基礎知識

チョコレートの賞味期限はどれくらい?種類で異なる理由と保存方法を紹介

チョコレートの賞味期限はどれくらい?種類で異なる理由と保存方法を紹介

チョコレートの賞味期限は、商品に使われている原材料や水分量、包装などによって異なります。一般的な板チョコレートは1年程度と日持ちするものが多い一方、生クリームなどを使った水分の多い生チョコレートやガナッシュは、比較的賞味期限が短くなります。おいしく楽しむためには、パッケージに表示された賞味期限を確認し、直射日光や高温多湿を避けて保存することが大切です。この記事では、チョコレートの賞味期限の基本、種類ごとの考え方、保存方法、そして明治の賞味期限に関する取り組みを紹介します。

チョコレートの賞味期限とは?消費期限との違い

食品の袋や容器には「賞味期限」と「消費期限」が表示されています。似ているようで異なる「賞味期限」と「消費期限」の違いと表示の基本について解説します。

賞味期限は、おいしさなどの品質が保たれる期限のことです。袋や容器を開けないまま、包装に書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」までおいしく食べられる期限が「賞味期限」です。スナック菓子、カップ麺、チーズ、缶詰、ペットボトル飲料など、次に紹介する「消費期限」が表示されている食品に比べて、比較的傷みにくい食品に表示されています。(製造日から3ヵ月以上もつものは「年月」で表示することもあります。)

たとえば、板チョコレートは3カ月以上もつものが多く、そうした商品の賞味期限は「年月」で表示されています。

一方「消費期限」は、急速に劣化する食品に表示され、期限を越えると安全でなくなる可能性があります。弁当、調理パン、惣菜、生菓子類、食肉などに表示されています。

このように2つの期限には違いがあります。

期限設定については、製造業者、加工業者または輸入業者が、科学的、合理的な根拠に基づいて「期限」と「安全係数」を設定し、表示期間を設定します。

上記が一般的な賞味期限、消費期限の考え方です。チョコレートの場合は、味や食感、外観の変化も賞味期限設定に影響します。

チョコレートの賞味期限は商品によってなぜ違う?

チョコレートの賞味期限とひとくちに言っても、なぜ商品によっていろいろな賞味期限が設定されているのでしょうか?それは主に原材料や副原料の違い、水分量などと関係があります。

原材料や水分量の違い

チョコレートには板チョコレートのほかにも様々な種類があります。詳細は次の項目でご紹介しますが、それらは使用する原材料が異なり、含まれる水分量も変わってきます。

一般に、水分が多いと微生物が繁殖しやすく貯蔵性が悪くなるため、どのような原材料を使うかにより、チョコレートの日持ち、賞味期限は変わってきます。一般的に、水分が少ないチョコレートは比較的日持ちしやすく、生クリームなどを使った水分の多いチョコレートは品質が変化しやすいため、賞味期限が短めに設定される傾向があります。

なお、食品中に占める自由水の割合を反映する指標を「水分活性(Aw)」といいます。水分活性の高いものは微生物の被害を受けやすく、水分活性は食品の保蔵性に大きくかかわっています。

ナッツや果実など副原料の違い

チョコレートにはいろいろな副原料が使われます。よく使用されるものとしては、アーモンドやピスタチオなどのナッツ類があり、ホール(そのままの形)やペーストなど形状が異なるものがあります。次に、フルーツ類については、ベリーやかんきつ類、マンゴーなどフルーツの種類の違いと、ドライやフリーズドライ(凍結乾燥)、ピューレなど形状の違いがあり、成分や水分量にも差があります。

またその他に、牛乳や生クリーム、バター、お茶など多様な副原料が使われ、バリエーション豊かなチョコレート商品が作り出されています。こうした、副原料ごとの特性(水分やほかの成分など)の違いにより、最終的なチョコレート商品の賞味期限が変わってくるのです。

このように、どのような原材料を使用するかが、賞味期限に影響します。

種類別に見るチョコレートの賞味期限の考え方

次に、板チョコレート、生チョコ、ガナッシュ、ナッツ入り、クッキー入りチョコレートなど、具体的なチョコレートの種類ごとに賞味期限がどのように異なるのか解説します。

板チョコレート

板チョコレートはチョコレート生地のみで作られた平たい板状のチョコレートです。日本では業界の自主ルールとして、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」でチョコレートの規格基準が定められています。それによると、チョコレート生地の基本タイプの水分は3%以下となっています。水分量が少ないため、板チョコレートは一般的には1年くらい日持ちしますが、ナッツ、フルーツなどの副原料を使用する場合は、チョコレート生地のみのものより賞味期限が短くなることがあります。このように、ひとくちに板チョコレートといっても、チョコレート生地だけのタイプか、副原料が入るかにより賞味期限の設定は異なります。

生チョコレート・ガナッシュ

生チョコレートは、ガナッシュを冷やし固めたものです。多くは、四角い立体に切り分け、ココアパウダーや粉糖などをまぶして仕上げており、生チョコレートはガナッシュそのものといえます。生チョコレートは、チョコレートにクリームなどを加えた、なめらかな口どけが特徴のチョコレートで、水分の多いチョコレートであるため、あまり日持ちはせず、賞味期限は比較的短い種類のチョコレートとなります。

ナッツ入り

種類により異なりますが、ナッツの賞味期限は、チョコレート生地のみで作られたチョコレート単体より短い場合があります。

そのため、板チョコレートにナッツを加える場合は、ナッツの賞味期限に合わせて設定され、シンプルなチョコレート生地のみの製品よりも短めになることがあります。また、ナッツの油脂がチョコレート生地に移行し、ファットブルームという白化現象を起こす場合もあるため、この点も考慮して賞味期限が設定されます。

クッキー入りチョコレート

クッキーをチョコレートでコーティングした商品は、基本的にはクッキーの賞味期限に合わせて設定されることが多いです。但し、どのような原材料のクッキーかによって、その賞味期限は幅があります。チョコレートと組み合わせるクッキーにより日持ちが変わってきます。

賞味期限と一緒に確認したいポイント

商品を購入する際、パッケージの表示で賞味期限を確認することができますが、その他に一緒に確認したいポイントについてもご紹介します。

パッケージの表示を確認する

「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」では、賞味期限の表示も義務付けられています。皆さんも実際に商品を手にする際、裏面などに記載された賞味期限を確認して選んでいると思います。

チョコレート商品の種類によって賞味期限は異なるため、まずは表示を確認しましょう。また、チョコレート専門店などで販売されている1粒売りのチョコレートなどの場合は、お店の方に賞味期限や保存方法を確認してください。

購入時の注意点

パッケージに記載されている保存方法が守られていない商品の購入は避けましょう。また、賞味期限を見たうえで食べきれる分を購入するのがおすすめです。

未開封と開封後では状態が変わる

賞味期限は、袋や容器を開けないまま、パッケージに書かれた保存方法を守って保存していた場合においしさや品質が保たれる期限です。開封後は風味や品質が変化しますので、表示されている賞味期限に関わらず早めに食べましょう。

チョコレートのおいしさを保つ保存方法

次に、購入後のチョコレートのおいしさを保つためのポイントをご紹介します。

高温多湿・直射日光を避ける

チョコレートは温度変化に弱い食べ物です。チョコレートの保存温度で理想的とされているのは15~18℃ですが、各商品の推奨保存温度を確認して適切に保存することが大切です。

直射日光にさらしたり、高温になる場所に置いたりするとチョコレートがとけてしまいます。そういった場所には置かないようにしましょう。

冷蔵庫で保存するときは、におい移りと結露に注意

チョコレートはまわりのにおいや湿気を吸着しやすい性質があります。チョコレートを包装せずにそのまま冷蔵庫に入れると、周囲の食品や庫内のにおいが移ってしまいます。ラップやアルミ箔などで包んだ上から包み紙(インクのにおいのしないもの)やクッキングペーパーなどで包み、ジッパー付きのポリ袋に入れて保存すると、においの吸着や乾燥を防ぐことができます。

また、急な温度変化によりチョコレート表面が結露し、白っぽくなることもあります。(シュガーブルームという現象)冷蔵庫から出したチョコレートを高い室温に置かないなど、温度変化による結露にも注意してください。

開封後は早めに楽しむ

開封後のチョコレートは賞味期限に関わらず早めに食べるのがおすすめです。前述のとおり、チョコレートはまわりのにおいや湿気を吸着しやすいため、その性質を理解したうえで早めにおいしい状態で楽しみましょう。

チョコレートが白くなるのはなぜ?賞味期限との関係

チョコレートはとても繊細な食べ物。しばらく置いていたら表面が白くなっていた、という経験をされた方も多いと思います。チョコレート表面が白っぽくなることを「ブルーム」または「ブルーミング」といいます。基本的には、パッケージに記載されている適切な方法、環境で保管し、賞味期限内であればこのようなブルームは起こりませんが、チョコレートに含まれる油脂分と、砂糖が関係している現象についても解説します。

ファットブルーム

ファットブルームは、チョコレートに含まれるココアバターなどの油脂が原因のブルーム現象です。25℃くらいでココアバターがとけ始めますが、とけた後そのまま冷やされるとココアバターの結晶が粗大化し、チョコレートの表面が白く見えます。保存温度が適切でない場合や、ナッツとの組み合わせで油脂移行により起こる場合もあります。各商品に推奨される温度を確認し、保存することが重要です。

シュガーブルーム

チョコレートを冷蔵庫から出して暖かい場所に移すと、チョコレートの表面が結露します。このとき、チョコレートに含まれる砂糖が水分へとけ出し、さらに水分が蒸発すると砂糖がチョコレート表面で結晶化。これにより白く見えるのがシュガーブルームという現象です。購入後、急激な温度変化や商品の結露が起こらないよう、適切に保存することがポイントです。


万が一、購入後の保存状態によりブルームしてしまった場合、食べても害はありませんが、風味が損なわれて口どけが悪く、ボソボソとした食感になります。

食品ロス削減にもつながる、賞味期限との向き合い方

賞味期限を正しく知ることは、チョコレートをおいしく楽しむだけでなく、食品ロス削減にもつながります。

たとえば、買う前に食べ切れる量を考えて購入する、家にあるチョコレートの賞味期限を確認する、開封後は早めに食べる、保存方法を守る。こうした小さな行動の積み重ねが、食品を無駄なく楽しむことにつながります。

チョコレートは、日常のおやつとしても、ギフトとしても親しまれているお菓子です。だからこそ、賞味期限や保存方法を正しく知り、おいしい状態で楽しみたいものです。

明治の賞味期限に関する取り組み

昨今、わが国で発生している食品ロスは年間約461万トン(※令和6年度推計(農林水産省・環境省))にも上り、その削減は重要な社会的課題となっています。

(株)明治では、賞味期限設定に関するガイドラインを基に、安全係数の見直しなどを通じた保存性の再検証や、新たに保存試験を実施しました。その結果、一部チョコレートで、おいしさや品質を損なうことなく、これまでよりも長い賞味期限を保証できることが確認できたため、2024年5月生産分より順次、対象商品の賞味期限の延長を実施しています。

例1)2024年5月生産分より順次、明治ミルクチョコレート、明治ブラックチョコレート、明治ホワイトチョコレートなどチョコレート15品の賞味期限を12カ月から14カ月に延長。

例2)2026年3月生産分より順次、マカダミアチョコレートの賞味期限を9カ月から10カ月に延長するなど、一部商品の賞味期限を見直し。

チョコレートの賞味期限に関するよくある質問

Q. チョコレートの賞味期限は商品によって違いますか?
はい。チョコレートの賞味期限は、原材料、水分量、副原料などによって異なります。板チョコレート、生チョコレート、ナッツ入りチョコレートなど、種類ごとに特徴があるため、商品ごとの表示を確認しましょう。

Q. チョコレートはどのように保存すればよいですか?
まずは、パッケージ記載されている保存方法を確認しましょう。

また、直射日光や高温多湿を避け、涼しい場所で保存しましょう。開封後、冷蔵庫で保存する場合は、におい移りや結露を防ぐため、密封して保存し、食べる分だけ取り出すのがおすすめです。

Q. 明治は賞味期限についてどのような取り組みをしていますか?
明治では、食品ロス削減に向けて、チョコレート商品の賞味期限延長に取り組んでいます。2024年5月生産分より順次、チョコレート15品の賞味期限を12カ月から14カ月に延長しています。

まとめ

チョコレートの賞味期限は、商品に使われている原材料や水分量などによって異なります。おいしく楽しむためには、パッケージの賞味期限と保存方法を確認し、直射日光や高温多湿を避けて適切に保存することが大切です。

また、チョコレートの特性を理解することは、保存方法の選択やおいしい食べ方にもつながります。

明治では、チョコレートをはじめとした商品の賞味期限延長などを通じて、おいしさと品質を大切にしながら、食品ロス削減にも取り組んでいます。

賞味期限を正しく知り、食べきれる量を選ぶ、保存方法を守る、開封後は早めに食べるといった私たち消費者の行動も、社会全体の食品ロス削減につながっていきます。

ぜひ、食品ロスを減らしながら、おいしいチョコレートをおいしいうちに楽しみましょう。