基礎知識

ジャンドゥーヤとは?作り方や選び方、プラリネとの違いも解説。

ジャンドゥーヤとは?作り方や選び方、プラリネとの違いも解説。

ジャンドゥーヤとは、ペースト状にしたナッツにチョコレートを加えてローラーにかけたもの。またヘーゼルナッツなどを加えたチョコレートを指す場合もあります。本記事では、ジャンドゥーヤについて詳しく解説すると共に、混同されやすいプラリネとの違い、レシピ、選び方を紹介します。

ジャンドゥーヤとは?

ジャンドゥーヤは、ローストしたナッツに砂糖を加えてペースト状にし、チョコレートを混ぜ合わせたものです。まずは、ジャンドゥーヤの特徴や起源、名前の由来を紹介します。

basic22_002.jpg

ジャンドゥーヤの特徴

ジャンドゥーヤ(gianduja)とは、ローストしたヘーゼルナッツまたはアーモンド(またはその両方)に砂糖を加えてすりつぶしてペースト状にし、チョコレートを混ぜ合わせてローラーにかけたものを指します。船を逆さまにしたような三角柱の形が特徴的で、そのままジャンドゥーヤ単体で食べるほか、ボンボンショコラのセンターにもよく使われます。ヘーゼルナッツやアーモンドのほか、ピスタチオで作るタイプやその他のナッツが入るジャンドゥーヤもあります。加えるチョコレートはビターやミルク、ホワイトチョコレートなどブランドや商品により様々で、バリエーション豊かな味わいを楽しむことができます。
少数ですがローストして砕いたヘーゼルナッツを加えたパターンもあります。

ジャンドゥーヤの起源

ジャンドゥーヤの起源は、ヘーゼルナッツがたくさん自生していたイタリア北西部のピエモンテ地方。1826年にピエモンテ州トリノで最初のチョコレート会社として創業した「カファレル」の職人が、1865年に世界初のジャンドゥーヤチョコレートを発明しました。
ヘーゼルナッツをふんだんに使用する同社のジャンドゥーヤは、ヘーゼルナッツペーストその含有量が28%と多いため生地が柔らかいのが特徴。型に流すのではなく、押出成形という手法で絞り出し、ゆっくりと冷却して固める製法により、独特の三角柱の形が生まれました。

ジャンドゥーヤの名前の由来

ジャンドゥーヤは初め、ピエモンテの方言で残片を意味する「ジヴー」という名前でした。その後、イタリア北部で生まれたコンメディア・デッラルテ(仮面を使用する即興演劇)の人気キャラクター、ジャンドゥーヤがパレードでジヴーを披露したことから、彼の名前で呼ばれるようになりました。酒飲みで陽気な美食家ジャンドゥーヤは、ジャンドゥーヤの生みの親・カファレルのシンボルとして、同ブランドのパッケージにも多く用いられています。

ジャンドゥーヤとプラリネの違い

ジャンドゥーヤに似ていて混同されやすいのがプラリネ。使用する原料は似ていますが、作る工程や食感などが異なります。ここではジャンドゥーヤとプラリネの違いについて解説します。

プラリネとは

プラリネは、一般的には砂糖を煮詰めた糖液をアーモンドやヘーゼルナッツにかけたものや、これを砕いたものを指します。それをローラーにかけてペースト状にしたものはプラリネペーストですが、略してプラリネと呼ぶこともあります。また、このプラリネペーストをとかしたチョコレートに混ぜたものもプラリネといいます。
アーモンドが原料のものはアーモンドプラリネ、ヘーゼルナッツが原料のものはヘーゼルナッツプラリネと呼ばれます。

ジャンドゥーヤとプラリネの違い

ジャンドゥーヤとプラリネには2つの違いがあります。
1つ目の違いはチョコレートの有無です。ジャンドゥーヤはローストしたヘーゼルナッツやアーモンドとチョコレートを合わせて作りますが、プラリネは必ずしもチョコレートを加えるものではありません。
2つ目はキャラメリゼによる違いです。プラリネは、砂糖を煮詰めてカラメル色になった糖液をナッツに絡める「キャラメリゼ」という工程があり、独特の香ばしい香りや食感が生まれます。ジャンドゥーヤもナッツと砂糖を使いますが、キャラメリゼはせず、ローストしたナッツに砂糖を加えてすりつぶします。これらのことから、ジャンドゥーヤとプラリネは似ているようでも、全く違う仕上がりの風味や食感になるのです。

ジャンドゥーヤの作り方

basic22_003.jpg

次に、ジャンドゥーヤの作り方を紹介します。

<材料>
・ヘーゼルナッツ(皮なしホール):500g
・粉糖:50g
・ダークチョコレート(カカオ分60~70%程度):500g
<作り方>
1.ヘーゼルナッツを150~160度のオーブンで15分程ローストし、十分に冷ます。
2.ふるった粉糖と1.のヘーゼルナッツをフードプロセッサーに入れ細かく粉砕する。
3.チョコレートを入れたボウルを湯煎にかけて40~50度にとかす。
4.2.にとかしたチョコレートを加えて均一に混ぜる。
5.バットにラップを敷き、その上に4.を広げてラップで包み、17~18℃の室温で冷ます。

※お好みでヘーゼルナッツをアーモンドに変える、またはミルクチョコレートにすることもできます。

ジャンドゥーヤの選び方

ジャンドゥーヤは、主にヘーゼルナッツを使用していますが、加えるナッツやチョコレートの種類によって風味が変わります。食べ比べして自分好みのジャンドゥーヤを見つけるのも楽しいかもしれません。ここでは、ジャンドゥーヤの選び方を紹介します。

ナッツの種類で選ぶ

ジャンドゥーヤの主原料となるナッツの種類により、異なる味わいを楽しむことができます。ヘーゼルナッツは独特の香りやナッツのコク、ピスタチオは濃厚な風味があり、ホワイトチョコレートと合わせることが多く見た目の緑色も特徴的です。
アーモンドはコクがあり香ばしい風味があるなど、ナッツの違いで食べ比べてみるのも楽しみのひとつです。さらに、ナッツをベースにベリー系や柑橘などのフルーツ、コーヒーやバニラを合わせたものなど、ジャンドゥーヤの種類は多岐に渡ります。

チョコレートのテイストで選ぶ

使われているチョコレートの種類で選ぶのもひとつの方法です。ミルクチョコレートのジャンドゥーヤは、ミルクとナッツの濃厚な味わいを楽しみたい人におすすめ。またビターチョコレートを使用したものは、カカオの風味とナッツのコクを味わいたい人におすすめのジャンドゥーヤです。あまり多くはありませんが、ブランドによってはホワイトチョコレートで作ったジャンドゥーヤもあります。日頃食べている好みのチョコレートの味わいにより、ジャンドゥーヤを選んでみるのも楽しいですね。

ナッツとカカオの風味豊かなジャンドゥーヤで、至福のひとときを

ナッツを贅沢に使ったジャンドゥーヤは、口の中でまろやかにとけ、香ばしい香りや風味を感じられます。様々な形状がありますが、特に三角柱の形のものは見た目も可愛らしく、プレゼントにもぴったりです。ナッツやチョコレートの種類によって味や食感が変わりますので、お好みのジャンドゥーヤを見つけてみてはいかがでしょうか。