基礎知識
抹茶チョコレートはどう作られる?おすすめの抹茶チョコレートも紹介
2023/12/15
チョコレート専門店のみならず、スーパーやコンビニエンスストアなど身近な場所でも購入することができる抹茶チョコレート。抹茶の風味や独特の緑の色合いが好きという方も多いと思います。この記事では、抹茶チョコレートがどのように作られているのかを解説します。また、おすすめの抹茶チョコレートもご紹介しますので、商品選びの参考にしてくださいね。
茶とは?
ツバキ科に属する茶樹の若芽(葉)を摘んで、飲料用につくったものを茶と言います。様々な種類の茶があり、それらは製法により分けられます。発酵した発酵茶(紅茶)、半発酵茶(ウーロン茶など)、不発酵茶(緑茶)に大別され、さらに、製法、原料の種類、形などによって、下記の表のように分類されます。
この表を見ると、抹茶は不発酵茶の中のひとつであることがわかります。
「抹茶」とは、玉露と同様に覆下園から摘採した茶芽を蒸し、もまずに乾燥した<てん茶>を石臼で微粉末にしたものです。もとは茶の湯などに用いられていて、抹茶用茶碗に入れ、湯を加えて茶せんでかき回して泡を立てて飲みます。
抹茶チョコレートとは?
抹茶チョコレートとは、その名の通り「抹茶」を加えて作ったチョコレートのことです。どのようなチョコレートをベースに作るのかなど、抹茶チョコレートの特徴を紹介します。
抹茶チョコレートの特徴
抹茶チョコレートは、チョコレート生地や準チョコレート生地に抹茶を加えて作ります。見た目が黄緑~緑色の抹茶チョコレートは主にホワイトチョコレートがベースになっています。抹茶をホワイトチョコレートベースの生地に加えることで、抹茶特有の緑色や、さわやかな渋味とうま味をいかした商品になります。
一方、ダークチョコレートやミルクチョコレートに抹茶を組み合わせることで、カカオの香りと抹茶の香りをうまくマリアージュさせた商品もあります。
抹茶チョコレートの歴史
和菓子に抹茶を入れた最初はおそらく茶団子と考えられており、京都・宇治の「総本家大茶萬」の創業者・須知万吉氏が大正8(1919)年に考案した「元祖茶だんご」がその最初とされています。(1)(2)その後、昭和の時代には抹茶飴や抹茶羊羹、抹茶ソフトクリームなどがいくつかの菓子店で開発、販売された歴史があります。(1)
チョコレートに関してはどの会社のどの商品が最初か明確ではありませんが、大手の菓子メーカーでは、「ロッテ」が昭和57(1982)年の夏に、抹茶入りチョコレートに甘納豆を入れた「古都の四季」という季節限定商品を発売しています。(1)
参考:(1)抹茶と菓子,そして抹茶スイーツ/吉田宗弘,南方麻希 関西大学化学生命工学部栄養化学研究室
(2) 総本家大茶萬:大茶萬の歴史
おすすめの抹茶チョコレート
抹茶チョコレートの基礎情報がわかったところで、最後におすすめの抹茶チョコレートをご紹介します。
明治抹茶チョコレートBOX
まろやかなミルクチョコレートに、一番摘み抹茶を使用した抹茶クリームを包んだタイプのチョコレート。抹茶の華やかな香りと旨みを味わうことができます。個包装になっているので携帯しやすく、普段の外出や行楽などにもぴったりの商品です。ひと口サイズで食べやすいのも特徴です。手軽に抹茶チョコレートのおいしさが楽しめます。
Premium MATCHA 78種各2本入りスティック/ななや(静岡)
静岡県藤枝市に工房を構え、京都や東京(青山)にも店舗を構えるお茶の専門店「ななや」。お茶を使ったアイスクリームやチョコレート、各種スイーツなどを扱っています。
このスティックタイプのチョコレートは、抹茶の濃さが違う7種類にほうじ茶チョコレートを加えた計8種類。パステルのような美しいグラデーションが目を引きます。
香料やレシチンは使わず、カカオバターをベースに抹茶と静岡県産ミルクを使用しています。特に最高濃度のレベル7は、商品が型崩れしないギリギリの抹茶配合量に挑戦しているとのこと。
甘味を感じる抹茶が薄めのものから、しっかり濃厚な味わいまで、いろいろな濃さの抹茶を比べて楽しめる商品で、2019年秋のサロン・デュ・ショコラ パリでは現地の方にも好評だったそうです。
生チョコレート(抹茶)/ロイズ
ホワイトチョコレートをベースに抹茶と生クリーム、洋酒を風味付けに加えてつくった生チョコレート。生チョコレートならではのなめらかな口どけ、ホワイトチョコレートと生クリームのまろやかな味わいに、すがすがしい抹茶の風味が広がります。すっきりとした後味に仕上がっています。
きょうの宙 お濃茶/マールブランシュ 加加阿365
マールブランシュ 加加阿365は、ヨーロッパ生まれのお菓子「チョコレート」を京都で育てるとしたら...という発想で誕生したチョコレート専門店。京都の流儀で加加阿(カカオ)のある暮らしを提案しています。
「きょうの宙(そら)お濃茶」は、茶葉の違いによる個性を楽しむ同ブランドのグランクリュシリーズ。同じ生産者の同じお茶でも品種や収穫年によって特徴が全く異なり、それを表現した商品です。「あさひ」と「さみどり」がそれぞれ持つ香りや味、また、ボンボンショコラに仕立てたからこそ引き出せたお濃茶本来の味わいを楽しむことができます。
※上記は取材当時の内容です。
家庭で楽しむ抹茶チョコレートのレシピ
家庭で抹茶チョコレートを楽しむにはどのような方法があるのでしょうか?
ひとつは、ホワイトチョコレートをベースに抹茶を加える作り方です。例えば、比較的簡単に作れるレシピとして抹茶の生チョコレートがあります。
<材料>(8×11㎝くらいのバットやタッパー)
・生クリーム 50g
・ホワイトチョコレート 140g
・抹茶 1.5~2g
・抹茶(周囲にまぶすためのもの) 適量(20g程度)
・粉糖(周囲にまぶすためのもの) 適量
<作り方>
① ホワイトチョコレートは刻み、湯煎にかけます。この時、お湯の温度が熱すぎるとチョコレートが変質するので50℃程度の湯煎に当て、チョコレートをとかします。
② 抹茶を茶こしでふるいながら①に加え、よく混ぜます。
③生クリームを耐熱容器に入れ、レンジ500Wで数十秒ずつ加熱し、ふつふつとしてくるまで温めます。(20秒×2回程度が目安ですが、様子を見て時間を調整してください。)
④ ③を②のボウルに少しずつ加え、全体が均一になるまで混ぜます。
⑤オーブンシートを敷いたバットやタッパーなどに流し入れ、冷まします。その後、冷蔵庫で冷やし固めます。
⑥3時間ほど固めたら、お湯で温めたナイフで好みの大きさにカットし、周囲に抹茶(または、抹茶と粉糖を合わせたもの)をまぶします。
また、上記のように抹茶を混ぜ込む方法はダマになりやすいため、市販の抹茶風味のクーベルチュールを使用するというのも簡単で便利です。抹茶風味のクーベルチュールは、とかしてコーティング用に使ったり、生クリームと合わせて生チョコレートを作ったりするなど、手軽に抹茶チョコレートのスイーツを作ることができます。
まとめ
独特の色合いや風味でファンが多い抹茶チョコレート。今では、海外でも国によっては「マッチャ」という言葉が通じるほど、人気が出てきている素材のひとつです。ブランドによってホワイトチョコレートをベースにしているもの、ミルクやビターチョコレートに加えたものなどタイプが異なるものが販売されています。それぞれの特徴を把握したうえで味わい、抹茶チョコレートの魅力を堪能してみてください!