牛乳といえばカルシウムを思い浮かべますが、それだけではなく「たんぱく質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミン」がバランスよく含まれています。食品としての牛乳は私たちの生命活動や健康維持に大切な役割を果たしています。
たんぱく質、脂質、炭水化物は、私たちの体をつくる基本的な3大栄養素であり、活動するためのエネルギー源などになります。
その働きを助け、さまざまな体の機能を調節しているのがミネラルとビタミン。この五つを合わせて5大栄養素といいます。たんぱく質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンがそろって、私たちの生命活動は維持され、健康な生活を続けることができます。
私たちは毎日の食事から、5大栄養素を上手にとりいれる必要があります。牛乳は、私たちが必要とするそれらの栄養素の非常に優れた供給源です。
さらに近年の研究で、免疫力を高めて病気になりにくい体をつくる、病原菌の感染を防ぐ、血圧を改善するなど、牛乳のさまざまな働き(生体調整機能)が明らかにされています。
左の図は、成人女性の1日の食事摂取基準に対する牛乳コップ1杯の「栄養充足率」を示しています。カルシウムは約35%、ビタミンB2とビタミンB12は共に25%と高い数値を示しており、これらの栄養素についてはコップ1杯で1日に摂りたい量のそれぞれ3分の1と4分の1を摂取可能であることが分かります。牛乳は、成長期に必要となる栄養素を豊富に含み、幼児や児童、若者などに適した食品です。現代人に増えている生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)は、カロリー摂取過多(食べ過ぎ)と運動不足による肥満が原因です。肥満の解消には、摂取カロリーを減らすことが不可欠ですが、牛乳は少ないカロリーでバランス良く栄養素をとることができる栄養素密度の高い食品で、健康的なダイエットをサポートできます。