政治に生きた、
絶世の美女といわれる女王
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クレオパトラ7世ってどんな人?
クレオパトラ7世は古代エジプトを270年以上も支配した、プトレマイオス朝最後の女王。プトレマイオス12世と、母親のクレオパトラ5世の三女として生まれたといわれています。
世界三大美女のひとりといわれたクレオパトラ7世は、おふろにはバラのオイル、ヤギのミルクなどを入れ、はだやつめにハチミツ、アロエなどをぬったりするほど、日ごろから美容に気をつかっていた、という美にまつわる話が数々残されています。クレオパトラ7世はとても美しいはだの持ち主だったのかもしれませんね。
また、クレオパトラ7世は数カ国語を話せるかしこい女性だったとも伝えられています。
クレオパトラ7世の頭のよさがわかるエピソードのひとつに、ローマの軍人カエサル*との出会いの話があります。ローマと協力関係を結ぼうとするクレオパトラ7世は、反対勢力である弟のプトレマイオス13世たちに国から追い出されてしまいます。クレオパトラ7世は、エジプトと和解をはかろうとしていたカエサルに会って、自分がエジプトの女王としての身分をとりもどし、国をおさめるためにはどうしたらいいか相談したいと思うのですが、カエサルに会いにエジプトにもどるのはむずかしく、どうしようか考えます。思いついた作戦は「カエサルへのおくりものとして運ばれれば、だれにもじゃまされずにエジプトに入れる!」というもの。クレオパトラ7世はじゅうたんに包まり、エジプトに入りこむことに成功するのです。
- ガイウス・ユリウス・カエサル イタリア・ローマの政治家、軍人。「さいは投げられた」、「ブルータス、お前もか」などの名言で有名です。
- クレオパトラ7世の知性と美にまつわるエピソードについてはいろいろな説があり、死後に付け加えられたものだともいわれています。クレオパトラ7世は歴史上の人物であるとともに神話上の人物であるとも評され、事実かどうか確認できない話もふくめ、さまざまなエピソードが語りつがれています。そこでここではとくに有名なエピソードをお伝えすることにしました。
〜絶世の美女といわれるクレオパトラ7世の食事、
生活についてインタビュー〜
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「女王さまは何カ国語も話せるし、美しさを保つために努力されていますよね。何事にも前向きで、すごいと思います」
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「勉強するのは楽しいことよ。それに美容は自分が心地よくすごすためのものだから、苦にならないわ。たとえば、ビネガー(お酢)を飲むことは美容と健康のためによくって好きよ」
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「ビネガーはつかれをとるのにもよいといわれていますものね」
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「ええ、その通りよ。日ごろから健康のためにビネガーを取り入れている人は多いようね」
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「女王さまは、オイルもお好きですよね」
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「そうね、オリーブオイルも、ごま油も好きよ。ナイル川でとれる魚かい類にごま油の香りはとっても合うのよ」
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「エジプトは地中海、ナイル川のめぐみがありますものね。地中海ではスズキ、ボラ、フグ、エビ、カニが、ナイル川ではコイ、ウナギ、ナマズがとれます」
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「魚かい類は、たんぱく質がたっぷりではだにもいいのよ。食べたもので自分の身体がつくられるのだから、何を食べるかはとても大切なことよ」
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「さすが、女王さまは食べることも美容と考えているのですね!ところで、女王さまの一番好きな食べ物はなんですか?」
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「一番好きなのは、モロヘイヤよ。アラビア語で“王様の野菜”という意味のムルキーヤが由来だといわれてるわ。どんな薬もきかないほどの病気になったエジプト王が、モロヘイヤの葉をきざんでつくったスープを毎日飲んで治ったという言いつたえから、“王様の野菜”とよばれるようになったのよ」
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「女王さまは本当に、いろいろなことを知っていらっしゃるのですね!」
モロヘイヤは独特のぬめりがある葉物野菜。アフリカ北部からインド西部が原産地と考えられています。特にエジプトを中心とした中近東で育てられてきました。高温、かんそう地いきでもよく育つ、生命力の強い野菜。今でもエジプトではモロヘイヤのスープが親しまれていて、モロヘイヤを切るための包丁「マハラタ」があるほどです。
- モロヘイヤの栄養について
- カルシウム、ビタミンA・B・C・E・K、カリウム、食物せんい、(こう酸化作用のあるケルセチン)を多く含みます。とくにβ(ベータ)-カロテンは、野菜の中でもトップクラス!ゆでてきざむと独特のぬめりが出てきます。
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※写真はイメージです。
- しんじゅって飲めるの?!
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クレオパトラ7世は、どうしても味方につけなければならなかったローマの軍人、アントニウスをパーティーにまねきます。その席で、耳につけていた大きな、世界で一番といってもいいくらいの大きなしんじゅを外します。そして用意されていた強いビネガー(お酢)にそのしんじゅを入れ、とかして飲みほしてしまったのです。その場にいたすべての人がおどろく、ぜいたくなことをしてみせたクレオパトラ7世。これにはたくさんの戦をしてきたアントニウスもびっくりし、クレオパトラ7世の発想にすっかりほれこんでしまったそう。
そもそも、しんじゅにはカルシウム、ミネラル、アミノ酸がふくまれているため、クレオパトラ7世は美容のために粉にして飲んでいたという話もあります。 - ※マネをしないでください。
- 出典:プリニウス著『博物誌』第9巻<水棲動物の性質>「女性と真珠」より
モロヘイヤを使ったレシピを
見てみよう!
- モロヘイヤと卵のふわとろチーズスープ
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クレオパトラ7世の好物「モロヘイヤ」を栄養たっぷりのスープに。王様になった気分でめしあがれ。
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