
皆様こんにちは。カカオマーケティング部の塚本です。2024年12月4日~6日に東京ビッグサイトにて開催されたSDGs Week EXPO 2024「エコプロ(第26回)」に出展いたしました。エコプロでの展示の紹介と裏側をご紹介します。
エコプロとは
2024年12月4日~6日に東京ビッグサイトにて開催されたSDGs Week EXPO 2024という持続可能で強靭な社会の構築を志す同時開催展示会の中の1つです。その中で環境総合展「エコプロ」では小・中・高校生を対象とした教育支援プログラムや、Z世代など次代を担う若者たちの情報発信にも積極的に取り組まれています。本年は全体で470社・団体が出展し、3日間で63,303人が来場しました。(エコプロ、カーボンニュートラルテック、自然災害対策展、サーキュラーパートナーシップEXPO、社会インフラテックの合計)
明治の取組
株式会社 明治は2006年からMCS(メイジ・カカオ・サポート、以下MCS)という独自のカカオ農家支援活動を行っています。MCSを通して、児童労働や森林減少など、さまざまな社会問題を抱えているカカオ原産国に対し、約20年にわたりカカオの原産国へ支援を行っています。社員が直接カカオ産地に足を運び、現地の農家のさまざまな課題に寄りそった支援を行っており、カカオ農家の暮らしの向上のために、生産性や収益面でのサポートに取り組んでいることが特徴です。

明治ブースの紹介
展示スペースではカカオ産地への支援の取り組みや、カカオの生産方法、チョコレートになるまでの工程、カカオの新しい可能性(アップサイクル)についての展示を行い、小中高生をはじめ多くの来場者の皆さまにカカオ原産国の社会課題を伝えるブースとしていました。明治ブース全体はチョコレートの工場をイメージしたファンタジーでわくわくする外観で、「カカオやカカオ産地を知るコーナー」と「カカオの新しい可能性を知るコーナー」の大きく2つで構成しています。入口からはチョコレートの香りを楽しんでいただいたり、カカオ産地での様子を体験していただけるブースを作ったりと来場者の皆様に五感でチョコレートを感じていただけるように工夫いたしました。
全体を通して、明治が行っているMCSの取組内容を子供たちにも楽しみながら学んでもらえるよう、学習帳とワードクイズをお配りしました。学習帳は”カカオから考える未来”をマンガで学べる内容で、カカオ産地が抱える社会問題の啓発について一緒に取り組んでいる京都芸術大学の学生さんに漫画を書いていただきました。またワードクイズはカカオ農家の作業や、産地支援の理解に役立つ内容となっており、ブースを回りながらブースの中に隠されたヒントを探し、クイズに答える仕組みになっています。


まずは「カカオやカカオ産地を知るコーナー」では、チョコレートの原料「カカオ豆」とカカオ産地のことを知り、チョコレートになるまでの工程の体験を通してカカオ産地のリアルを学ぶことができます。本年はより理解を深めていただくために、各工程にカカオ農家で実際に作業をされている様子の動画も設置しました。ポッド割りや発酵作業など中々見ることができない映像に、大人の方もじっと見られている様子も見受けられました。
また工程の説明とともにMCSでの取組内容を紹介しております。例えば、「豊かな森林を守る活動」として、生産性の高い品種のカカオの苗木、森林保全につながる農業推進のための苗木をカカオ農家へ無償配布をしています。こうした技術的な支援に加え、井戸の寄贈などの生活支援まで幅広い取り組みをしています。チョコレートの購入を通して間接的でも何かできることがあることを知っていただけると嬉しく思います。

カカオがチョコレートになるまでの各工程の詳細は過去のハロチョコ記事をご覧ください。
(カカオ豆の原産地はどこ?品種別の特徴、収穫からチョコレートになるまでを紹介 | 基礎知識 | Hello, Chocolate(ハローチョコレート)| 株式会社 明治 - Meiji Co., Ltd.)
続いて、「カカオの新しい可能性を知るコーナー」では、カカオ=チョコレートだけではない、カカオから作られる素材を活用した製品の展示を行いました。明治は2022年から「ひらけ、カカオ。」をスローガンに、カカオを新しい可能性を秘めた素材として捉えなおし、みなさまにカカオの新しい魅力をお届けする取組を行っています。カカオの経済価値を向上させ、カカオ産地にも還元する。そしてカカオに関わる全ての人が笑顔になる。明治はそのような未来を目指し、カカオの新しい価値創造に挑戦しています。
難しい内容を来場者の方にわかりやすく伝えるために、どのようにできているのか目で見てわかるよう、カカオから作られている素材と製品をツリーのように枝分かれさせた図で表現いたしました。実験室をイメージした楽しいデザインと、素材も現物を展示し、目で見て、実際に触って体感いただくことでより身近に感じていただきたいと考えた展示です。チョコレートだけではない、カカオの活用方法を体系的に学ぶことができます。


例えば、カカオフラバノールとは、カカオ豆に含まれるカカオポリフェノールの一群で、単純に抽出するだけでは美味しく取ることができない素材です。明治は、カカオのフルーツとしての魅力を最大限に引き出す製法を検討し、これまでのカカオの持つイメージとは全く異なる、赤くてフルーティーな味わいのエキスを開発いたしました。最終製品としてはカカオのイメージとは異なる、綺麗なピンク色のゼリーやドリンクを展示しており、フルーティーな味わい、そしてカカオ独特の爽やかな苦みとトロピカルな香りがします。お客様からも「すごい、チョコじゃない!」というコメントや、「おいしそうなにおいがする」、「食べたい」という声も聞こえました。
その他にも今まで積極的に活用されてこなかったカカオ豆の皮であるカカオハスクからできたコースターやプラスチック製品、衣類までカカオからこんなものが!?と驚いていただけるような製品を展示いたしました。
1つ目は、タカラトミーさんにご協力いただいたアップサイクル素材で作った プラレールの展示です。タカラトミーさんは卵の殻やお米の籾殻など、従来廃棄されてしまうような自然由来の素材に着目し、石油由来のプラスチックに代わる環境に優しい玩具素材の研究開発に取り組まれています。その中には明治のチョコレート工場から排出されるカカオハスク(カカオ豆の種皮)を配合した素材で作られたプラレール車両がございます。
そのチャレンジにおける現段階の研究開発成果として、2024年8月の「東京おもちゃショー2024」で展示されていた、さまざまな環境配慮素材(サステナブル素材)を活用したプラレールを展示させていただきました。この展示が見たくて明治ブースへいらっしゃるお子様も見受けられ、おもちゃにも使われていることでより身近に感じていただけたのではと思います。

2つ目はカカオハスクのアップサイクルを通じて実現した非食品領域のブランド「CACAO STYLE」より、チョコレートのような香りのするカカオハスクを活用した資材などでつくった “カカオの部屋”の展示です。 “カカオの部屋”では花瓶や器、タオル等日用品から壁や床まで、すべてにカカオハスクを使用しています。興味津々で実際に触ってみてくださる様子や、チョコレートのような香りを感じてくださる様子も見受けられました。

上記に加えて1日4回「クイズに答えながらカカオ産地の課題について学ぼう!」と題してセミナーを実施いたしました。クイズを交えながらチョコレートの原材料であるカカオの生産の様子や産地が抱える課題を社員が講師となりお話させていただき、小中学生を中心に3日間合計で1,300名の方に参加いただく大盛況のイベントとなりました。

まとめ
エコプロではご来場いただいたたくさんの方に、カカオの生産からカカオの新しい可能性まで体験を通して理解を深めていただくことができました。こうした展示会を通じて、カカオ産地のことを考えるきっかけになれば嬉しく思います。今後も様々な形で情報発信を続けて参りたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。