基礎知識

オペラってどんなケーキ?歴史や有名ブランドについても解説

2023/04/28

オペラってどんなケーキ?歴史や有名ブランドについても解説

フランス菓子のひとつである「オペラ」というケーキ。どんなケーキなのか、その特徴や歴史、またオペラで知られる有名ブランドについてもご紹介します。

オペラケーキの特徴は?

フランス語で「opéra」と記すオペラは、ビターチョコレートとコーヒーの香り高い風味がマッチした、とてもリッチな味わいのチョコレートケーキ。フランス・パリのオペラ座を模したと言われており、金箔を飾ったシンプルで高級感のある見た目が特徴です。ここでは、まずはオペラがどのように作られているのか、基礎知識を解説します。

オペラはどんな構造のケーキ?

オペラを知るには、まずはその構造を押さえておきましょう。
菓子の分類には様々なものがありますが、「アントルメ(entremets)」というカテゴリに属します。アントルメとは、切り分けて供する大型菓子、ホールケーキのことを言います。その中でオペラはチョコレートを使ったケーキの1つです。
ビスキュイジョコンドというアーモンドパウダーを使った長方形のスポンジ生地に、コーヒー風味のシロップを浸み込ませて幾段にも重ねます。その間にはコーヒー風味のバタークリームとチョコレートガナッシュが挟まれています。生地とクリーム、チョコレートガナッシュの層の数は、作り手やブランドにより異なります。表面にはチョコレートのグラサージュをかけ、固まったらサイドを切りそろえます。細長くカットされ、金箔を飾って仕上げるのが一般的です。

オペラケーキの歴史

見た目はシンプルながらも深みのある味わいで知られるフランス菓子、オペラ。このケーキがどのように生まれたのか、オペラの歴史を解説します。

オペラはどこの国で生まれた?

オペラはフランス生まれ。「パリの「ダロワイヨ」というパティスリーの代表的なお菓子であり、「ダロワイヨ」で1955 年に考案されたというのが定説であるが、実はこのお菓子のもとになるものが、ダロワイヨの親戚であったパティスリーですでに作られていたらしい。そのパティスリーは「マルセル・ビュガ」といって、この店のオーナーは、当時ダロワイヨのオーナーの義理の兄弟であった。マルセル・ビュガは、戦前戦後に活躍していたパティシエ、ルイ・クリシーから店を譲ってもらった際に、看板商品だったクリシーと呼ばれていたこのお菓子のレシピを取得。数年後、ビュガが家でディナーを催したとき、クリシーを作って出したところ、ダロワイヨのオーナーが気に入り、クリシーをオペラと改め、店に並べたのだという。」(1)
(1)引用:フランス菓子図鑑 大森由紀子著

オペラケーキの名前の由来は?

ダロワイヨのオーナーが名付けた「オペラ」は、1875 年に完成したパリ9区にある有名な歌劇場、オペラ座ガルニエ宮が名前の由来です。また、ダロワイヨにやってくるオペラ座のエトワールや練習生たちに捧げた命名という説もあります。

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オペラの金箔の意味は?

オペラ座にそびえたつ金のアポロン像に見立て、オペラの表面に金箔をあしらうなど、ダロワイヨのオーナーは、豪華なオペラ座のイメージにふさわしいアレンジを施しました。金箔を飾るのが一般的ですが、店によっては表面にチョコレートでopéraと文字を入れることもあります。

オペラで有名なブランドは?

オペラの特徴や歴史などの基礎知識がわかったところで、最後に日本国内でオペラを販売するブランドをご紹介します。

パリの名店「ダロワイヨ」のオペラ

1802年に創業したダロワイヨは、フランスを代表する美食の名店の1つ。その歴史は1682年、シャルル・ダロワイヨがヴェルサイユ宮殿にてフランス王家の食膳係を務めていたころにさかのぼります。日本のダロワイヨでも出店以来、フランスの伝統の技と精神を受け継ぎ、パリ・ダロワイヨと同じレシピを使いながら、日本の風土にあった独創性を加味しています。
ダロワイヨのオペラは、コーヒー風味のバタークリーム、ガナッシュ、ビスキュイジョコンド、グラッサージュの7層からなる重厚な味わい。定番サイズ以外に、パーティやイベント用の特注サイズも対応する他、食べやすいサイズにカットして詰め合わせた「オペラサンク」という商品もあります。パリに本店を構え、東京、神奈川、埼玉に店舗を展開するほか、オンラインショップでもオペラを販売しています。
住所:ダロワイヨ自由が丘本店/東京都目黒区自由が丘2-11-2

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「パティスリーSATSUKI」のオペラレジェール

東京、赤坂にあるラグジュアリーホテル「ホテルニューオータニ」の中にある「パティスリーSATSUKI」。総料理長 中島眞介氏のオリジナルケーキと焼きたてパン約100種のバリエーションが楽しめるペストリーブティックです。ここで販売する『オペラレジェール』は、なめらかな舌触りで濃厚なコロンビア産カカオのチョコレートガナッシュに、香ばしい風味のアーモンド生地、さっぱりとしたバニラ風味のクリームも加えて、全8層に重ねられています。食感の変化と、チョコレートの濃厚な香りが楽しめるオペラです。
住所:ホテルニューオータニ「パティスリーSATSUKI」/東京都千代田区紀尾井町4-1 ザ・メイン ロビィ階

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まとめ

フランス菓子は歴史や伝統に裏打ちされたものも多く、オペラもそのひとつです。ブランドや作り手により菓子の組み立て(層の数や風味など)や、デコレーションなどに違いがあり、比較してみるのも興味深いですね。
歴史や飾りの意味などちょっとした知識があると、食べる時により楽しめると思います。ぜひパティスリーなどでオペラを見かけたら、そうした背景を思い出しながら味わってみてください。