おいしい食べ方
チョコレートと日本酒のマリアージュ。組み合わせのポイントを日本酒のプロが解説。 「Hello, Chocolate LESSONチョコレー トと日本酒のマリアージュ」レポート

フランス語で"結婚"という意味を持ち、"相性がいい"という意味で用いられる「マリアージュ」という言葉があります。世界中で愛されているチョコレートには、そんなすてきなマリアージュを迎えられる食べ物や飲み物がたくさんあります。そのひとつがなんと"日本酒"。
株式会社 明治が主催する「チョコレート検定」の合格者を対象にした「Hello, Chocolate LESSON」で、酒造メーカー「奥羽自慢」の阿部龍弥さんを講師に迎え、これまで難しいと言われていたチョコレートと日本酒のマリアージュの可能性についてご紹介しました。
Hello, Chocolate LESSONチョコレートと日本酒のマリアージュ
今回、初のオンライン開催となったHello, Chocolate LESSON。テーマは「チョコレートと日本酒のマリアージュ」。
これまで日本酒とのマリアージュは難しいとされてきたチョコレートですが、ついにカカオの香りを存分に楽しめる日本酒を発見!この感動を共有したいという思いが、今回の開催のきっかけです。
初のオンラインレッスンではあったものの、定員はあっという間に埋まり、31名の受講者が集まりました。
今回のレッスンの内容は主に3つ。まずは基本となる「カカオ~チョコレートの話」、そしてマリアージュの相手となる「日本酒の話」、最後に「チョコレートと日本酒のマリアージュ」のポイントをご紹介していきます。
カカオ~チョコレートの話

まずは、チョコレートの伝道師 須田彩歌によるカカオからチョコレートになるまでの話をおさらい。特に味や香りの決め手となる発酵工程の話と、今回のマリアージュのポイントになる"酸味の質"について詳しく紹介しました。その後、「明治 ザ・チョコレート」の特長を紹介しつつ、みんなでテイスティングを行い、阿部さんにバトンタッチとなりました。
日本酒の話

ここからレッスンを行うのは、日本酒を製造する「奥羽自慢」の阿部龍弥さん。「奥羽自慢」の紹介や日本酒の製造工程について丁寧に説明していきました。普段なかなか聞くことができない内容に、説明中に質問があるなど、受講者も興味津々で盛り上がっていました。
マリアージュを行うチョコレートと日本酒。その2つの特長を抑えたところで、いよいよマリアージュの実践です。
チョコレートと日本酒のマリアージュ
今回のレッスンの目玉となるチョコレートと日本酒のマリアージュ。受講者には事前にレッスンキットが発送されました。
<レッスンキット>
・明治 ザ・チョコレートペルーカカオ70
・明治 ザ・チョコレートブラジルカカオ70
・明治 ザ・チョコレートドミニカ共和国カカオ70
・明治 ザ・チョコレートベネズエラカカオ70
・吾有事(わがうじ) fresh&juicy 純米大吟醸 無濾過生原酒
酒米:出羽燦々
爽やかな酸味とガス感でフレッシュなお酒。マスカットやぶどうを連想する吟醸香
・吾有事(わがうじ) 純米大吟醸 雲の上
酒米:出羽燦々
すっきりとした酸と華やかな南国フルーツを連想するような吟醸香が特徴
・山形酒4号
酒米:山酒4号
とろりとした舌触りとメロンを連想する香りが特徴

まずはマリアージュのポイント。ポイントは全部で3つあり、"質感・味・香り"を合わせることで、すてきなマリアージュが実現します。また、合わせる飲み物はチョコレートに合わせるのではなく、飲み物が最もおいしい温度で合わせることが重要です。
味で合わせるときには、チョコレートと日本酒、それぞれの"酸味の質"が大切で、今回冷たくして飲むタイプの日本酒の方が酸味の質がチョコレートと近く、相性が良いことがわかりました。
阿部実際に日本酒のテイスティングをしてみましょう。香りを確認するときは、目を閉じたり、別の匂いを嗅いでから口に含むとより香りを楽しめます。
『おいしい』や『日本酒の原料は、お米とお水だけなのにフルーツのような香りがするの不思議です』といった感動の声が寄せられるなど、日本酒のテイスティングから大いに盛り上がりました。そして、いよいよチョコレートと日本酒のマリアージュを味わうことに。
「明治 ザ・チョコレートペルーカカオ70」×「吾有事 fresh&juicy 純米大吟醸 無濾過生原酒」
ジャスミンのような華やかな香りとコクを持つ「明治 ザ・チョコレートペルーカカオ70」と、まるでマスカットのような爽やかな酸味と香りを持つ「吾有事 fresh&juicy 純米大吟醸 無濾過生原酒」の組み合わせ。

チョコレートと冷えた日本酒を合わせるときは、先にチョコレートを口の中でとかして、半分くらいとけたら日本酒を口に含むといい具合に混ざり合って、香りを楽しむことができます。
チョコレート単体で食べるときよりも香りの広がりを感じてもらえると思います。
『お酒だけよりも香りが感じられる』、『チョコレートの甘みがぐっと上がる』など、受講者もチョコレートと日本酒のマリアージュを実感したようです。
「明治 ザ・チョコレートブラジルカカオ70」と「明治 ザ・チョコレートドミニカ共和国カカオ70」×「吾有事 純米大吟醸 雲の上」
シトラスのような香りとレモンピールのような軽い渋みが特長の「明治 ザ・チョコレートブラジルカカオ70」と、ラムやシナモンの香りなどスパイシーな味わいながらもフルーティな「明治 ザ・チョコレートドミニカ共和国カカオ70」。それをパイナップルのような南国フルーツを連想する香りが特長の「吾有事 純米大吟醸 雲の上」を組み合わせます。

日本酒は開けたてが一番おいしいかと思ったんですが、開けたあとに数時間置いてまた試してみたところ、日本酒の角が取れてまろやかになり、違った雰囲気が楽しめました。チョコレートと合わせると、酸味や香りがピタっと寄り添い、後半にかけて鼻から抜ける香りがぐっと強くなった気がします。
みなさんもぜひ時間を置いて、また試してみてください。
阿部日本酒には特に賞味期限がないので、いろいろと試してみてください。ちなみに「明治 ザ・チョコレートブラジルカカオ70」と合わせると、まるでブランデーのような香りが感じられてすごく良かったです!
須田今回はカカオ70%の「明治 ザ・チョコレート」を合わせていますが、「明治 ザ・チョコレートブラジルカカオ55」と「山形酒4号」や、開栓してから少し時間を置いた「吾有事 純米大吟醸 雲の上」と「明治 ザ・チョコレートベネズエラカカオ55」の組み合わせも相性が良いですよ。
ポイントを抑えればマリアージュは無限大

チョコレートと日本酒という、一見するとイメージが噛み合わないと思われる組み合わせですが、ポイントを抑えればすてきなマリアージュが実現できることがわかった今回のレッスン。
チョコレートが大好きだという阿部さんも新たな発見や驚きがあったそう。受講者も、マリアージュはもちろん、日本酒の奥深さにも驚いていたようでした。
今回紹介したマリアージュはほんの一例で、チョコレートも日本酒の種類も世の中にはたくさんあるもの。マリアージュのポイントを押さえれば、可能性は無限大に広がっていきます。実際に受講者の中には、紹介した組み合わせ以外にもすでにお気に入りのマリアージュを見つけた人もいたようです。
さまざまな味と香りの変化を楽しみながら、ぜひ新しいマリア―ジュのお相手を探してみてください。
プロフィール
奥羽自慢 阿部龍弥
2012年:楯の川酒造入社
2017年:奥羽自慢出向(製造責任者着任)
2021年:奥羽自慢転籍(取締役就任)
株式会社 明治 カカオマーケティング部 須田 彩歌
ショコラアドバイザー、ワインエキスパート
2008年:明治製菓株式会社(現・株式会社 明治)入社
カカオ・チョコレートの研究開発を担当
2015年:マーケティング部に着任
100%ChocolateCafe.の商品企画開発を担当
2018年:Hello,Chocolate講師を担当
ブランドサイトはこちら
・奥羽自慢:https://oujiman.com/
・Hello, Chocolate:https://www.meiji.co.jp/hello-chocolate/
・チョコレート検定:https://www.kentei-uketsuke.com/chocolate/