トレンド

希少なメキシコホワイトカカオを味わえる!シェフへのインタビューvol.1

希少なメキシコホワイトカカオを味わえる!シェフへのインタビューvol.1

通常、紫色である生のカカオ豆の中身が白い「ホワイトカカオ」は、非常に生産量が少なく希少なものとされています。そのため、チョコレートの好きの間では“幻のカカオ”と評されることもあります。株式会社 明治は、ホワイトカカオの中でも100%白豆という非常に希少なホワイトカカオの品種を守り育て、持続可能な栽培をしていくために、2016年からメキシコ南部で農園づくりに取り組んでいます。 シェフやショコラティエ、パティシエの皆さんが、そのメキシコホワイトカカオから作るチョコレートを使って個性あふれる素敵な商品を作られています。本記事では、それぞれにお伺いした商品や想いについてご紹介します。

メキシコホワイトカカオのチョコレートはどんなチョコレート?

明治は、カカオ豆の起源と言われるメキシコで、ホワイトカカオを単一で栽培するという農園づくりに2016年から挑戦しています。
「メキシコホワイトカカオ」は、世界のカカオ豆収穫量の0.002%という希少なカカオ豆。雑味(苦渋)がなく、クリーミーで複雑な香り、味わい、旨味やコクのあるマイルドな味わいがあります。そのカカオ豆のポテンシャルを、明治独自の「リッチアロマ製法」によって最大限に引き出したのがメキシコホワイトカカオのダークチョコレートです。カカオ分は74%、主原料はカカオマス、砂糖、ココアバターで香料は不使用。カカオ分がしっかりありながら、苦味や渋味が少ないことがプロの方々からも評価を受けています。

2026年のバレンタインに向けて、メキシコホワイトカカオが味わえる商品の数々をご紹介します。

※希少なホワイトカカオに関する詳細は過去のハロチョコ記事をご覧ください。
希少なホワイトカカオとは?産地からチョコレートの味わいまで解説

各シェフ、ショコラティエ、パティシエの方々へのインタビュー

・CLUB HARIE(クラブハリエ)/フォンダンショコラ ホワイトカカオ

代表取締役社長 グランシェフ 山本隆夫氏

1972年、滋賀県近江八幡の和菓子舗「たねや」に生まれる。三輪壽人男シェフ(鎌倉)の 元で修行後、「クラブハリエ」役員に就任。

現在、代表取締役社長 グランシェフとして、バームクーヘン専門店「B-studio」、ブーランジェリー「クラブハリエ ジュブリルタン」など多数展開。

2010年アメリカで開催されたWPTCでチームジャパンのキャプテンとして優勝、2017年「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」で準優勝の実績をもつ。

Q1:明治のメキシコホワイトカカオのチョコレートを使おうと思った理由は何でしょうか?

山本:初めて試食した際に、味にとろみとフルーティな酸味を感じ、直感でこれを使えば美味しいお菓子が出来ると思い使ってみたいと思いました。

Q2:メキシコホワイトカカオのチョコレートを使った今回の商品の特長、味の組み立て、その他こだわりなどがあれば教えてください。

山本:とろみを活かそうと思った時に、お菓子を切った時に流れ出るチョコソースをイメージしてフォンダンショコラを作りました。チョコの持つとろみが倍増するお菓子を作る事が出来ました

Q3:メキシコホワイトカカオのチョコレートの特長や魅力、他のチョコレートと違う点や、特に商品に生かした点はありますか?

山本:希少性ももちろんありますが、何より味。食べた瞬間に違いが分かる口溶けが1番です。とろりとしたクリーミー感とフルーツの様な酸味で唯一無二の味になったと思います。

ホワイトカカオを使用したことで、トロッと流れるソースのとろり感が強調され、フォンダンショコラの醍醐味をより魅力的に仕上げることができました。


・シェ・シバタ/ショコラノワール(写真1枚目)、ホワイトカカオプラリネ(写真2枚目)

Founder Executive Chef柴田武氏

現在、日本に4店舗、中国、タイにシェ・シバタを展開。

2009年、日本人として初めてパティシエとしての自社のブランドを海外展開してから、世界中から出店オファーを沢山、頂いております。

アジアを中心に日本のクオリティー高いスイーツを発信。講師、国内外テレビ出演など多様な活動もしている。

Q1:明治のメキシコホワイトカカオのチョコレートを使おうと思った理由は何でしょうか?特長や魅力、他のチョコレートと違う点などがあれば教えてください。

柴田:希少性の高いホワイトカカオに興味を持ったので、製品として何か作りたいと思い使用を始めました。ほかのチョコレートと比べるとカカオの余韻がしっかり残るチョコレートです。

Q2:メキシコホワイトカカオのチョコレートを使った今回の商品の特長、味の組み立て、その他こだわりなどがあれば教えてください。

柴田:ショコラノワール(写真1枚目)、ホワイトカカオプラリネ(写真2枚目)の2商品に使用しています。通常のチョコレートとは格段に違うカカオの風味を感じてもらうために、ホワイトカカオを使いました。特徴である酸味、発酵時に出てくる豊かで奥行きのある香りをとても気に入っているのでよりクッキーの中でもラグジュアリーさを演出できます。また、くちどけが滑らかでカカオのビター感が最後まで余韻として残るところも気に入っています。

Q3:メキシコホワイトカカオのチョコレートの魅力について、特に商品に生かした点はありますか?

柴田:副材料などは他のフレーバーを極力控え、ホワイトカカオ本来の味を楽しめるようにレシピを組み立てています。

・CALVA(カルヴァ)/ホワイトカカオの生チョコ

シェフ・パティシエ、シェフ・ショコラティエ 田中二朗氏

1979年神奈川生まれ。1998年「東京プリンスホテル」入社。
2001年川村英樹氏の「パティスリーアテスウェイ」にオープニングスタッフとして勤務。
2007年渡仏し、ノルマンディー地方で修行。
2009年地元大船に「Patisserie CALVA」をオープン。
2022年パリで開催された「WORLD CHOCOLATE MASTERS」に日本代表として出場。味覚4部門中3部門でベストアワードを受賞は日本人初。

Q1:田中シェフがメキシコホワイトカカオのチョコレートを使おうと思った理由は何でしょうか?

田中:初めて口にした際、カカオの風味が非常に強く、風味豊かで個性的であるにも関わらず雑味が少ない点に驚き、その味わいを大変気に入ったためです。この唯一無二の個性を自分のお菓子作りで表現したいと考えました。

Q2:このチョコレートの特長や魅力、他のチョコレートと違う点はありますか?

田中:ホワイトカカオという豆本来の特徴である、力強いカカオ感や心地よい苦味がダイレクトに感じられる点です。それだけ個性が強いにも関わらず、特有のえぐみが極めて少なく、クリアな味わいであることが魅力だと感じています。

Q3:メキシコホワイトカカオのチョコレートを使った今回の商品の特長、味の組み立て、こだわりなどがあれば教えてください。

田中:このチョコレートを使用するのは今回で3回目となります。過去の経験から、副素材と複雑に混ぜ合わせると、どうしてもこのカカオ特有の個性が埋もれてしまいやすいと感じていました。そこで今回は、ホワイトカカオが持つ本来の魅力を最大限に引き立てるため、あえてシンプルな「生チョコ」に仕立てています。

香りが強く雑味が少ない素晴らしい素材ですが、その個性ゆえに、そのままでは一般のお客様には少しハードルが高く感じられてしまう側面もあると考えました。そこで、今回は生クリームを使用することで味わいに「丸み」を持たせ、角を取りました。希少な素材の魅力を活かしつつも、より多くの方にその美味しさを知っていただけるよう、間口の広い「生チョコ」として親しみやすい味に落とし込んでいます。

・Pâtisserie Couleur(パティスリー クルール)/ホワイトカカオティグレBOX

佐々木拓也氏

1990年長野県塩尻市生まれ。
エコール辻東京卒業後、都内「ル パティシエ タカギ」「資生堂パーラー」を経て渡仏。
世界的ショコラティエ JEAN-PAUL HÉVIN (ジャン=ポール・エヴァン)のもとパリ本店でショコラを学ぶ。

帰国後、都内ホテル「リッツカールトン・東京」やミシュラン星付きレストラン「ブルガリ・イル・リストランテ」にて経験を積む。
2021年には自身が手がける初ブランド「パティスリークルール」を地元塩尻市にオープン。

Q1:メキシコホワイトカカオチョコレートを使用しようと思ったきっかけはありますか?

佐々木:ホワイトカカオの存在は以前より知ってはいましたが、使う機会を逸しておりました。しかし今回、アムール・デュ・ショコラ出店のお声がけをいただいた際に「何か特別なものを」と考えていたところ当企画を知り、使用を決めました。

Q2:このチョコレートの特徴や魅力、他チョコレートとの違いは何か感じましたか?また、特に商品に活かした点はありますか?

佐々木:ホワイトカカオの特徴は何といっても、香り。そして高カカオ分とは思えないほど軽い。また、雑味も少なく口あたりがとてもいい点が特徴だと思います。特に商品にこだわった点は、このホワイトカカオを多くの人に感じ、味わってもらうこと。
そのため生地、ガナッシュ共にホワイトカカオを贅沢に使用することで味わいや香りをしっかりと感じ、楽しんで、ホワイトカカオを知ってもらえる様に工夫しました。

Q3:今回の商品の特徴、味の組み立てやこだわりなどを教えてください。

佐々木:今回はホワイトカカオをティグレに使用しました。雑味がなく、クリアな味わいから他の食材の味や香りとマッチし、焼成した際にカカオの香りも強く感じます。その為余計なものは加えずに、カカオ本来の味わいや香りを楽しんでいただけるよう工夫しました。
ティグレの生地自体は甘さを抑えることで、チョコレートの味わいを感じれるようにし、ガナッシュには赤ワインを加え、味に奥行きが出るように工夫してあります。

3.まとめ

各シェフが感じた、メキシコホワイトカカオのチョコレートの香りや食感など、その個性を生かした魅力的なスイーツ。どういう思いで商品を作ったか、その背景にある工夫やこだわりを知ると、お菓子の味わい方もまたひと味変わってきそうです。
これからのバレンタインシーズン、百貨店の催事や各ブランドの店頭などで見かけることがあれば、ぜひチェックしてくださいね。

平田早苗
平田早苗

管理栄養士、スイーツプランナー、ショコラコンシェルジュ®

大学卒業後、洋菓子関連の会社に入社し販売や商品開発に携わる。
その後2007年に独立、商品企画開発や店舗開発等のマーケティング、経営面でのアドバイスなど、スイーツやチョコレートのコンサルタントとして幅広く活動。2008年以降、サロン・デュ・ショコラ・パリをはじめ、世界各国のスイーツやチョコレート市場の調査を行うほか、カカオ産地も訪問。
ウイスキーとチョコレートが好きで、カルチャースクー等でショコラとウイスキーのマリアージュセミナーを多数実施。ウイスキー専門誌「ウイスキーガロア」のテイスターを務めるほか、日本で初となるスピリッツのコンペティションTWSC(東京ウイスキー&スピリッツコンペティション)の審査員も務める。

https://www.potluck-i.com/