基礎知識

チョコレートの分類はいくつある?原材料や製造方法でみる違いと特徴

2021/11/12

チョコレートの分類はいくつある?原材料や製造方法でみる違いと特徴

チョコレートは、見た目、味わい、香りなどによりさまざまな違いがあり、原材料や加工方法で分類・種類が異なります。
普段、何気なく目にしているチョレートがどのように製造されて、分類されているのか......。
ここではチョコレートの分類と表示規約、加工方法で異なるチョコレートの特徴をご紹介します。

原材料の違いによるチョコレートの分類

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チョコレートとは、カカオの種子を発酵、ローストなどの製造工程を経てすりつぶしたカカオマスにココアバター、砂糖、乳製品などの主原料を配合した食品です。
チョコレートの分類は、基本的にこの主原料の配合でとらえられています。ここでは、チョコレートの主な分類と特徴を見ていきましょう。

ダークチョコレート

ダークチョコレートはカカオマス、ココアバター、砂糖、レシチン、香料などで作られたチョコレートです。カカオマスが40〜60%以上あり乳製品が入っていないため、カカオ独特の苦味と渋味、香りがあるのが特徴です。スイートチョコレートやビターチョコレートと呼ばれることもあります。
さまざまな健康効果があることで注目されている高カカオチョコレートもダークチョコレートの一つで、一般的にカカオ分が70%以上のものを指します。

ミルクチョコレート

ミルクチョコレートの原料は、ダークチョコレートの原料+乳原料です。ミルクチョコレートは、砂糖の甘味と乳製品のマイルドさがカカオの美味しさを引き立ててくれるため食べやすいでしょう。
ミルクチョコレートに使われている乳原料には全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダーなど乾燥させたものが使用されています。

ホワイトチョコレート

ホワイトチョコレートは、ココアバター、乳製品、砂糖、レシチン、香料などで作られたチョコレートです。カカオマスを使用していないホワイトチョコレートは、見た目もクリーム色でチョコレートと大きく違うように見えます。
しかし、カカオ豆の主成分であるココアバターを原料としているため、チョコレートの一つに分類されています。

チョコレートの表示規約とは

チョコレートの商品表示に関わる配合は、製造者が自由に決めているわけではありません。
チョコレート業界の日本のガイドラインにあたる"チョコレート類の表示に関する公正競争規約"で定められています。
この規約は業界の公正な競争を確保するとともに、チョコレートを購入する消費者が安心して選べるようにすることを目的としており、チョコレートの生地や製品に関する日本の定義、禁止されている不当表示、必要な表示事項、表示する文字の大きさ......と細かく決められています。
ここでは、規約で定められている「チョコレート生地」と「チョコレート製品」の定義について見てみましょう。

チョコレート生地の違い

チョコレート生地は、製造・加工する前のとけたチョコレートや原料として固まっている状態のチョコレートを指します。
原材料に含まれる成分の比率により、チョコレート生地か、準チョコレート生地か、それ以外のものかに分類されます。
(チョコレートと準チョコレートの違いは、使用するカカオ、ココアバターなどの原材料の比率によって変わります)

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引用:全国チョコレート業公正取引協議会HP
https://www.chocokoutori.org/cont3/13.html

チョコレート製品の違い

チョコレート製品は、種類別名称として以下の9種類に分類しています。

  1. 1. チョコレート
  2. 2. 準チョコレート
  3. 3. チョコレート菓子
  4. 4. 準チョコレート菓子
  5. 5. カカオマス
  6. 6. ココアバター
  7. 7. ココアケーキ
  8. 8. ココアパウダー(ココア)
  9. 9. 調整ココアパウダー(調整ココア)
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引用:全国チョコレート業公正取引協議会HP
https://www.chocokoutori.org/cont3/13.html

加工方法でかわる!チョコレートの種類

原材料だけではなく、配合成分の比率でも名称が異なるチョコレートは、加工方法の違いでもさまざまな種類にわかれます。ここでは代表的な加工方法別で見るチョコレートの種類と特徴を紹介します。

チョコレートバー(板チョコレート)

日本では板チョコレート、英語圏ではチョコレートバー、フランスではタブレットとして親しまれているスタンダードなチョコレートです。テンパリング(調温)したチョコレート生地をモールドと呼ばれる型に流して冷却するシンプルな製法で、平たい板のようなモールドを使用します。
チョコレートバーの表面は、形状によって香りや口当たり、味わいが微妙に変わります。凹凸面が異なるチョコレートバーであれば、ひとつのチョコレートでいろいろな香味を楽しめます。

※関連ページ:クーベルチュールと板チョコレートとの違いとは?特徴や種類についても知ろう

ボンボンショコラ

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ボンボンショコラは、一口サイズのチョコレートの総称でポピュラーなものです。ボンボンショコラはシェルと呼ばれるチョコレートにセンターを流しこむタイプ、センターに上からチョコレートコーティングするエンローバータイプなどがあります。
センターの種類によって多種多様なチョコレート製品を作れるのが特徴で、見た目も味わいも全く違うものが楽しめます。

※関連ページ:ボンボンショコラとは「ひと口サイズのチョコレート」。定義や歴史、中身の種類も

ガナッシュ

ガナッシュは、チョコレートをベースに加温した生クリームを混ぜ合わせたもので、クリーム状の食感が特徴です。刻んだチョコレートに生クリームを混ぜあわせていくため、乳化させてなめらかに仕上げていくことがポイントです。
また、ガナッシュはボンボンショコラのセンターに使われる重要な素材の一つ。タルトやフォンダンショコラなどにも応用されているだけではなく、バターやリキュールを足してアレンジすることも可能です。

※関連ページ:ガナッシュとは?生チョコやトリュフとの違いや分離する原因と対処方法

ジャンドゥーヤ

ジャンドゥーヤは、ローストした香ばしいヘーゼルナッツやアーモンドに砂糖を加えてペーストし、チョコレートと混ぜあわせてつくります。栄養価の高いナッツ類を贅沢に使用したジャンドゥーヤは、風味豊かな味わいが特徴です。

※関連ページ:ジャンドゥーヤとはナッツを使ったチョコレート。プラリネとの違いも解説。

トリュフ

球体のフォルムが特徴的なトリュフは、見た目が世界三大珍味のきのこ・トリュフと似ていることからその名前がつきました。
トリュフのなかにはチョコレート生地やココアパウダーなどでコーティングされた外側と、なめらかなガナッシュの口どけの二層構造を楽しめるものもあります。

生チョコレート

生チョコレートは、一般的にガナッシュを冷却して固形化したあとに四角くきりわけられたチョコレートです。口どけの良さはチョコレートの中でもトップクラスで、フレッシュな味わいが楽しめます。
日本では、規約により生チョコレートの基準が定められており、チョコレート生地が全重量の60%以上、かつクリームが全重量の10%以上、かつクリーム分を含む水分が全重量の10%以上であるチョコレートとされています。

※関連ページ:生チョコレートは材料2つでできる⁉賞味期限や保管方法、レシピも紹介

チョコレートの分類・種類を理解して選ぶ楽しみを広げよう

チョコレートの分類・種類や特徴の違いを知ることにより、今までなんとなく選んでいたチョコレート製品も名称や原材料を見てから選ぶ楽しみが増えるはずです。ぜひ、自分好みのチョコレートを見つけてみてください。