
チョコレートを使った定番スイーツ「ガトーショコラ」と「ブラウニー」。どちらも濃厚で美味しいチョコレート菓子です。その発祥や特徴には、どういった違いがあるのでしょうか。 この記事では、発祥や特徴、材料から製法、食感など、二つのスイーツの違いを徹底比較。レシピも紹介しておりますので、ぜひご家庭で愉しんでみてください!
ガトーショコラとブラウニーの違い
ガトーショコラとブラウニーは、どちらもチョコレートを使った菓子ですが、その発祥は異なるとされています。ガトーショコラとブラウニーの最も明らかな違いは、発祥国と語源の違いでしょう。その発祥と語源について下記の表にまとめました。
| 項目 | ガトーショコラ | ブラウニー |
|---|---|---|
| 発祥国 | フランス | アメリカ、イギリス諸説あり |
| 語源 | フランスではガトー・クラシック・オ・ショコラといわれ、チョコレートケーキという意味 | ブラウンがかった焼き色の見た目から「brownie(ブラウニー)」と命名された説、スコットランドの伝説に登場する妖精の名前からきたという説もある |
また他には、生地の作り方などの違いもあります。
ガトーショコラはフランス語で「ガトー(=ケーキ)」という名前の通り、ケーキに分類されるお菓子です。卵白を泡立てたメレンゲを使い、生地に空気を含ませて焼き上げるため、軽やかで口どけのよい仕上がりになります。ホールで焼いて切り分けるスタイルも、ケーキの特徴のひとつです。
一方ブラウニーは、チョコレートやバター、小麦粉などを混ぜて焼き上げるシンプルな製法で作られます。メレンゲのように空気を含ませる工程がないため、生地は密でしっかりとした食感に仕上がります。また、平らに焼いて四角くカットするスタイルから、焼き菓子の中でもバータイプのスイーツとして扱われることが一般的です。
上記のような特徴を持たないガトーショコラやブラウニーもありますが、一般的に見られる傾向を、以下に比較表としてまとめました。
【ガトーショコラとブラウニーの比較表】
ガトーショコラとブラウニーの違いについて、発祥国と語源以外のものを、以下の表にまとめました。下記の特徴を持たないガトーショコラやブラウニーもありますので、すべてのものに当てはまる違いではありません。
| 項目 | ガトーショコラ | ブラウニー |
|---|---|---|
| 形状 | 丸型・ホール | 四角・スクエア |
| 食べ方 | 粉糖をかけて切り分けて食べる | カットしてそのまま食べる |
| 使用するチョコレート | 主にダークチョコレートを使う | ダークチョコレートのほか、ミルクチョコやホワイトチョコレートを使うこともある |
| 卵の使い方 | 卵白を泡立ててメレンゲに | 全卵をそのまま使用 |
| 膨らまし方 | メレンゲの力でふんわり | 重曹やベーキングパウダーなどは使わず、比較的平らな仕上がり |
| 食感 | 軽やかでしっとり | 濃厚でねっとり |
| 焼き時間・温度 | 170〜180℃で約40分 | 170〜180℃で約25分 |
| アレンジ具材 | 基本はチョコレートのみ | ナッツやチョコチップなどが入ることもある |
ガトーショコラの特徴
日本でガトーショコラと呼ばれているチョコレートケーキは、フランスでは「ガトー・クラシック・オ・ショコラ」という名称で、フランス発祥のチョコレートケーキ。家庭菓子の定番です。
一般的にはチョコレートをとかして卵や砂糖、小麦粉を加えて作ることが多く、メレンゲを使って焼き上げるのが特徴です。オーブンで焼けばできあがる素朴でシンプルなチョコレートケーキで、丸い型で焼いて粉糖を振りかけ、切り分けてホイップクリームを添えることもあります。
フランスではパティスリーやカフェ、パン屋から高級レストランに至るまで様々な場所で見かける定番のお菓子ですが、ガトー・クラシック・オ・ショコラは日本に入ってきてから独自の進化を遂げ、レストランやカフェ、洋菓子店のほか、家庭でも簡単に作れるレシピとして日本で広く愛されているチョコレートケーキの一種となりました。

ブラウニーの特徴
ブラウニーはイギリスやアメリカで古くから親しまれ、伝えられてきたお菓子。
バターケーキとクッキーの中間のような生地で、茶色(チョコレート色)のものが多いです。ココアパウダーやチョコレートを使ったケーキ生地にクルミなどのナッツを加えて焼き上げます。
ボウルで材料を混ぜ、型に流して焼いたあと、スクエア(四角)や細長くカットするだけと簡単に作れるのも特徴です。
アメリカでは家庭のおやつとして良く食べられるカジュアルなお菓子で、家庭の数だけレシピがあるといわれるほど多くの人に愛されています。イギリスでもコーヒーショップには欠かせない定番スイーツとして知られています。

ガトーショコラとブラウニーの作り方の違い
ガトーショコラとブラウニーの作り方の違いについては、冒頭でご紹介した通り、
・工程がやや複雑で、メレンゲを泡立てて合わせるのがガトーショコラ
・材料を混ぜ合わせるだけ、ワンボウル(1つのボウル)で失敗しにくく、手軽に作れるのがブラウニー
という違いがあります。
次に、それぞれの基本のレシピを詳しく紹介します。
ガトーショコラの基本のレシピ
基本のレシピ
<材料>直径18cm丸型1台分
ダークチョコレート 90g
卵黄 3個分
卵白 3個分
グラニュー糖 95g
無塩バター 80g
生クリーム 50cc
薄力粉 50g
粉糖 適量
型用の無塩バター食塩、オーブンペーパー
<下準備>
・チョコレートは細かく刻む。
・卵は卵黄、卵白に分けておく。分けた卵白は冷蔵庫に入れて冷やしておく(メレンゲを作るとき泡が立ちやすくしっかり立つ)。
・薄力粉はふるっておく。
・型用に用意したバターを室温に戻してやわらかくし、型に薄く塗ってオーブンペーパーを底と側面にはりつける。
・オーブンは160℃に予熱しておく。
<作り方>
①刻んだチョコレートに生クリーム、バターを一緒にボウルに入れ、約50~55℃のお湯で湯せんにかけてとかしておく。
②ボウルに卵黄とグラニュー糖(60g)を入れて泡立て器でよく混ぜ、白くもったりするまで泡立てる。
③ ②に①を加え、よく混ぜる。続いてふるった薄力粉も加えて混ぜる。
④別のボウルに卵白を入れ、残りのグラニュー糖(35g)を2~3回に分けて加え、ハンドミキサーでツノが立つまでよく泡立ててメレンゲを作る。(卵白に最初から砂糖を加えず、ある程度泡だってから砂糖を加えるとしっかりしたメレンゲになる。)
⑤ ③に④のメレンゲの1/4量を加えてゴムべらで軽く混ぜたあと、残りのメレンゲを2回に分けて加え、底からすくうようにしてさっくりと混ぜ、メレンゲが見えなくなるまで合わせる。
⑥生地を型に流し入れ、160℃のオーブンで約40分焼く。
⑦ ⑥の生地の中央に竹ぐしを刺して、何もついてこなければ焼き上がり。
⑧型ごと冷まし、あら熱がとれたら型から抜き、完全に冷めたら粉糖を茶こしでふりかける。

ブラウニーの基本のレシピ
基本のレシピ
<材料>18cm×18cmの角型1台分
meijiブラックチョコレート 45g
お好みのナッツ(くるみ・アーモンド・ヘーゼルナッツなど) 70g
薄力粉 60g
ベーキングパウダー 小さじ1/5
バター食塩不使用 80g
卵 1個
明治おいしい生クリーム 20ml
きび砂糖 110g
バニラエッセンス 小さじ1/5
<下準備>
・オーブンは180℃に温めておく。
・型にクッキングシートを敷き、天板にのせておく。
・ブラックチョコレートを細かく刻んでおく。
・ナッツは150℃のオーブンで10分ローストし、適当な大きさに刻んでおく。
・薄力粉とベーキングパウダーは合わせてふるっておく。
<作り方>
①ボウルに刻んだチョコレートとバターを入れる。50~55℃の湯せんにかけ、とかす。
②別のボウルに卵、生クリーム、きび砂糖を入れ、よくすり混ぜ、バニラエッセンスを加える。
③ ②に刻んだナッツ類と①を加えてよく混ぜ、ふるっておいた粉類を加えなめらかになるまで混ぜる。
④準備した型に③の生地を流し入れ、180℃のオーブンで20~25分焼く。
⑤あら熱がとれたら型から外し、好みの形に切り分けてできあがり。

ブラウニーのバリエーション
ファッジ―(fudgy:チョコレートの風味が濃厚でねっとりとした食感を表す)なものから、ケーキタイプ、チーズ生地やプレーンなバター生地とマーブルにしたものなど様々なレシピがあります。小麦粉を減らして火を通し過ぎない作り方だと、ねっとりと濃厚な仕上がりに。
重曹やベーキングパウダーなどの膨張剤を使い、粉の量を多めにするとケーキタイプのブラウニーになります。
加える材料もいろいろあり、チョコレートの種類をビターチョコレートではなく、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートに変えることで風味や見た目も変わります。
海外では、ホワイトチョコレートを使ったブラウニーを「ブロンディ」という名前で販売していることもあります。お店によっては、カカオ産地の異なるチョコレートを使い、その違いを味わうブラウニーを販売してる場合もあります。
生地に混ぜ込むのはクルミが多いですが、マカダミアナッツやピスタチオ、ピーカン、アーモンドなど他のナッツを加えたり、エスプレッソ、レーズンなどのドライフルーツ、洋梨やバナナを加えたりして焼き上げるバリエーションもあります。生地に加える以外に、ナッツ類をトッピングして表情に変化をつける場合もあり、このように家庭やお店ごとに様々なアレンジが可能なのもブラウニーの特徴といえるでしょう。

まとめ
ガトーショコラは、丸い形、ホールで焼き上げることもあり、ラッピングすればプレゼントにも喜ばれます。「チョコレートをしっかり楽しみつつ軽やかで上品」なケーキです。
一方のブラウニーは「濃厚でカジュアル」。アメリカでは家庭ごとにレシピがあるといわれるほど親しまれているブラウニー。ルールや定義はなく、好みで自由にアレンジできる寛大さと楽しさがあるのも魅力です。
どちらも魅力あふれるチョコレートスイーツですが、食べるシーンや好みに応じて選ぶことで、さらに満足感が高まります。
こだわりのチョコレートで、ぜひ自家製スイーツにチャレンジしてみてください。

管理栄養士、スイーツプランナー、ショコラコンシェルジュ®
大学卒業後、洋菓子関連の会社に入社し販売や商品開発に携わる。
その後2007年に独立、商品企画開発や店舗開発等のマーケティング、経営面でのアドバイスなど、スイーツやチョコレートのコンサルタントとして幅広く活動。2008年以降、サロン・デュ・ショコラ・パリをはじめ、世界各国のスイーツやチョコレート市場の調査を行うほか、カカオ産地も訪問。
ウイスキーとチョコレートが好きで、カルチャースクール等でショコラとウイスキーのマリアージュセミナーを多数実施。ウイスキー専門誌「ウイスキーガロア」のテイスターを務めるほか、日本で初となるスピリッツのコンペティションTWSC(東京ウイスキー&スピリッツコンペティション)の審査員も務める。
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