固めれば完成です。ただし、工場のように専用設備で微細化や精練を十分に行うのは難しいため、市販のチョコレートとは口当たりや風味が異なることがあります。

Q. カカオ豆はそのままチョコレートになる?
A.カカオ豆は、そのままでは私たちが普段食べているチョコレートにはなりません。

発酵・乾燥したカカオ豆を選別し、ローストしてから砕き、種皮などを取り除くとカカオニブになります。そのカカオニブを細かくすりつぶすことで、ペースト状のカカオマスになります。さらに、カカオマスに砂糖や粉乳などを加え、微細化や精練、テンパリングといった工程を経て、型に流して冷やし固めることでチョコレートが完成します。カカオ豆は、いくつもの加工工程を経てチョコレートへと姿を変えます。

Q. カカオニブとカカオマスの違いは?
A.カカオニブとカカオマスの違いは、加工の段階と形状にあります。

カカオニブは、ローストしたカカオ豆を砕き、種皮などを取り除いて残った胚乳部分で、小さな粒状をしています。一方、カカオマスは、そのカカオニブを細かくすりつぶしてペースト状にしたものです。カカオニブにはもともとカカオバターが含まれているため、磨砕すると油分がにじみ出てどろどろの状態になります。
チョコレートは、このカカオマスに砂糖や粉乳などを加え、さらに加工して作られます。

Q. チョコレートにはなぜ砂糖を入れる?
A.味わいを整えるためです。

カカオマスにはカカオ特有の苦味や渋味があるため、砂糖を加えることでバランスを調整し、カカオのフレーバーが引き立ちます。

なお、ミルクチョコレートでは乳原料なども加えられます。原料の種類や配合は、作るチョコレートの種類や目指す風味、食感によって異なります。その配合の違いも、チョコレートの個性につながります。